

レシプロソー(セーバーソー)の評価で一番ブレやすいのが「切断能力の見落とし」です。たとえば材料が同じ“木材”でも、厚さ50mm前提の小型機と、120mm〜255mmまで狙える機種では、そもそも戦う土俵が違います。
実例として、ACコード式のCR13V2は最大出力1,010Wで、鋼管・塩ビ外径130mm、木材厚120mm、軟鋼材厚19mm、ストローク数0〜2,800min-1、ストローク量29mmという“現場で困りにくい定番帯”のスペックを持ちます。
このクラスは「太物を切れる」安心感が評価につながりやすい一方、重量3.3kg級のため、天井際・脚立上・片手保持が多い作業だと疲労が先に来て“切れるのに遅い”と感じることがあります。
ここでポイントは、ストローク数の最大値だけを追わないことです。材料が硬いほど「無理に最高速で押す」より、刃が噛まずに排出できる速度域に落とした方が結果的に速く、刃持ちも伸びます。ハイコーキの上位機では速度モードを分けて用途を明示しており、例えばCR36DAは低速〜最高速まで4段の速度モード(低速0〜1,700/中速0〜2,000/高速0〜2,500/最高速0〜3,000min-1)を用意し、ステンレス・プラスチック・鉄パイプ・ALC・木材などの推奨用途を示しています。
参考)HiKOKI(ハイコーキ) 日立 電子セーバソー 無段変速機…
「現場での評価」を安定させたいなら、作業者の腕力や癖ではなく、機種側に“適正領域へ誘導する仕組み”があるかを見た方が失敗しにくいです。
また見落としがちなのがストローク量です。ストローク量が大きいほど一往復で削る量が増えやすく、太物や木材では効率が上がりやすい一方、薄物や硬物では暴れやすさ・引っ掛かりが出ることがあります。CR36DAはストローク量32mmで、オービタル機構と合わせて木材の切断効率を上げる設計です。
逆に、設備の改修で「配管の局所切断」「吊りボルト周り」「狭所での短い切込み」などが中心なら、最大能力よりも取り回しと制御性が評価ポイントになります。
参考:CR36DA公式で、ツイン回転式カウンタウェイト・オービタル機構・速度モード・作業量目安がまとまっている(機構の根拠確認)
HiKOKI コードレスセーバソー CR36DA 製品情報
建築従事者の実務で、レシプロソーの評価は「切れ味」だけでなく「疲れ方」で決まります。特に解体や改修は、同じ姿勢で数十カットを積み上げるので、振動が強いと握力が先に尽きて安全マージンが削れます。
ハイコーキが“低振動”を売りにできる理由として、ツイン回転式カウンタウェイト(上下に配置したギヤ一体型カウンタウェイトを同時に逆回転させ、前後左右の慣性力を打ち消す)を独自機構として採用している点が挙げられます。
CR36DAの説明でも、このツイン回転式カウンタウェイトによる低振動化と、オービタル機構により切断効率を大幅に向上させる、という設計思想が明確です。
オービタル機構は「ストレート(直線往復)」と「オービタル(前後方向の軌道を足して切り粉排出と食い込みを良くする)」を切り替えられるため、木材・石こうボード・ALCなどで速度が出やすい反面、鉄やステンなどで無理に入れると刃こぼれや噛みの原因になります。
つまり、評価が高い機種ほど“万能に見える”のですが、現場では材料ごとに切替を徹底できる職長・班ほど満足度が上がり、切替を面倒がると「刃がすぐ死ぬ」「暴れる」という低評価に振れます。
意外と知られていないのが「押し付け力が小さくても切断スピードが落ちにくい」という思想です。CR36DAは小さい押付け力でも切断スピードが落ちにくい旨をうたっており、力任せの作業を抑制して疲労と事故リスクを下げる方向に寄せています。
この“押さなくても進む”は、ベテランの省力化だけでなく、経験の浅い人が無理に体重を乗せてキックバック的な反動を招く事故を減らす意味でも価値があります(もちろん基本は姿勢と保持が前提です)。cainz+1
参考:安全上の注意PDFで、キックバック時の立ち位置(刃の平面線上に立たない等)が明記されている(安全教育の根拠)
安全上のご注意(キックバック・反動の注意)
「ハイコーキのレシプロソー評価が良い」と言われるとき、実は本体の差よりブレードの当たり外れで語られていることが少なくありません。刃が合っていないと、どれだけ上位機でも“切れない・跳ねる・焼ける”の三重苦になります。
具体例として、CR36DAの標準付属品にブレードNo.141(S)が挙げられており、鋼管切断の比較条件でもNo.141(S)が使われています。
そしてNo.141(S)は「湾曲ブレード」で、特長としてアサリ幅が小さく切断抵抗が低く、切断スピード向上を狙ったブレードとして流通しています。
