吊りバンド寸法一覧|SGP管VP管対応製品仕様

吊りバンド寸法一覧|SGP管VP管対応製品仕様

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吊りバンド寸法一覧

吊りバンド寸法一覧の重要ポイント
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SGP管用製品仕様

10A~300Aまでの豊富なサイズ展開と適合管外径を詳細解説

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締付ボルト規格

M6×20からM16×50まで管径に応じた最適なボルト仕様

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材質別製品選定

電気亜鉛めっき・ステンレス・どぶめっきの特性比較

吊りバンドSGP管用寸法仕様

SGP管用吊りバンドは建築配管工事において最も使用頻度の高い支持金具です。株式会社アカギのA10140吊タン付を基準とした寸法仕様を詳しく見ていきましょう。

 

小口径SGP管(10A~50A)の寸法仕様

  • 10A:適合管外径17.3mm、締付ボルトM6×20、吊ボルト径W3/8
  • 15A:適合管外径21.7mm、締付ボルトM6×20、吊ボルト径W3/8
  • 20A:適合管外径27.2mm、締付ボルトM6×20、吊ボルト径W3/8
  • 25A:適合管外径34.0mm、締付ボルトM6×20、吊ボルト径W3/8
  • 32A:適合管外径42.7mm、締付ボルトM6×20、吊ボルト径W3/8
  • 40A:適合管外径48.6mm、締付ボルトM6×20、吊ボルト径W3/8
  • 50A:適合管外径60.5mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8

注目すべき点は、50Aから締付ボルトがM8×25にサイズアップしていることです。これは管の重量増加に対応した設計変更で、施工時の安全性を確保するための重要な仕様です。

 

中口径SGP管(65A~100A)の寸法仕様

  • 65A:適合管外径76.3mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8
  • 80A:適合管外径89.1mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8
  • 90A:適合管外径101.6mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8
  • 100A:適合管外径114.3mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8

この範囲では一貫してM8×25の締付ボルトが使用されており、施工現場での工具統一化によるコスト削減効果が期待できます。

 

大口径SGP管(125A~300A)の寸法仕様

  • 125A:適合管外径139.8mm、締付ボルトM10×30、吊ボルト径W1/2
  • 150A:適合管外径165.2mm、締付ボルトM12×45、吊ボルト径W1/2
  • 175A:適合管外径190.7mm、締付ボルトM12×45、吊ボルト径W1/2
  • 200A:適合管外径216.3mm、締付ボルトM12×45、吊ボルト径W1/2
  • 250A:適合管外径267.4mm、締付ボルトM16×50、吊ボルト径W5/8
  • 300A:適合管外径318.5mm、締付ボルトM16×50、吊ボルト径W5/8

125A以上では吊ボルト径がW1/2に変更され、250A以上ではW5/8となります。これは配管荷重の増加に対応した構造強化で、建築基準法構造計算にも影響する重要な仕様変更です。

 

吊りバンドVP管用製品寸法

VP管用吊りバンドは提灯式の構造を採用しており、SGP管用とは異なる寸法体系を持ちます。A10158VP吊タン付の仕様を基に詳細を確認しましょう。

 

VP管小口径(VP13~VP30)の寸法仕様

  • VP13:適合管外径18.0mm、締付ボルトM6×25、吊ボルト径W3/8
  • VP16:適合管外径22.0mm、締付ボルトM6×25、吊ボルト径W3/8
  • VP20:適合管外径26.0mm、締付ボルトM6×25、吊ボルト径W3/8
  • VP25:適合管外径32.0mm、締付ボルトM6×25、吊ボルト径W3/8
  • VP30:適合管外径38.0mm、締付ボルトM6×25、吊ボルト径W3/8

VP管用の特徴として、SGP管用よりも締付ボルトが長く設定されています。M6×25という仕様は、VP管の薄肉構造に配慮した設計で、過度な締付けによる管の変形を防ぐ効果があります。

 

VP管中口径(VP40~VP100)の寸法仕様

  • VP40:適合管外径48.0mm、締付ボルトM6×25、吊ボルト径W3/8
  • VP50:適合管外径60.0mm、締付ボルトM6×25、吊ボルト径W3/8
  • VP65:適合管外径76.0mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8
  • VP75:適合管外径89.0mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8
  • VP100:適合管外径114.0mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8

VP65からM8×25に変更される点はSGP管用と同様ですが、全体的にボルト長が25mmと統一されているのが特徴です。

 

VP管大口径(VP125~VP250)の寸法仕様

  • VP125:適合管外径140.0mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8
  • VP150:適合管外径165.0mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8
  • VP200:適合管外径216.0mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8
  • VP250:適合管外径267.0mm、締付ボルトM8×25、吊ボルト径W3/8

VP管の大口径では、SGP管用と異なりM8×25で統一されています。これはVP管の軽量性を活かした設計で、施工コストの削減にも寄与しています。

 

吊りバンドステンレス製品仕様

ステンレス製吊りバンドは耐食性が要求される環境で使用され、特殊な寸法仕様を持ちます。A10198ステン吊バンドの仕様を詳しく見ていきましょう。

 

ステンレス吊りバンドの材質特性
ステンレス製品は主にSUS304を使用しており、厚さ(t)の設定がSGP管用と若干異なります。

 

  • 15A~50A:厚さ2.0mm、締付ボルトM6×20
  • 65A~100A:厚さ2.3mm、締付ボルトM8×25
  • 125A~150A:厚さ3.0mm、締付ボルトM10×35〜M12×45
  • 200A以上:厚さ3.0mm以上、締付ボルトM12×45〜M16×50

