

ポリサルファイド目地材は、JIS A 5758で規定される建築用シーリング材の一種で、F-25LMやG-25LMなどの低モジュラス区分を取得している製品が多く、耐久性区分8020・9030など長期仕様に位置付けられています。この「25LM」は目地幅の±25%変形に追従する低モジュラス材を意味し、硬めで大きく動かない目地にもひび割れを起こしにくい性質を示しており、鉄筋コンクリートの打ち継ぎ目や外壁タイル目地の防水に適しています。
また、ポリサルファイド系は「気体の遮断性」「耐候性」「耐オゾン性」「耐酸・耐アルカリ性」「耐油性」「耐溶剤性」に優れるため、一般住宅の外壁だけでなく、プールや地下構造物、橋梁といった高い防水性・耐薬品性が求められる部位でも採用されてきた歴史があります。施工面では二液型が主流で、主剤と硬化剤を所定比率で練り合わせて用いるため、練りムラや配合ミスがあると硬化不良やベタつき、耐久性低下に直結する点が、カートリッジ式の一成分シーリング材と大きく異なるポイントです。advance-tech+3
ポリサルファイド目地材がよく使われるのは、RC造やPC・鉄骨造の外壁タイル目地、石材カーテンウォールの目地、鉄筋コンクリートの打ち継ぎ目、サッシ周り、カーテンウォール接合部など、耐久性と気密・防水性が重視される部位です。特に重量鉄骨やRCのように構造自体の変形が小さい建物では、目地に大きな追従性よりも、長期にわたり硬化・劣化しにくいシーリング材が求められるため、ポリサルファイド系が「干渉目地の定番」として挙げられることが多くなっています。
外壁タイルや石材は、仕上げそのものが高級であるうえに雨水の浸入経路が限られているため、一度目地から漏水すると調査や補修コストが嵩みやすいのが現実です。そのため、初期コストが多少高くても、耐候性・耐薬品性・密着性に優れるポリサルファイドを採用し、長期にわたる防水性能を担保するという考え方は、マンションやビルの大規模修繕・改修工事では非常に合理的な選択肢と言えます。sasaki-toryo+5
シーリング材全体で見ると、代表的な種類として、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系、アクリル系などがありますが、ポリサルファイド系は「最も古くから使われているが、いまも特殊用途で生き残っている」伝統的な材料という位置付けです。例えばポリウレタン系は弾性が高く、可動の大きい目地や屋根の継ぎ目に向く一方、耐薬品性やガソリン・油類への耐性ではポリサルファイド系に一歩譲り、逆にシリコーン系は耐候性に優れるものの、塗装との相性や汚染性の面で用途が限られます。
選定軸としては、建物の「動きの大きさ」「求められる耐久年数」「薬品・油・温度条件」「仕上げ材(タイル・石・塗装仕上げ)」を整理したうえで、①タイル・石材ならポリサルファイド系、②可動の大きいサイディングや屋根継ぎ目ならポリウレタン系、③汚染を嫌う開口部やガラス廻りはシリコーン系・変成シリコーン系、といった使い分けが現実的です。なお、ポリサルファイド系は塗装との相性に注意が必要で、塗装を前提とする場合は「塗装可能グレード」かつ汚染防止処理が指示された製品を選ぶこと、また他系統(特にシリコーン系)との同時施工や接触を避けることが、長期的な外観と密着を守るうえで重要なポイントになります。monotaro+4
ポリサルファイド目地材は、二液型が主流であるため、施工品質は「配合比・練り方・作業時間の管理」に強く依存します。主剤と硬化剤をメーカー指定比率で正確に計量し、スクリュー式ミキサーなどで均一になるまで練り合わせること、攪拌後の可使時間内に使い切ることが基本で、気温が高い夏場は可使時間が短くなるため、1バッチの量を抑えた段取りが求められます。
目地周りの下地処理も重要で、タイルや石材の目地では、旧シーリング材の撤去・目地内部の清掃・プライマー塗布・バックアップ材の設置といった工程を省略せずに行う必要があります。特にポリサルファイド系は密着性が高い反面、汚れた下地や脆弱な旧下地に乗せると、界面で剥離した際に「タイルから下地ごと剥がれる」ようなトラブルも報告されており、下地調査と補修を含めた工程設計が、単なる「材料選び」以上に耐久性を左右すると言えます。nuritatsu+4
一般的な説明では、ポリサルファイド目地材は「耐久性が高く、タイル・石材向き」といった説明に留まりがちですが、長期維持管理の視点で見ると、もう一つ重要なのは「将来の打ち替えをどう想定しておくか」という観点です。密着性が高いということは、打ち替え時には撤去に手間が掛かりやすく、特に石材・タイルのエッジを損傷させないよう慎重な撤去作業が必要になるため、初期設計の段階で「どこまでの範囲を将来もポリサルファイドで維持するか」「可動部や補修頻度の高い部位は他系統で分けるか」といった区画設計をしておくと、ライフサイクルコストを抑えやすくなります。
また、ポリサルファイド系は表面にゴミや汚れが付きにくいという特性から、意匠性の高い石材・タイル外壁で「目地だけが黒ずむ」現象を抑えやすく、都市部の排気ガスや粉じんが多い環境での外観維持に有利とされています。一方で、上から塗装を行う際には変色や軟化のリスクがあるため、塗装仕上げの予定がある外壁では、汚染防止処理済みグレードや変成シリコーン系との併用・役割分担を検討するなど、完成後10〜20年スパンの維持計画を見据えた「シーリング材のポートフォリオ設計」が、これからの大規模修繕・長寿命化計画では重要な検討ポイントになっていくでしょう。sasaki-toryo+1
ポリサルファイド系シーリング材の特徴・用途・注意点に関する詳細な解説(性能比較と選び方の参考)
https://sasaki-toryo.co.jp/column/sealing-zai-erabikata-06/
ポリサルファイド系シーリング材の特長・用途・施工上の注意点を網羅的に整理した技術解説(性能と施工の参考)
https://advance-tech.co.jp/blog2/4042
ポリサルファイド系シーリング材「ポリシールN」のJIS区分・性能表・用途一覧(スペック確認の参考)
https://www.cemedine.co.jp/architecture/products/polysealn.html
外壁タイル干渉目地でのポリサルファイド系コーキングの適性や、防水性・耐候性を重視した採用理由の解説(外壁タイル目地の実務参考)
https://yane-takarazuka.com/blog/gaihekitairukannsyoumejinoko-kinnguhaporisarufaidokeigasaitekidearu.html
ポリサルファイド系シーリング材の汚れにくさや塗装時の注意点、石材・タイル目地での使われ方に関する職人ブログ(仕上げと汚染の注意点の参考)
https://nuritatsu.com/blog/44156/

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