

水道の漏水は「継手部からにじむ」「管の途中が湿る」「壁内・地中で音がする」など出方が分かれ、原因の当たりを付けるだけで作業難易度が大きく変わります。たとえば継手のねじ部が原因なら、基本は“いったん分解して清掃・再シール”で改善する余地がありますが、管そのものの腐食(ピンホール)だと部分更新が現実的です。
SGP-VB/Dのような塩ビライニング鋼管は、水質維持や防食性の観点からライニング鋼管へ切り替わってきた背景があり、内面はスケール付着が少なく流量低下が起きにくい一方、加工や管端処理が雑だと弱点が露出します(内面が傷つく、管端で腐食が起きる等)。
DIYで判断ミスが出やすいのは「漏水の場所=原因」と思い込むケースです。実際は、漏れた水が配管を伝って別の場所から落ちていることがあり、まずは乾いた布やペーパーで“上流側から順に当てていく”確認が有効です。目視できない場合、漏水が疑われるときは水道メーターのパイロット(小さな回転子)が止水後も回るかを確認し、家全体のどこかで水が動いているかを切り分けます。
また、配管修理は結果的に「給水装置の構造・材質の基準」や逆流防止などの考え方に触れるため、危ない接続(他系統への直結など)を避けることが重要です(給水装置の定義や逆流防止の必要性が整理されています)。
参考)https://www.city.toyama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/661/kyusuisoutisekoukijunr4.11.pdf
参考リンク(ライニング鋼管の種類・用途・加工法・注意事項がまとまっており、SGP-VB/Dの理解に直結)
JFEスチール:硬質塩化ビニルライニング鋼管(JLP)カタログ(PDF)
SGP-VB/D(塩ビライニング鋼管)は、内面に硬質塩化ビニルをライニングしているため、切断は「熱がかからない方法」を選ぶのが基本です。資料では、バンドソーや金鋸盤は適、チップソーや高速砥石、ガス切断は不可など、局部加熱や内面被膜の損傷を避ける注意が明確に示されています。
切断後の“面取り”は軽視されがちですが、DIYの失敗原因になりやすい工程です。塩ビ管肉厚の1/2〜1/3を目標に面取りし、ねじ切り後に実施することも可能とされています。面取りが不十分だと、ねじ込み時にライニングを削ったり、シール材がうまく乗らなかったりして、初期漏れや将来の腐食(管端から赤水・錆)につながります。
ねじ切りは「切削ねじのみ」で、転造ねじは使用できない点が意外に重要です。資料でも転造ねじ不可が明記されており、耐震性目的で転造ねじを使いたい場合は別のライニング鋼管(例:粉体ライニング等)を検討する旨まで書かれています。
さらに、ねじ切り油は上水用の水溶性切削油を用い、管内に流入した油は水洗いやウエスで十分除去する、という“水質面の後始末”も注意点です。
ねじ込み配管で漏れやすいのは「ねじ山が甘い」「締め付け不足」だけでなく、管端の防食が不足して継手内で腐食が進むケースです。資料では、継手内の管端腐食による赤水対策として“管端コア”が市販されており、管端防食継手の使用を推奨する記述があります。ここはDIY視点だと見落とされがちで、「とりあえずシールテープを巻く」だけでは再発することがあります。
シール材は、水質に悪影響を及ぼさない“上水用の防食シール剤”を使う、という方針が示されています。DIYでありがちな汎用品(用途不明のシール剤)を使うと、におい移りや材料劣化の不安が残るため、上水適合の明記があるものを選びます。
締め方のコツとしては、ねじ込み前にねじ部を清掃し、旧シール材や錆粉を落とすことが先決です。資料でも「漏水した場合は一度全部取り外し、十分清掃して接合をやり直す」旨が施工基準に明記されており、“締め増しでごまかさない”のが原則です。
SGP-VB/Dを長持ちさせるには、施工の上手さだけでなく「使ってはいけない条件」を避けるのが効きます。資料では使用温度は40℃以下、さらに使用条件として−5℃〜+40℃、有機溶剤(ケトン・エステル・エーテル類)の配管に使わない、寒冷地の解氷で直火を使わない、腐食性の強い液体(酸類・塩類など)に使わない、といった制限がまとまっています。
このあたりは、家庭の水道修理でも無関係ではありません。たとえば冬季の凍結時にバーナーで炙ってしまうと、外面だけでなく内面ライニングにもダメージが入り、後日“別の場所から漏れる”形で現れることがあります(直火解氷NGが明記)。
また保管面でも、直射日光を避ける、温度差の大きい場所を避けるなどが挙げられており、屋外に資材を置きっぱなしにするDIYほど影響が出やすいです。
検索上位では「切る・ねじる・つなぐ」までしか書かれないことが多い一方、実際の再発トラブルで地味に多いのが“切粉(切削くず)”由来の不具合です。切粉が残ると、止水栓や水栓内部のパッキンに噛んで閉まりが悪くなったり、ストレーナ(フィルタ)を詰まらせたりして「修理したのに水の出が悪い」という二次障害になります。施工基準でも穿孔時に「放水しながら穿孔し、切粉を完全に排出する」「止水栓内を洗い切粉を取り除く」といった“切粉を残さない”思想が具体的です。
DIYで再現しやすい「切粉ゼロ化」手順を、現場での実効性を優先して書きます。
ここでのポイントは「水圧に頼る前に、物理的に取る」ことです。資料でも、切削油は管内に入ったら洗浄・除去することが明記されており、同じ発想で切粉も“残留させない工程”として扱うのが安全です。
加えて、埋設前・復旧前に継手状態やボルト締め付け状態を再確認してから埋め戻す、という段取りも基準にあります。DIYでも、壁を閉じる・土を戻す前に「ティッシュ当てでにじみ確認→10分放置→再確認」までやると、後戻り工数が激減します。
参考リンク(給水装置工事の基本、逆流防止、施工手順、水圧試験・清掃など“公的基準の考え方”が載っている)
富山市上下水道局:給水装置工事施工基準(PDF)