透水性舗装のデメリットと施工前に知るべき注意点

透水性舗装のデメリットと施工前に知るべき注意点

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透水性舗装のデメリットを施工前に正しく把握する

透水性舗装を勧めてくる業者ほど、施工技術が低い可能性があります。


透水性舗装のデメリット:3つのポイント
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初期コストが1〜2割高い

通常のアスファルト舗装より単価が高く、路盤・フィルター層など下地工事も追加になるため、総工費が大きく膨らむリスクがある。

寿命が従来舗装の半分以下になることも

通常アスファルト舗装(約20年)に対し、透水性舗装は5〜15年と寿命が短く、駐車場や交差点付近ではさらに短命になるケースがある。

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目詰まり・凍上・補修コストの三重苦

数年で透水機能が低下する目詰まり、寒冷地での凍上リスク、そして部分補修が難しく全面打ち替えになりやすいという維持管理の負担が重なる。


透水性舗装のデメリット①:初期施工コストが通常より1〜2割高くなる理由


透水性舗装の施工単価は、通常のアスファルト舗装(1㎡あたり約3,000〜5,000円)と比べて、おおむね1〜2割高い水準で推移しています。例えば500㎡の駐車場を施工する場合、通常舗装が約200万円で済むとすると、透水性舗装では220〜240万円以上になることも珍しくありません。


コストが上がる理由は単純に材料費だけではありません。透水性舗装は「表層」だけを透水性にしても意味がなく、路盤にも透水性の高い材料を使う必要があり、場合によっては路床と路盤の間に砂などのフィルター層を追加しなければなりません。つまり、下地工事から見直さなければならないケースが発生するということです。


また、透水性コンクリートの場合、住宅用で1㎡あたり10,000〜13,000円、業務用では12,000〜16,000円という単価になります。これは通常の土間コンクリート(6,000〜9,000円)の約1.3〜1.5倍です。施工面積が狭い現場ほど割高になりやすい点も見落とせません。


コストが高い、と覚えておけばOKです。


さらに、施工後の維持管理コストも加算されます。年1〜2回の高圧洗浄やバキューム清掃が推奨されており、専用車両でのメンテナンスが必要になる場合もあります。初期費用と維持費を合わせたライフサイクルコストで比較すると、従来舗装よりも割高になるケースが多いのが実情です。


参考:透水性舗装の施工費や構造の詳細について、日本道路協会の技術資料に詳しい情報があります。


日本道路協会「舗装種別選定の手引き」(PDF)


透水性舗装のデメリット②:目詰まりで数年後に機能が低下するリスク

透水性舗装の最も代表的なデメリットが、空隙の目詰まりによる機能低下です。舗装表面の空隙(空隙率は通常15〜25%)に砂・泥・枯れ葉・ほこりが蓄積し、透水性能が徐々に落ちていきます。施工後わずか数年で「水たまりができる」という状況に陥るケースもあり、せっかく高い費用をかけた意味がなくなることがあります。


特に土砂が流入しやすい現場や、落葉樹の近く、工場・物流施設など砂ぼこりが多い場所では目詰まりの進行が早くなります。目詰まりが進むと、


  • 雨水が地表に滞留し、本来の排水機能が失われる
  • 水たまりが凍結し、転倒・スリップ事故のリスクが高まる
  • 舗装下に水が溜まり、路盤の軟弱化が進む


という二次被害につながります。意外ですね。


軽度の目詰まりであれば、家庭用の高圧洗浄機で空隙内の汚れを洗い出すことで透水性能の回復が期待できます。ただし高圧をかけすぎると微細な土を奥へ押し込んでしまう逆効果になることもあるため、水圧の調整には注意が必要です。重度の場合は、高圧洗浄とバキューム装置を組み合わせた専用車両による清掃が必要となり、費用もかさみます。


年1〜2回の定期清掃が基本です。


目詰まり対策としては、植栽や土壌のある境界部分に見切り材(ブロックなど)を設けて土砂の流入を物理的にブロックするのが有効な手法です。施工時点での設計段階から、この点を考慮しておくかどうかで、長期的な維持管理コストが大きく変わります。


参考:目詰まり問題と高圧洗浄による維持管理の詳細は、東京都の技術指針にも記載があります。


東京都「雨水貯留・浸透施設技術指針」(PDF)


透水性舗装のデメリット③:寿命が短く補修コストも割高になる現実

Wikipediaをはじめ複数の資料が示すとおり、透水性アスファルト舗装の寿命は5〜15年程度とされており、通常のアスファルト舗装(約20年)の半分以下になることもあります。これは透水性を持たせるために空隙率を高くした結果、舗装材料そのものの強度・密度が下がっているためです。


