間柱の規格と寸法や間隔の基本知識と探し方

間柱の規格と寸法や間隔の基本知識と探し方

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間柱の規格と寸法について

間柱の基本情報
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間柱の役割

壁を支える二次部材として機能し、壁板の取り付けやクギ・ネジの下地になります

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一般的な寸法

木材:幅30~50mm×奥行き40~105mm、軽量鉄骨:幅30~50mm×奥行き40mm

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標準的な間隔

一尺(303mm)~455mm程度の等間隔で配置されるのが一般的

間柱(まばしら)とは、建築物の壁構造において柱と柱の間に設置される小柱のことです。読んで字のごとく「柱と柱の間にある柱」という意味で、主に壁を支えるための部材として使用されます。間柱は家の構造自体を支える主柱とは異なり、壁の強度を保ち、壁材を固定するための二次部材として機能します。

 

間柱は壁の中に隠れているため普段目にすることはありませんが、壁に棚やテレビなどの重量物を取り付ける際には、間柱の位置を知ることが非常に重要になります。石膏ボードだけにクギやネジを打ち込んでも十分な強度が得られず、すぐに抜けてしまうためです。

 

また、間柱の空間は電気配線や給排水管を通したり固定したりするスペースとしても活用されています。このように間柱は建物の機能性と安全性を支える重要な役割を担っているのです。

 

間柱の標準的な寸法と材質の種類

間柱の寸法は建物の構造や用途によって異なりますが、一般的な規格としては以下のようになっています。

 

【木造住宅の間柱寸法】

  • 標準サイズ:
    • 30mm × 105mm
    • 45mm × 105mm
    • 30mm × 120mm
    • 45mm × 120mm
  • 集合住宅用間柱:
    • 厚さ: 30mm・35mm・45mm
    • 幅: 40mm・45mm・50mm・65mm
    • 長さ: 2500mm・2700mm・2900mm・3000mm
  • 木造住宅用間柱:
    • 厚さ: 27mm・30mm・45mm
    • 幅: 105mm・120mm・130mm
    • 長さ: 2900mm・3000mm

     

    【軽量鉄骨造の間柱寸法】
    軽量鉄骨下地(LGS下地)の一般的なサイズは以下の通りです。

    • 50形: 高さ2.7m以下の壁に使用
    • 65形: 高さ4m以下の壁に使用
      • 出入口補強材: C-60×30×10×2.3mm
      • 補強材取付金物: L-30×30×3mm
    • 90形: 高さ4mを超え4.5m以下の壁に使用
      • 出入口補強材: C-75×45×15×2.3mm
      • 補強材取付金物: L-50×50×4mm
    • 100形: 高さ4.5mを超え5m以下の壁に使用
      • 出入口補強材: 2×C-75×45×15×2.3mm

      一般的な軽量鉄骨製の間柱のサイズは、幅30~50mm、奥行き40mmが標準的です。コの字型をした軽量鉄骨が使われることが多いです。

       

      間柱の材質としては、主に以下の2種類が使用されています。

       

      1. 木材(木質の集成材:伝統的な木造住宅で多く使用され、加工が容易で断熱性にも優れています。

         

      2. 軽量鉄骨(コの字型):鉄骨造や鉄筋コンクリート造のマンションの間仕切り壁などに使用され、耐火性や強度に優れています。

         

      木造軸組工法の家の場合、壁の表に出ている柱が例えば140mm角であれば、間柱の奥行きもそれに合わせて140mm近い数値になることが一般的です。一方、マンションのリノベーションなどで新たに間柱を使った壁を設ける場合は、木材なら幅30mm×奥行き40mm、軽量鉄骨なら幅30~50mm×奥行き40mmが標準的なサイズとなっています。

       

      建物の規模や天井の高さによっても間柱の寸法は変わることがあり、壁受け以外の用途で使用する場合はさらに大きなサイズが選ばれることもあります。

       

      間柱の配置間隔と施工基準について

      間柱の配置間隔は、壁の強度を確保するために重要な要素です。一般的な間柱の配置間隔は以下のとおりです。

       

      • 標準的な間隔:一尺(303mm)~455mm程度
      • 垂直方向:基本的に床から天井まで一直線に配置

      この間隔は日本の建築基準に基づいており、壁がたわまないようにするための最適な距離として設定されています。間隔が広すぎると壁材がたわんでしまい、狭すぎると材料の無駄遣いになるため、この範囲内で設計されるのが一般的です。

       

      間柱の施工においては、以下のような基準や注意点があります。

       

      1. 耐力壁の場合:建築基準法で定められた間隔で配置する必要があります。
      2. 非耐力壁の場合:比較的自由度が高いですが、壁材の強度を保つために適切な間隔を保つことが重要です。
      3. コーナー部分:壁の角には必ず間柱を設置し、安定性を確保します。
      4. 開口部周辺:窓やドアの周囲には補強のための間柱を追加することが一般的です。

      間柱の配置は建物の設計図に明記されていることが多く、施工時にはこれに従って正確に設置することが求められます。DIYで壁に何かを取り付ける場合は、この標準的な間隔を念頭に置いて間柱の位置を探すとよいでしょう。

       

      間柱と胴縁の違いと使い分け方

      間柱と混同されやすい建築部材に「胴縁(どうぶち)」があります。両者は似た役割を持ちますが、設置方向や用途に明確な違いがあります。

       

      間柱(まばしら)

      • 設置方向:垂直方向(床から天井に向かって立てる)
      • 主な役割:壁を支え、壁材を固定するための下地
      • 設置場所:内壁・外壁の両方

      胴縁(どうぶち)