ステンレス製品の寸法上の特徴
ステンレス製吊りバンドは、SGP管用と比較して以下の特徴があります。

  • バンド厚(t)が全体的に厚く設定されている
  • 締付ボルトの長さが短縮されている場合がある
  • 吊ボルト径の変更タイミングがSGP管用と異なる

これらの違いは、ステンレス材の強度特性と加工性を考慮した設計変更です。特に溶接部の強度確保のため、板厚を増すことで全体的な強度を向上させています。

 

ステンレス組式吊りバンドの特殊仕様
A10200ステン組式吊タン無しでは、以下の特殊仕様が採用されています。

  • 250A以上はリブの無い平鋼製となる
  • 350A、400Aまでのサイズ展開がある
  • 超大口径では締付ボルトM16×50を使用

この組式構造により、現場での取り付け作業の効率化が図られています。

 

吊りバンド締付ボルト寸法規格

吊りバンドの締付ボルトは配管の安全性に直結する重要部品です。日本建築学会の指針に基づく標準仕様を詳しく解説します。

 

締付ボルトの標準規格体系
配管呼び径に応じた締付ボルトの標準仕様は以下の通りです。

  • 配管呼び径100A以下:吊りボルト径M10又は9mm
  • 配管呼び径125A以上200A以下:吊りボルト径M12又は12mm
  • 配管呼び径250A以上:吊りボルト径M16又は16mm

製品別締付ボルト仕様の詳細
🔩 SGP管用締付ボルト仕様

  • 10A~40A:M6×20(小口径専用)
  • 50A~100A:M8×25(中口径標準)
  • 125A:M10×30(移行サイズ)
  • 150A~200A:M12×45(大口径標準)
  • 250A以上:M16×50(超大口径)

🔩 VP管用締付ボルト仕様

  • VP13~VP50:M6×25(統一仕様)
  • VP65~VP250:M8×25(統一仕様)

VP管用では、締付ボルトの長さが25mmに統一されているのが大きな特徴です。これは薄肉管の特性を考慮し、適切な締付力を確保するための設計です。

 

締付トルクの管理基準
締付ボルトの適正トルク値は以下の通りです。

  • M6ボルト:8~12N・m
  • M8ボルト:15~20N・m
  • M10ボルト:25~35N・m
  • M12ボルト:40~55N・m
  • M16ボルト:80~110N・m

過締付けは管の変形や破損の原因となるため、トルクレンチによる管理が重要です。特にVP管では、適正トルクの管理が施工品質を左右します。

 

ボルト材質と表面処理

  • 電気亜鉛めっき:標準仕様、コスト重視
  • ステンレス:耐食性重視、高級仕様
  • 溶融亜鉛めっき(どぶめっき):屋外・高湿度環境

各表面処理の選定は、設置環境と耐用年数を考慮して決定する必要があります。

 

吊りバンド施工時注意点と選定基準

吊りバンドの適切な選定と施工は、配管システムの長期的な安全性に直結します。実務で見落とされがちな重要ポイントを詳しく解説します。

 

管種別選定の落とし穴
多くの現場で発生する選定ミスは以下の通りです。
よくある選定ミス

  • SGP管にVP管用吊りバンドを使用
  • 適合管外径の確認不足
  • 荷重計算の甘さ
  • 環境条件の見落とし

正しい選定手順

  1. 管種の正確な確認(SGP、VP、ステンレス等)
  2. 管外径の実測(公称サイズとの差異確認)
  3. 設置環境の調査(湿度、腐食性ガス等)
  4. 荷重計算の実施(管重量+流体重量+保温材重量)

施工間隔の計算基準
吊りバンドの設置間隔は配管の安全性に大きく影響します。

  • 呼び径25A以下:1.5m以下
  • 呼び径32A~50A:2.0m以下
  • 呼び径65A~100A:2.5m以下
  • 呼び径125A以上:3.0m以下

ただし、これらは標準値であり、以下の条件では間隔を短縮する必要があります。
🚨 間隔短縮が必要な条件

  • 保温材厚が50mm以上
  • 流体温度が100℃以上
  • 振動の影響がある箇所
  • 地震時の動的荷重を考慮する場合

特殊環境での材質選定
環境条件に応じた材質選定基準。
🌡️ 高温環境(80℃以上)

🌊 高湿度・腐食環境

  • どぶめっき又はステンレス製
  • 電気亜鉛めっきは5年以内で交換計画

🏭 化学薬品環境

  • SUS316以上のステンレス製
  • 薬品適合性の事前確認必須

施工時の品質管理ポイント
実際の施工では以下の点に特に注意が必要です。

  1. 取付角度の管理:水平から±5度以内
  2. 締付トルクの管理:専用トルクレンチ使用
  3. 配管との接触確認:隙間なく密着
  4. 防振材の設置確認:振動対策が必要な場合

これらの管理により、設計寿命を通じた安全性が確保されます。

 

配管工事における吊りバンドの寸法選定は、単なる仕様確認だけでなく、総合的な工学的判断が求められる重要な作業です。メーカー仕様書の正確な理解と、現場条件に応じた適切な選定により、長期的に安全で信頼性の高い配管システムの構築が可能となります。

 

アカギ製品の詳細仕様と承認図面
日栄インテックの吊配管支持金具設計基準