

小鉋は「普通の鉋では不便」「使用困難な部分を削る」ために小型化した鉋の総称で、種類や型は仕事や用途で一様ではない、という前提をまず押さえます。小さなものは刃幅が6〜48mm程度まであるとされ、狭い面・小さな部材・細部の取り回しに振った道具群です。
豆平鉋は小鉋の中でも登板回数が多く、面取りや細工など用途が広い、と説明されることが多いタイプです。小さな面取りや、手が入りにくい“ちょい削り”で、サンダーより形が崩れにくいのが強みになります。
一方、同じ「平」の系統でも、刃幅や台寸で挙動が変わります。例えば河合のこぎり店の整理では、豆平鉋は小さい物の面取り等、平鉋は長い物の面取り等というように、対象物の大きさ・安定した当てやすさで役割が分かれます。
現場的には「豆平鉋=指先の延長」「平鉋=面の基準を作る」と置くと迷いが減ります。豆平鉋で整えるのは“端部の表情”まで、平鉋で整えるのは“面の品位”まで、という意識です。
また小鉋は、刃の出し入れを大きくしない運用が結果的に安全です。少しずつ削って“狙った形に寄せる”用途が中心なので、最初から厚削りを狙うより、作業回数で追い込む方が仕上がりが安定します。
際鉋は「凹のL段を削る」用途で、右・左があると整理されています。つまり“当てたい側”が決まっているため、壁際・框の際・段欠きの内側などで、鉋身をどちら向きに走らせるかが性能そのものになります。
二枚脇取鉋も、鴨居などの「脇を削る」ための鉋で、こちらも右・左があるタイプです。溝の側面をまっすぐ出したい作業で、鑿だと面が波打ちやすい場面を、当て面を作った専用鉋で“面で勝つ”発想になります。
さらに「際脇鉋」は際鉋と二枚脇鉋の両方の役目をする、とされており、限られた持ち道具で対応したい内装・造作では合理的な選択肢になります。右・左の設定がある点は同様なので、購入時は“作業姿勢と当てる方向”を先に決めるのがコツです。
選定のチェックポイントを短くまとめます。
・✅ どちら側の“際”を残して、どちら側を“逃がす”のか(右勝手/左勝手の根拠)
・✅ 仕上げたいのが「段の底」か「段の脇」か(際鉋/脇取/際脇の根拠)
・✅ 定規付き等が必要か(繰り返し精度が要る現場か)
特に造作の見付・見込みが絡むと「1mmのズレが影になる」ので、際鉋系は“削れる”より“真っ直ぐ当てられる”かで選ぶと失敗しにくいです。
曲面を扱う小鉋は「どの形を、どちら向きに作るか」で種類が分かれます。河合のこぎり店の説明では、内丸鉋は丸い外削り、外丸鉋は丸い内削りに用いるとされ、同じ“丸”でも対象が凸か凹かで道具が逆になります。
反鉋は「内側を丸く削る」用途として示されており、Rのある内側面(凹側)を作る発想です。四方反鉋は「凹形状の内側を削る」とされ、反鉋系の中でも当て方・接地の仕方が違う専用形状だと理解できます。
曲面用は、仕上げに入ってからの“修正力”が高いのが利点です。たとえばR面を機械で荒取りしても、最後に均一な光り方(面の連続)を作るのは手道具が強く、特に小鉋は短いストロークで局所を狙えます。
一方で難点も明確で、小さな刃は研ぎにくい、内丸鉋や外丸鉋の刃先合わせは至難、という趣旨の指摘があります。ここが曲面用小鉋の“導入障壁”なので、購入前に研ぎ・調整の手順を想定しておくと、現場投入が早いです。
使い分けの目安(覚え方)はシンプルにします。
・🔵 内丸鉋:凸のRを作る(外側を丸める)
・🟠 外丸鉋:凹のRを作る(内側を丸める)
・🟣 反鉋:内側を丸く削る(凹側の曲面)
・🟢 四方反鉋:凹形状の内側を削る(より専用の当て)
曲面の仕上げは「削れた」より「面がつながった」が合格基準なので、光を斜めに当てて“反射の筋”を見ながら追い込むと手戻りが減ります。
小鉋を「仕上げの表情づくり」に寄せるなら面取鉋は外せません。河合のこぎり店では、角面の面取鉋は90度の凸角に45度の面取りが自由に取れる、猿面は30度・60度の面取りが自由に取れる、と整理されています。
建築の現場では、面取りは単なる装飾ではなく“欠け止め”と“触感”の品質管理でもあります。45度の面は見付が揃いやすく、30度・60度の選択肢があると、納まり(見え方)と強度(残り肉)のバランスを調整できます。
面取りの失敗は、角が波打つ・面幅が一定しない・終端で面が太る、の3つに収束しがちです。対策は、最初に鉛筆で面幅の“目標線”を入れ、面取鉋は「一気に狙い寸法」ではなく「線まで寄せる」運用にすると安定します。
また、面取りは塗装・オイル・ウレタンなど後工程の乗りにも効きます。角が立ったままだと塗膜が薄くなりやすい一方、適切な面取りは塗膜厚を確保しやすく、耐久にも寄与します(特に手が触れる框・手摺・巾木上端)。
現場向けチェック項目を置いておきます。
・🧱 角が欠けやすい材(集成材・硬木・乾燥材)ほど、先に軽く面取りしてから本削りへ
・🎯 面幅が指定のときは、ゲージ代わりに端材へ同じ面取りを作って“見本化”すると速い
・🧴 塗装前は研磨で角が丸まりやすいので、鉋で“直線の面”を作ってから研磨に渡すと揃う
小鉋は「種類選び」より、実は“仕立て”で結果が決まる場面が多いです。裏金のない鉋でも仕上げられる場合がある一方、裏金付きでも裏合わせが正しくないと逆目を押さえられない、という注意点が示されています。
特に小さな刃は研ぎにくく、内丸・外丸の刃先を基準に合わせるのは至難、という話もあり、道具の性能を出す前に“研ぎ環境”がボトルネックになりがちです。そこで独自視点として、小鉋は「番手」より「当て具」を先に整える方が上達が速い、と提案します。
具体策は次のとおりです(現場で再現しやすい順)。
・🧱 小鉋専用の“短い砥石”を作る:割れた砥石の端材でもよいので、狭い刃先に当てやすい面を確保する
・🧷 研ぎ角を固定する:小鉋はストロークが短い分、角度ブレが刃先に出やすいので、治具か指の置き場所を固定する
・🔍 逆目対策は「刃の出し量」から:裏金や口の調整に入る前に、まず薄削りにして繊維のめくれ方を見る
そして建築従事者向けにもう一点。現場で“削れない”原因は、刃物より木の状態(含水・方向・節)であることが多いです。小鉋は小回りが利く分、逆目に真正面から突っ込むと被害が局所に集中するので、削る向きを変える・斜めに走らせる・最後は当て木で支える、といった運用の工夫が効果的です。
曲面系・際系の種類一覧と用途がまとまっている(サイズも含む)参考:小鉋の種類・用途(合底取鉋/際鉋/内丸鉋・外丸鉋/反鉋/四方反鉋/面取鉋など)
河合のこぎり店|道具・鉋/小鉋の種類・用途
小鉋の定義(普通の鉋で不便な部分用)と刃幅レンジ、裏金・裏無しや研ぎの難しさの記述(逆目と裏合わせの勘所)参考:小鉋総論と仕立ての注意
平出刃mono|大工道具総称(小鉋)

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