集じん機 種類と粉じん障害防止規則

集じん機 種類と粉じん障害防止規則

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集じん機 種類

集じん機 種類の全体像(建築従事者向け)
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まず「粉じん作業」を前提に選ぶ

屋内研削・切断・はつり等は粉じんが滞留しやすく、局所排気や除じんの考え方が重要です。

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乾式/湿式とフィルタが軸

乾式はフィルタ管理、湿式は汚泥処理と腐食・凍結対策が要点。粉じんの性質で向き不向きが出ます。

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「吸込口」より「捕集方式」を見る

サイクロン、バグフィルタ、カートリッジ、HEPA級など、捕集の段構えで実力が変わります。

集じん機 種類と乾式・湿式の違い(粉じん作業の現場)


建築現場で扱う集じん機の種類は、大きく「乾式(ドライ)」と「湿式(ウェット)」に分けると整理しやすいです。
乾式はフィルタで粉じんを捕集し、湿式は水や液体で粉じんを濡らして沈降・分離させるのが基本思想です。
乾式のメリットは、運用が比較的シンプルで、一般的な清掃・研削・切断の回収に広く対応しやすいことです。


参考)302 Found

一方で、粉じんが細かいほどフィルタの目詰まり・捕集性能・交換コストが効いてくるため、機種の「捕集段数(プレ+メイン)」や、粉じんの種類に合ったフィルタ材質が重要になります。

湿式のメリットは、帯電しやすい微粉や、乾式だと再飛散・静電気・火種が問題になりうる粉じんで、安定しやすい場面があることです。

ただし湿式は、回収後が「粉」ではなく「汚泥」になり、産廃区分、保管、運搬、凍結、腐食といった別の管理が増える点に注意が必要です。

特に冬季の屋外・無暖房の躯体内では凍結対策が必要になり、結果として乾式+適正フィルタの方が現実的なことも多いです。

また「粉じん作業」「特定粉じん作業」に該当する現場では、設備面の対策(密閉、局所排気、換気、除じん装置)と、教育・清掃・環境測定・保護具といった管理面の対策がセットで求められます。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/53deee8f46f55152e97087da1ada70d803219f67

集じん機を“掃除道具”としてだけ捉えると、法令上の要求(局所排気装置等)や記録・点検まで手が回らず、後から是正が重くなりがちです。

集じん機 種類の捕集方式(サイクロン・バグ・カートリッジ)

集じん機の種類を「捕集方式」で見ると、現場での“詰まりやすさ”と“ランニングコスト”が読みやすくなります。
代表的には、プレ分離(サイクロン等)+メインフィルタ(バグ、カートリッジ等)という二段構えが多く、ここが性能差の出どころになります。
サイクロンは遠心力で粗い粒子を落とし、メインフィルタに行く粉じん量を減らして、目詰まりを抑える考え方です。

プレ分離が効くと、フィルタ交換頻度が下がり、吸引力低下のスパンが伸びますが、微粉主体の現場ではサイクロン単体では取り切れないため、メインフィルタの質が要になります。

バグフィルタ(ろ布)は、粉じんを表面に堆積させて捕集し、払い落としで圧損を戻す運用が基本です。

粉じん負荷を想定した「集じん用ろ布」には、試験用粉体としてフライアッシュ(JIS Z 8901 試験用粉体1の10種)が使われる例が示されており、ろ布は粉じん負荷評価の王道部品だと言えます。

カートリッジはプリーツ状で面積を稼げる反面、粉じんが粘着性・凝集性を持つと目詰まりが急に進むことがあります。

ここで大事なのが「粉じんの性格」で、同じ粒径でも、角ばって摩耗を促進する粒子(けい砂)か、扁平で付着しやすい粒子(タルク)かで、フィルタの負担が変わります。

意外と見落とされがちなのは、「粉じん=細かいほど危険」だけではなく「粉じん=フィルタを壊すほど硬い」もある点です。

JIS Z 8901 試験用粉体1の説明では、けい砂は角ばった形状で硬度が高く摩耗促進性がある、と整理されています。

つまり、石材・モルタル・コンクリの切断粉を乾式で長く吸うなら、目詰まりだけでなく、ホース・インペラ・フィルタ枠の摩耗も“消耗品コスト”として計算に入れると、機種選定がブレにくくなります。

集じん機 種類とフィルタ(HEPA)・排気管理の考え方

建築現場の集じん機選びで、最終的に効くのは「回収」よりも「排気のきれいさ」をどう担保するかです。
粉じんは回収できても、排気側から微粉が抜ければ、作業者のばく露や、室内汚染・養生外への漏れにつながります。
HEPAを語るときに押さえるべきポイントは、「どの粒子径で」「どんな規格で」捕集率を言っているかです。


参考)新製品「H14グレードHEPAフィルタ」|日本無機株式会社−…

日本無機の解説では、JISは0.3μmでHEPA捕集率の試験を要求し、EN1822はMPPS(最も通りやすい粒子径)で試験する、と整理されています。

現場側の感覚としては、同じ“HEPA相当”でも、試験の前提が違うとスペック表の読み方が変わる、という理解が事故防止になります。

また、粉じんは種類によって粒子径分布が広く、粗い粒と微粉が混在します。

JIS Z 8901 試験用粉体1の説明では、試験用粉体1は「通常の環境に存在する粉じんの代表的なもの及び工業的に取り扱われる粉体の代表的なものを標準化」し、粒子径分布等を規定していると説明されています。

