

建築従事者の目線で「評価」を分ける最大のポイントは、チェーンソーが“止まらないか”よりも、“止まりそうになった時にどれだけ粘るか”です。太枝や乾いた角材など、抵抗が強い材ではチェーンスピードの落ち方が作業時間と疲労に直結します。
HiKOKIの18Vコードレスチェーンソー(CS1825DC系)は「太い枝でも止まりづらい」といった設計思想(高トルクモーター)で語られる一方、第三者検証では18cm程度の丸太切断で回転は止まらないがチェーンスピードが落ちやすく、切断に時間がかかる傾向が示されています。検証例では檜18cmで29秒という記載があり、薪割りの丸太を量産するより剪定・細枝寄りに向く、という整理は現場感に近いです。
一方で、同じ「充電式」でも36V(マルチボルト)側に寄せると、作業量(1充電あたりのカット数)が増えるなど、連続作業のストレスが減る設計が見えます。工具屋解説では、18V/36Vの違いを「電圧=パワーの差」として整理しており、切断材の径や作業量に合わせて電圧で選ぶのが合理的です。
チェーンソーの現場事故は、刃が“回っている時間”だけでなく、“回り続ける余韻(惰性)”や“キックバック”の瞬間に起きやすいのが厄介です。第三者検証では、HiKOKI 18V機がチェーンブレーキを採用し、キックバック時に緊急停止できる点が好印象とされ、さらにトリガーを離すと回転が止まった(惰性運動が短い)という評価が書かれています。ここは、建築現場の「切って→置く→拾う→また切る」の反復で効いてきます。
ただし、安全機能があるほど油断が増えるのも現場あるあるです。HiKOKIの取扱説明書(例:CS1825DC/CS1810DD系)には、片手使用を避けることや、高所・はしご・腕を伸ばした無理姿勢での操作を避ける旨が明確に書かれています。特に高所作業は“切断の難しさ”より“体勢が崩れた瞬間の刃の入り方”が危険なので、機械評価とは別に、作業姿勢のルールを再確認した方が事故が減ります。
建築の現場では、伐木ほど重装備になりにくい一方、脚立・足場・内装解体など「不安定な足場」で使われがちです。だからこそ、チェーンブレーキ等の機能評価と同じ熱量で「そもそも危険な姿勢で使わない」運用設計が必要です。
チェーンソーの評価は、カタログスペックより「整備のしやすさ」で逆転が起きます。理由は簡単で、チェーンの張り・目立て・給油が崩れた状態で回せば、どんな高性能機でも“切れない・暴れる・焼ける”からです。
工具屋解説では、HiKOKIのCS1825DCがブラシレスモーター+ダイレクトドライブで低振動・高耐久を狙い、さらにチェンオイル流量調整機構を備える点、サイドカバーのナットが落ちにくい形状(紛失防止)など、現場の地味なストレスを減らす工夫が挙げられています。第三者検証(mybest)側でも、クラッチカバー固定ナットに落下防止機能が採用され屋外で紛失しにくい、張り調整が正面ででき交換が煩わしくない、とメンテ面が評価されています。
意外と見落とされがちですが、ナットやテンショナーの扱いやすさは「林業」より「建築」で効きます。なぜなら、建築現場は切断対象が一定ではなく、合板・角材・枝・根太・梱包材など“いろいろ切る”ため、チェーンの張りや給油のチェック頻度が上がりやすいからです。
充電式チェーンソーは「エンジンより静か」というイメージが先行しますが、評価を落とす原因になりやすいのが騒音です。第三者検証では、HiKOKI 18Vコードレスチェーンソーの切断時騒音レベルが実測97.1dBと記載され、音が大きく目立つので使用時間帯や場所に注意、という注意点がはっきり書かれています。
建築現場では、伐木と違い「近隣クレーム」「商業施設の営業」「集合住宅の管理規約」など、音が作業停止リスクになり得ます。充電式を選ぶ目的が“取り回し”だけでなく“近隣配慮”も含むなら、チェーンソー単体の評価ではなく、運用(作業時間帯・養生・防音ボード・切断方法)まで含めて設計しないと期待外れになります。
振動についても、mybest検証では振動を感じやすい印象があるとされ、スロットルロックアウトを押し続ける操作が疲れやすいという指摘があります。長時間で手が痺れるタイプの作業者には、スペックよりグリップ感・操作系の癖の方が合否を分けます。
検索上位が語りにくい“地味だけど効く”視点として、防護服(特に脚部防護)の話を入れます。チェーンソーは、上半身よりも脚部に刃が入りやすく、重傷化しやすいのが怖いところです。厚生労働省のガイドラインでは、チェーンソー用の脚部防護服はJIS T 8125-2に適合または同等以上の性能が求められる旨が整理されており、さらに2019年8月の労働安全衛生規則改正により、伐木作業等を行う労働者は下肢の切創防止用保護衣着用が義務化された、という説明もあります。
ここが「評価」にどう効くかというと、チェーンソー本体の購入価格だけで判断すると、結局“現場で使える状態”までの総額が読めません。例えば、建築現場でも伐木・伐採寄りの作業が混ざるなら、JIS適合の防護ズボンやチャップス、ヘルメット、保護メガネ、防振手袋などをセットで揃える必要が出ます(取扱説明書でも保護具着用が強く推奨されています)。
つまり「ハイコーキが安い/高い」の評価は、防護具と安全運用を含めた“作業システムの価格”で見直すべきです。安全装備まで含めると、機械本体の数千円差より「整備性・停止性・チェーンブレーキの信頼性」の方が、事故リスク(=現場停止リスク)に対してコスパが良くなるケースが現実にあります。
安全ガイドラインとJIS T 8125-2(脚部防護服)の要点。
https://www.kaken.or.jp/test/search/detail/180
HiKOKI コードレスチェーンソー取扱説明書(保護具・高所・片手使用禁止などの安全事項)。
https://www.hikoki-powertools.jp/manual_view_domestic/pdf/C99747801_CS1825DC_207.pdf

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