      • 設置方向:水平方向(壁に横向きに取り付ける)
      • 主な役割:外壁材を固定するための下地、通気層の確保
      • 設置場所:主に外壁

      胴縁は外壁材と柱・間柱の間に水平に取り付けられる木材で、外壁材を固定するための下地となります。また、胴縁を設置することで壁と外壁材の間に通気層が生まれ、結露防止や断熱性向上にも寄与します。

       

      間柱と胴縁の使い分けは以下のようになります。

       

      • 内壁の場合:主に間柱を使用
      • 外壁の場合:間柱と胴縁を組み合わせて使用

      外壁の構造は一般的に「柱・間柱→防水シート→胴縁→外壁材」という順番で構成されています。間柱と胴縁を適切に組み合わせることで、壁の強度を保ちながら通気性も確保した理想的な壁構造を実現できます。

       

      建築業に携わる方は、間柱と胴縁の違いを理解し、適材適所で使い分けることが重要です。

       

      間柱の位置の調べ方と下地探しのコツ

      壁に棚やテレビなどを取り付ける際には、間柱の位置を正確に把握することが重要です。間柱の位置を調べる方法には以下のようなものがあります。

       

      1. 壁をノックする方法
      最も簡単な方法は、壁を軽くノックして音の違いから間柱の位置を特定する方法です。

       

      • 間柱がない部分:「コンコン」と軽い音がする
      • 間柱がある部分:「ゴンゴン」と詰まった固い音がする

      2. 下地探し針を使う方法
      下地探し針は、壁に刺して間柱の位置を探る専用の道具です。

       

      • 間柱がない部分:針が奥まで進む
      • 間柱がある部分:針が止まる
      • 針には目盛りがついており、一般的な石膏ボードの厚み(12.5mm)付近で止まれば、その位置に間柱がある可能性が高い

      3. 下地センサーを使う方法
      電子式の下地センサーは、壁に沿って動かすだけで間柱の位置を検知し、音や光で知らせてくれます。

       

      • 基本的な使い方:センサーを壁に当て、ゆっくり横にスライドさせる
      • 間柱を検知すると、ランプが点灯したりブザーが鳴ったりする
      • 高性能なものは、木材と金属を区別できるタイプもある

      4. コンセントやスイッチから推測する方法
      コンセントやスイッチは間柱に取り付けられていることが多いため、その位置から間柱の位置を推測できます。

       

      • コンセントの片側に間柱があることが多い
      • そこから一尺(303mm)間隔で他の間柱の位置を推測できる

      間柱を探す際の注意点としては、以下のことが挙げられます。

       

      • コンセント周辺には電気配線が集中しているため、その周辺にクギやネジを打つのは避ける
      • 下地探し針を使う場合は、目立たない場所で試してから本番に臨む
      • 間柱が見つかったら、垂直方向にはそのまま床から天井まで続いていると考えてよい
      • リフォームで石膏ボードが二重に貼られている場合は、通常の下地センサーでは検知できないことがある

      間柱の位置を正確に把握することで、安全かつ確実に壁面への取り付け作業を行うことができます。

       

      間柱の施工における注意点と耐荷重計算

      間柱の施工や利用にあたっては、いくつかの重要な注意点があります。特に建築業に従事する方は、これらの点を押さえておくことで、より安全で効果的な施工が可能になります。

       

      施工時の注意点

      1. 適切な固定方法
        • 間柱と主柱の接合には専用の金具や釘を使用する
        • 接合部の強度が不足すると、壁全体の強度低下につながる
      2. 電気配線・配管との干渉
        • 間柱を設置する前に、電気配線や配管の位置を確認する
        • 配線・配管用の穴を開ける場合は、間柱の強度を著しく低下させない位置と大きさにする
      3. 防火・断熱性能への配慮
        • 防火区画内の間柱には、必要に応じて防火処理を施す
        • 外壁の間柱周辺には適切な断熱材を充填する

      耐荷重の計算方法
      間柱に取り付ける棚や家具の耐荷重を計算する際は、以下の点を考慮する必要があります。

       

      1. 間柱自体の耐荷重
        • 木材の場合:樹種や等級によって異なるが、一般的な杉材の間柱(30mm×40mm)で垂直荷重約50~100kg程度
        • 軽量鉄骨の場合:形状や厚みによって異なるが、一般的なC型鋼(30mm×40mm)で垂直荷重約100~200kg程度
      2. 固定具の耐荷重
        • 木ネジ(太さ3.8mm、長さ32mm):1本あたり約15~25kg
        • コーススレッド(太さ4.2mm、長さ41mm):1本あたり約20~30kg
        • アンカーボルト:種類によって大きく異なる(50~200kg程度)
      3. 計算例

        例えば、テレビ(20kg)を壁掛けする場合:

        • 必要な固定具:木ネジ(耐荷重20kg)を最低2本(安全係数を考慮して)
        • 取付位置:間柱の中心に固定

      間柱を利用した壁面への取り付けでは、単に間柱の位置を見つけるだけでなく、取り付ける物の重量と間柱・固定具の耐荷重を考慮した適切な設計が重要です。特に業務用や公共施設での施工では、安全係数を十分に取った設計を心がけましょう。

       

      また、近年では間柱を使わずに石膏ボードに直接取り付けられる専用のアンカーも普及していますが、これらは比較的軽量な物の取り付けに限定されることを忘れないようにしましょう。重量物の取り付けには、やはり間柱を利用した確実な固定が必要です。

       

      以上のように、間柱の規格や寸法、配置間隔を理解し、適切な施工を行うことで、安全で機能的な壁構造を実現することができます。建築業に携わる方々は、これらの基本知識を踏まえた上で、現場の状況に応じた最適な判断を行うことが求められます。