特に寿命が短くなりやすいのは次の場所です。


  • 車がハンドルを切る駐車場(横方向の力がかかり、骨材が剥がれやすい)
  • 加減速が多い交差点付近(圧縮・引張の繰り返し荷重で劣化が早い)
  • 大型車が頻繁に通行するエリア(空隙がつぶれ、わだち掘れが発生しやすい)
  • 急勾配の場所(浸透した雨水が土壌を洗い流し、路盤が軟弱化する)


つまり、車道や商業施設の駐車場への採用は慎重に判断が必要ということです。


さらに問題なのが補修時のコストです。通常のアスファルト舗装であれば破損箇所だけをパッチングで部分補修できますが、透水性舗装は一体構造のため、補修部分だけ透水性のない材料を充填すると透水性が失われ、仕上がりも見た目も悪くなります。高速道路などでは安全のため全面打ち替えが必須となり、部分補修よりコストが大幅に増えます。痛いですね。


また、施工後2年程度すると風雨や紫外線の影響で骨材(砂利)が剥がれ始めることも報告されています。飛び石リスクが増加するだけでなく、グレーチングに砂利が詰まって排水溝の機能まで低下するという副次的な問題も発生します。


参考:透水性舗装の寿命・補修に関する詳細は、Wikipedia「透水性舗装」の項目でも確認できます。


Wikipedia「透水性舗装」


透水性舗装のデメリット④:寒冷地での凍上・凍害リスクが深刻

建築業の現場では見落とされがちですが、透水性舗装は寒冷地において特有のリスクを抱えています。それが「凍上(とうじょう)」と「凍害」です。


通常の舗装は雨水を地表で遮断するため、路床・路盤への水の浸透を最小限に抑えます。一方、透水性舗装は意図的に雨水を地中に浸透させる構造のため、路盤・路床に水分が蓄積されやすくなります。気温が氷点下になると、この水分が凍結・膨張し、舗装面を内側から押し上げる現象(凍上)が起こります。これにより舗装面にひび割れや盛り上がりが生じ、早期破損につながります。


凍害も深刻な問題です。空隙内に残留した水が凍結を繰り返すと、空隙を構成するアスファルト結合部分が徐々に破壊されます。寒冷地の透水性舗装は、このフリーズ・ソーブサイクルによって通常以上のスピードで劣化が進みます。


凍結深度以下まで透水性の高い材料で置き換える工法が対策になりますが、それが必要な場合は施工費がさらに高くなる傾向にあります。これが条件です。


寒冷地での透水性舗装の採用には、地盤調査と土質データに基づいた設計が不可欠です。融雪剤の問題もあります。散布した融雪剤が舗装内部に浸透してしまうため、路面への効果が薄れ、より多くの散布量が必要になります。これが維持管理費の増加にもつながります。


❄️ 寒冷地(積雪・凍結地域)での透水性舗装採用は、国土交通省が作成した「構内舗装・排水設計基準」でも慎重な検討が求められています。


国土交通省「構内舗装・排水設計基準」(PDF)


透水性舗装のデメリット⑤:「施工技術が低い業者ほど透水性舗装を勧めやすい」という業界の実情

これはあまり表に出てこない視点ですが、建築・土木業界の実務においては重要な判断材料になります。道路開発株式会社が自社ウェブサイトで公開している情報によれば、透水性舗装はその性質上、表面を均一に仕上げることやシビアな排水勾配を気にしなくても施工できてしまうという特性があります。


つまり施工業者の技術レベルが低くても、一般の発注者には仕上がりの差がわかりにくいのです。通常の密粒アスファルト舗装であれば、排水処理のための水路や集水マスといった構造物を正確に設計・設置しなければなりません。これには技術と手間がかかります。一方、透水性舗装にしてしまえば排水勾配の精度管理が緩くなり、付帯構造物も省略できるため、施工業者側の手間と費用を削減できます。


これが実情です。


発注者・元請業者の担当者がこの違いを知らないまま、業者の提案をそのまま採用してしまうケースも多いとされています。安易に透水性舗装を提案してくる業者に対しては、次の点を確認することが賢明です。


  • 「なぜ透水性舗装が必要か」の根拠(排水勾配が確保できない、水路への排水が不可能など)を説明してもらう
  • 通常舗装との比較見積もりを取る
  • 長期的なライフサイクルコストを含めた提案書を求める


発注者・施工者双方にとって、これだけ覚えておけばOKです。透水性舗装が本当に必要な場面(排水勾配が絶対に確保できない場所、水路への排水が物理的に不可能な場所など)は確かに存在します。しかしそれ以外の場面では、通常のアスファルト舗装+排水構造物の組み合わせのほうが長期的なコストパフォーマンスが高いケースも少なくありません。


参考:透水性舗装の業者選びに関する注意点として、道路開発株式会社のコラムが実務的な情報を提供しています。


道路開発株式会社「透水性舗装」(デメリットと注意事項)




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