dv継手規格JIS K6739基準詳細解説

dv継手規格JIS K6739基準詳細解説

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dv継手規格基準

dv継手規格の基本情報
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JIS K6739規格

排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手として規定

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対応サイズ

φ30mm~φ150mmまで幅広く対応

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使用条件

耐熱温度60℃、無圧用途での使用

dv継手規格JIS K6739の基本仕様と定義

dv継手規格は、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル継手」として正式に規定されています。DVは「Drain・Vent」の略称で、日本語では「排水・通気」を意味し、建物内の排水設備や通気設備に使用される専用継手です。

 

この規格の特徴は以下の通りです。

  • 適用範囲: VP管およびIDVPを使用する排水用硬質ポリ塩化ビニル管の接着接合
  • 使用圧力: 無圧用途(内圧がかからない箇所)
  • 耐熱温度: 60℃まで対応
  • 接合方式: 接着剤による接着接合

dv継手は、給水用のTS継手と比較して受口深さが短く設計されており、テーパも緩い構造となっています。これは排水用途において内圧がかからないことを前提とした設計思想によるものです。

 

規格では継手の性能項目として、寸法、外観、耐衝撃性、接合部の気密性、接合部の引張強さなどが定められており、厳格な品質基準が設けられています。

 

dv継手規格対応サイズと寸法詳細一覧

dv継手規格では、呼び径30mmから150mmまでの幅広いサイズが規定されています。各サイズの詳細寸法は以下のようになっています。
標準サイズ展開

  • φ30mm、φ40mm、φ50mm(小口径)
  • φ65mm、φ75mm(中口径)
  • φ100mm、φ125mm、φ150mm(大口径)

寸法規定の特徴

  • L1、L2: 全体の長さ寸法
  • Z1、Z2: 部分的な長さ寸法
  • 許容差: ±2mmの範囲内

例として、45°エルボの場合、φ30mmでは全長30mm、φ150mmでは全長124mmとなり、サイズに応じて比例的に寸法が設定されています。

 

エスロンタイムズの公式承認図面では、各サイズの詳細寸法が確認できます
IDDV継手の特殊寸法
IDDV継手については、ISO 265-1に基づく国際規格寸法も並行して定められており、グローバル規格との整合性も図られています。

 

dv継手規格形状種類と略号体系

dv継手規格では、用途に応じた多様な形状が規定されており、それぞれに固有の略号が付与されています。

 

主要形状と略号一覧

形状名 略号 用途
90°エルボ DL 直角曲がり
90°大曲がりエルボ LL 緩やかな直角曲がり
45°エルボ 45L 45度曲がり
90°Y DT 分岐接続
90°大曲がりY LT 緩やかな分岐
90°大曲がり両Y WLT 両側分岐
45°Y Y 45度分岐
ソケット DS 直管接続
インクリーザ IN 径違い接続

径違い継手の特徴
径違い継手は、異なるサイズの管を接続する際に使用され、例えば100×75mmや125×100mmなどの組み合わせが規格化されています。

 

角度精度の規定
Y継手類では流れ角度91°10´±30´という高精度な角度規定が設けられており、排水の流れを適切に制御できる設計となっています。

 

特に建築現場では、これらの形状を組み合わせることで、複雑な配管レイアウトにも対応可能です。

 

dv継手規格とTS継手VU継手の性能比較

配管継手選定において、dv継手規格と他の継手規格との違いを理解することは重要です。

 

継手種類別比較表

継手種類 用途 使用圧力 耐熱温度 接続管
TS継手 給水用 0.75MPa 60℃ VP管
DV継手 排水・通気用 無圧 60℃ VP管
VU継手 排水・通気用 無圧 60℃ VU管
VUDV継手 排水・通気用 無圧 60℃ VU管

構造的差異

  • 受口深さ: DV継手はTS継手より短い接着代を採用
  • テーパ角度: DV継手は緩やかなテーパ設計
  • 肉厚対応: DV継手はVP管、VUDV継手はVU管の肉厚に最適化

選定基準のポイント
圧力がかかる給水系統にはTS継手、排水・通気系統にはDV継手を選定するのが基本原則です。間違った選定は漏水や破損の原因となるため、用途に応じた適切な選択が不可欠です。

 

クボタケミックスの技術ブログでは、継手選定の詳細な解説が確認できます

dv継手規格適用時の施工注意点と品質管理

dv継手規格の適用において、適切な施工と品質管理は配管システムの長期安定性に直結します。

 

施工前の確認事項

  • 管材との適合性確認(VP管との組み合わせ)
  • 環境温度の確認(5℃〜40℃の範囲内での施工推奨)
  • 接着剤の適正な選定と保管状態確認

接着接合の重要ポイント

  • 管端の面取り加工(0.5mm〜2.0mm程度)
  • 受口内面と管外面の清拭
  • 接着剤の均一塗布
  • 挿入後の保持時間確保(最低30秒間)

品質管理のチェック項目

  • 接合部からの接着剤はみ出し確認
  • 管軸のずれや曲がりの有無
  • 規定挿入深さの確認
  • 養生時間の遵守(24時間以上)

よくある施工不良事例

  1. 不適切な面取りによる接着不良
  2. 清拭不足による接着力低下
  3. 低温時の接着剤硬化不良
  4. 過度な挿入力による継手変形

現場での温度管理も重要で、特に冬季施工では接着剤の硬化時間が延長されるため、十分な養生期間を確保する必要があります。また、継手の保管時も直射日光や高温を避け、変形や劣化を防ぐ配慮が求められます。

 

定期的な施工教育と品質チェック体制の構築により、dv継手規格の性能を最大限に活用した信頼性の高い配管システムが実現できます。