参考)HiKOKI 湾曲ブレードNo.141S(5本入り) - …
さらに販売店の仕様情報では、No.141(S)は厚物・ステン用で、刃先材質がマトリックスII(ステンレス切断に最適)であること、山数14、アサリ幅1.2mm、刃厚0.9mmなどが示されています。
参考)ハイコーキ セーバソーブレード(湾曲) No.141(S) …
ここが“評価を上げるコツ”で、ステン配管や薄肉ステン部材は、刃先材質が合っていないと摩擦熱で一気に切れなくなり、結果として本体を疑いがちです。マトリックスIIのようなステン適性をうたう刃を最初から選べば、同じ機種でも体感が改善しやすいです。
また湾曲形状は、管材に当たる面積(接触の仕方)が変わるので、姿勢が安定しやすく、切り始めの逃げや暴れが減るケースがあります(特に片手で押さえられない配管撤去で差が出ます)。
ただし万能ではありません。ストローク量が小さい機種では湾曲ブレードの効果が出にくい、という注意もメーカー系の資料で示されています。
参考)https://www.vivahome.com/tools/tools-2/tools-2-15/4966375137252.html
つまり「湾曲ブレード=常に正解」ではなく、ストローク量・材料・姿勢(押し付け力)まで含めて“セットで最適化”したときに評価が安定します。
現場の評価が割れやすいのが、コード式(AC)と充電式(18V/36V)の選択です。結論から言うと「切れ味の上限」より「現場導線」と「作業の連続性」を優先した方が、後悔が少ないです。
コード式の良さは、電源が確保できる現場ならパワーが持続し、途中で止まらない点です。
参考)https://review.kakaku.com/review/K0000095916/
実際、CR13V2のようなAC機は、最大出力1,010W、ストローク数0〜2,800min-1、ストローク量29mmと、用途を選べば今でも“評価が落ちにくい”構成です。review.kakaku+1
一方でコードは取り回しの邪魔になり得るため、切断位置が頻繁に変わる改修・解体ではストレスになることがあります。
充電式は、コードレスによる取り回しの良さが最大の評価点です。
ただし、バッテリー切れが作業テンポを崩すのも事実で、対策は「予備電池の本数」と「急速充電器の運用」に寄ります。
CR36DAではマルチボルト蓄電池(36V-2.5Ah/18V-5.0Ah)と急速充電時間約25分(条件で変動)などが明示され、作業量目安として木材約100カット、鋼管約80カットの目安も示されています。
“意外な落とし穴”として、充電式上位機は本体+電池で重くなりやすく、重量が増えると天井際や横持ちでの疲労が増えます。CR36DAは蓄電池装着時の質量4.5kgとされ、軽快さだけで判断すると評価が割れます。
ここは、同じ現場でも「床置きで切る人」と「上向き・横向きが多い人」で、最適解が変わるので、班内で役割に合わせて機種を分ける方が合理的です。
検索上位の比較では、スペック(ストローク数・ストローク量・切断能力)や、低振動機構の話で止まりがちです。ですが建築の現場で“評価が本当に決まる”のは、切断そのものより「周辺段取り(粉じん・火花・騒音・養生・後片付け)」です。
例えば、オービタル機構は木材切断効率を上げやすい一方、切り粉の飛び方も強くなりやすく、室内改修だと養生や集じんの手間が増えます。
また速度モードで用途を分ける設計は、火花が出やすい金属切断時に必要以上の速度を避ける意味でも有効で、結果として周辺への火花飛散や焼けを抑える方向に働きます。
つまり「速さ」は正義ですが、“速いほど後工程が増える現場”では、最終的な工数で評価が逆転することが起こります。
さらに安全面では、反動(キックバック等)を抑えるために刃の平面線上に立たない、という注意が資料で明確に示されています。
参考)https://img.cainz.com/download/4960673604652.pdf
レシプロソーは丸ノコほど典型的ではないにせよ、「噛み」「材料の落ち込み」「切り離し側の保持不足」で急に挙動が変わり、姿勢を崩すと手首・肘を持っていかれます。ここは工具の評価以前に、作業手順の標準化で事故率と疲労が落ち、結果として“この機種は使いやすい”という評価に繋がります。
評価を安定させる実務チェック(班で共有しやすい項目)
参考:ハイコーキ製セーバーソーの選び方(切断能力・材質・刃・電源)を体系的に整理している(選定基準の整理に使える)
ハイコーキ製セーバーソーの選び方と機種特徴

HiKOKI(ハイコーキ) 14.4V 18V 兼用 充電式 ブロワ 大風量 低振動 風量3段切替+無段変速スイッチ 蓄電池・充電器別売り RB18DC(NN) グリーン|ブラック