ナットm12寸法一覧表|JIS規格対辺ピッチ完全版

ナットm12寸法一覧表|JIS規格対辺ピッチ完全版

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ナットm12寸法一覧

M12ナット寸法の基本情報
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標準寸法

対辺19mm、ピッチ1.75mm、厚み10mmがJIS規格の基準

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ピッチバリエーション

並目1.75mmと細目1.25mmの2種類が存在

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材質による違い

生地、ユニクロ、S45Cなど材質により若干の寸法差あり

ナットm12のJIS規格寸法表

M12ナットの寸法は、JIS B1181規格によって厳格に定められています。建設現場で使用される六角ナット1種の標準寸法は以下の通りです。

 

M12ナット標準寸法(六角ナット1種)

  • ねじの呼び:M12
  • ピッチ(P):1.75mm
  • 対辺寸法(S):19mm
  • 厚み(m):10mm
  • 許容差:対辺寸法 0~-0.8mm

この寸法規格は、ボルトとの適合性を保証するために設定されており、建設業界では最も頻繁に使用される規格となっています。特に構造用ボルトとの組み合わせでは、この標準寸法のM12ナットが不可欠です。

 

JIS規格では、ナットの種類を1種、2種、3種に分類しており、それぞれ厚みが異なります。1種が最も厚く、強度が高いため、建設現場では主に1種が採用されています。

 

M12ナットの細目ピッチ仕様(M12×1.25)も存在し、この場合の寸法は対辺19mm、厚み7mmとなります。細目ピッチは特殊な用途や精密機械で使用されることが多く、一般的な建設現場での使用頻度は低くなっています。

 

ナットm12の対辺寸法と厚み詳細

M12ナットの対辺寸法は、使用する工具の選定に直接影響する重要な要素です。標準の対辺寸法19mmに対応するスパナやレンチのサイズを正確に把握することで、作業効率の向上と工具の損傷防止につながります。

 

対辺寸法の詳細仕様

  • 基準寸法:19mm
  • 最大寸法:19mm
  • 最小寸法:18.2mm(許容差-0.8mm適用)
  • 推奨工具:19mmスパナ、19mmボックスレンチ

厚み寸法については、ナットの種類によって大きく異なります。建設現場で最も多用される1種ナットの厚み10mmは、十分な締結力を確保するために設計されています。

 

厚み寸法の種類別比較

  • 1種ナット:10mm(標準・高強度用)
  • 2種ナット:8mm(中強度用)
  • 3種ナット:7mm(軽負荷用)

厚みが大きいほど、ボルトとの接触面積が増加し、締結力の向上と緩み防止効果が期待できます。特に振動の多い環境や重要な構造部材では、1種ナットの使用が推奨されています。

 

対辺寸法の製造許容差について
JIS規格では、製造過程での寸法ばらつきを考慮した許容差が設定されています。M12ナットの場合、対辺寸法の許容差は0~-0.8mmとなっており、これにより品質の統一性が保たれています。

 

ナットm12のピッチ違いによる寸法差

M12ナットには、並目ピッチ(1.75mm)と細目ピッチ(1.25mm)の2種類が存在し、それぞれ用途と寸法が異なります。この違いを理解することは、適切なナット選定において極めて重要です。

 

並目ピッチ M12×1.75の特徴

  • ピッチ:1.75mm
  • 対辺寸法:19mm
  • 厚み:10mm
  • 用途:一般構造用、建設機械、重機
  • 強度:高い締結力

細目ピッチ M12×1.25の特徴

  • ピッチ:1.25mm
  • 対辺寸法:19mm
  • 厚み:7mm
  • 用途:精密機械、自動車部品、薄板締結
  • 強度:振動に対する耐性が高い

ピッチの違いは、主に用途による使い分けが行われています。建設現場では一般的に並目ピッチが使用されますが、自動車業界では細目ピッチが多用されています。

 

ホイールナットでの実用例
自動車のホイールナットにおいて、M12サイズは以下のように使い分けられています。

  • M12×P1.5:トヨタ、レクサス、三菱、マツダ、ホンダ
  • M12×P1.25:スバル、スズキ、日産

この使い分けは、各メーカーの設計思想と安全基準に基づいて決定されており、互換性がないため注意が必要です。

 