この考え方を現場に落とすと、プレフィルタで粗粒を受けて、メインで捕集し、必要なら最終段に高性能フィルタを置く“段階設計”が理にかないます。

排気管理は、粉じん則で求められる換気・局所排気・除じんの発想とも直結します。

粉じん障害防止規則の枠組みでは、設備(局所排気装置等)だけでなく、定期自主点検や記録保持、環境測定、保護具などが一体で運用される前提が示されています。

集じん機を導入しただけで安心せず、「フィルタ交換記録」「差圧/吸引低下の点検」「清掃手順」「回収粉じんの処分」までを現場標準にすると、監督・元請のチェックにも耐えやすくなります。

集じん機 種類と粉じん障害防止規則(局所排気・制御風速)

粉じん対策は、単に“吸えばよい”ではなく、発生源からの抑え込み(密閉・局所排気)を中心に設計するのが基本線です。
粉じん障害防止規則の考え方として、特定粉じん作業では密閉設備や排気装置等の措置が求められ、一定の局所排気装置・プッシュプル型換気装置では除じん装置の設置が義務付けられる、と整理されています。
局所排気で現場が迷いやすいのは「必要な吸い込みがどれくらいか」を感覚で決めてしまうことです。

参考情報として、粉じん則で告示されている制御風速の例がまとめられており、囲い式フード0.7m/s、外付けフードの側方吸引型1.0m/s、上方吸引型1.2m/sなどが示されています。

この数字は、集じん機のカタログの“最大風量”よりも、フード形状・開口面で必要性能が変わることを示唆しており、「現場の吸い込みが弱い」の原因究明に効きます。

さらに回転体を有する機械(研削盤、ドラムサンダー等)では、フードの設置方法によって制御風速が0.5m/s〜5.0m/sと大きく変わる例も示されています。

つまり同じ“研削粉じん”でも、飛散方向を覆えているか、囲えているかで必要風速が別物になり、集じん機の種類選定(可搬式か、局所排気一体か)も変わります。

現場の独自視点としては、粉じん対策を「機械(集じん機)を買う」ではなく「工程を封じる」に寄せると、トラブルが減りやすいです。

例えば、養生内の負圧化や、切断点の囲い+短いダクト+適正フードにすると、同じ集じん機でも実効が上がり、フィルタ寿命も伸びやすいです。

この“システムとしての集じん”は、粉じん則で求められる設備と管理の考え方(点検、清掃、教育、測定)とも整合します。

集じん機 種類の選定に効く「試験用粉体」視点(意外に使える)

あまり知られていませんが、粉じん・集じんの世界では「試験用粉体」という標準化された粉があり、機器性能の試験や比較の土台になっています。
JIS Z 8901の試験用粉体1は、通常環境の粉じんや工業粉体を代表化したもので、粒子径分布や化学成分などが規定され、ろ過性能試験や集じん・除じん装置性能試験にも使われると説明されています。
この視点が現場で役に立つのは、粉じんの“性格”を言語化できることです。

例えばタルクは、扁平状で付着しやすく潤滑性がある、とされており、フィルタに貼り付いて目詰まりしやすい粉じんのイメージに近いです。

逆にフライアッシュは球形粒子が多い、とされ、同じ微粉でも挙動が違うことを示しています。

現場の粉じんを完全に同定するのは難しくても、「けい砂っぽい(硬い・角ばる)」「タルクっぽい(貼り付く)」「すすっぽい(超微粉)」のように分類できると、集じん機の種類と運用(プレ分離の要不要、フィルタ材、清掃頻度)が決めやすくなります。

実際、JIS Z 8901試験用粉体1の12種(カーボンブラック)は平均粒径が約80nmの超微粉末とされ、煤煙や内燃機関由来の不完全燃焼物質を対象とした試験にも用いられる、と説明されています。

「黒い微粉は掃除機で吸えるが、排気が抜けると戻る」という現場あるあるは、粒径レンジの違いが背景にある、と腑に落ちやすくなります。

選定の実務に落とすなら、次のようにチェックすると失敗しにくいです。

  • 🧪 粉じんの性格:硬い(摩耗)/粘る(目詰まり)/超微粉(排気漏れ)を推定する。​
  • 🧱 工程の形:囲えるか、フードを寄せられるか、負圧化できるかを先に決める。​
  • 🌀 段構え:プレ分離+メイン+必要なら高性能フィルタの順に考える。​
  • 🧾 管理:点検記録、清掃、保護具、環境測定など“運用の仕組み”をセット化する。​

粉じん対策の仕上げは「集じん機のスペック」ではなく「現場が毎日回る運用」に落ちているかです。

機械を選んでも、フィルタの差圧管理や回収粉の処分ルールが曖昧だと、最終的に排気漏れ・風量低下・やらなくなる、の順で崩れます。

逆に、粉じん則の枠組みのように“設備と管理を一体”で組めば、集じん機の種類選定も根拠が立ち、上司・元請への説明も通しやすくなります。

粉じん障害防止規則(設備・管理・制御風速の考え方の整理に有用)。
https://www.apiste.co.jp/gde/technical/detail/id=4086
JIS Z 8901 試験用粉体1(粉じんの種類・粒径・形状の理解に有用、集じん/除じん装置の試験用途も明記)。
https://appie.or.jp/wp-content/uploads/2025/04/1JIS-1-20250423.pdf
HEPAの試験条件(JISの0.3μm試験とEN1822のMPPS試験の違いが理解できる)。
新製品「H14グレードHEPAフィルタ」|日本無機株式会社−…




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