ピッチが細かいほど、1回転あたりの進み量が少なくなるため、微細な調整が可能になります。また、細目ピッチは振動による緩みに対して並目ピッチよりも優れた性能を発揮するため、動的負荷の大きい用途で選択されています。

 

ナットm12の材質別寸法比較表

M12ナットの寸法は、材質や表面処理によって微妙な差異が生じます。建設現場で使用される主要な材質別の寸法を比較することで、適切な選定が可能になります。

 

主要材質別寸法一覧

材質 対辺寸法 厚み ピッチ 特徴
生地(無処理) 19mm 10mm 1.75 基準寸法、コスト安
ユニクロ 19mm 10mm 1.75 防錆性向上
S45C 19mm 10mm 1.75 高強度、耐久性良
ステンレス 19mm 10mm 1.75 耐食性最高
高張力鋼 19mm 10mm 1.75 超高強度

表面処理による寸法への影響も考慮する必要があります。ユニクロ処理を施したナットは、めっき層の厚みにより若干寸法が大きくなる場合があります。

 

材質による強度等級

  • S45C(H):クラス8強度保証
  • 一般鋼材:クラス5~6
  • ステンレス:A2-70、A4-80等級

建設現場では、使用環境に応じた材質選定が重要です。屋外や湿度の高い環境では、ユニクロ処理やステンレス製を選択することで、長期的な信頼性を確保できます。

 

製造公差による実寸法のばらつき
JIS規格では許容差が設定されていますが、実際の製品では以下の範囲内でばらつきが生じます。

  • 対辺寸法:18.2~19.0mm
  • 厚み寸法:9.4~10.0mm
  • ピッチ精度:±0.05mm以内

これらのばらつきは、製造工程や品質管理レベルによって決まるため、重要な用途では製造元の品質保証書を確認することが推奨されています。

 

ナットm12選定時の実務的注意点

建設現場でのM12ナット選定において、寸法以外にも考慮すべき重要なポイントが存在します。適切な選定により、施工品質の向上と作業効率の改善が実現できます。

 

環境条件による選定基準

  • 屋外使用:ユニクロまたはステンレス製を選択
  • 高温環境:耐熱性の高いステンレス製が必要
  • 化学薬品環境:A4ステンレス(SUS316相当)を推奨
  • 一般屋内:生地(無処理)でコスト削減可能

ボルトとの適合性確認項目

  • ピッチの完全一致(1.75mmまたは1.25mm)
  • 強度等級の整合性(ボルト≤ナット)
  • 表面処理の統一(電食防止)
  • 製造元の品質保証レベル

特に重要なのは、ボルトとナットの強度バランスです。ナットの強度がボルトより低い場合、締結部の早期破損につながる可能性があります。

 

作業効率を向上させる選定のコツ

  • 現場で多用するサイズの在庫確保
  • 工具との適合性事前確認
  • 予備品の適切な数量計画
  • 材質統一による管理簡素化

M12ナットの対辺19mmに対応する工具として、19mmスパナまたは19mmボックスレンチが必要です。一部の旧規格では18mmの場合もあるため、事前の確認が不可欠です。

 

品質トレーサビリティの重要性
建設業界では、使用する締結部材の品質証明が求められるケースが増加しています。以下の情報を記録・保管することが推奨されています。

  • 製造ロット番号
  • 材質証明書
  • 寸法検査成績書
  • JIS適合証明書

これらの情報は、将来的なメンテナンスや責任追跡において重要な役割を果たします。

 

コスト最適化の実践方法
材質や表面処理の選択により、コストは大きく変動します。用途に応じた適切なグレード選択により、過剰品質によるコスト増を回避できます。

  • 一般構造用:生地またはユニクロ
  • 重要構造部:S45C(H)クラス8
  • 特殊環境:ステンレスまたは特殊合金

現場での実績と経験を蓄積することで、最適な選定基準を確立し、品質とコストのバランスを実現できます。

 

JIS規格に関する詳細情報は日本産業標準調査会の公式サイトで確認できます。

 

https://www.jisc.go.jp/
六角ナットの規格詳細については、日本ねじ研究協会の技術資料が参考になります。

 

https://www.fastener.or.jp/