アスファルト系塗膜防水・田島の工法と施工の正しい選び方

アスファルト系塗膜防水・田島の工法と施工の正しい選び方

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アスファルト系塗膜防水・田島の特徴と施工で失敗しない工法選び

平場をシート系防水で施工しても、配管廻りや架台の防水が甘いと、そこから漏水して補修費が数十万円単位になることがあります。


📋 この記事の3ポイント要約
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アスファルト系塗膜防水の役割

田島ルーフィングの「アスクールC」は、シート系防水が苦手とする架台・配管廻りなどの複雑部位を確実にカバーする、常温反応型の改質アスファルト系塗膜防水材です。

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2液型だからこその管理ポイント

アスクールCはA剤・B剤の2液着色型を採用しており、色の変化で混合状態を目視確認できます。撹拌不良による硬化不良を現場で予防できる設計です。

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シートとの複合工法が「最強」

平場はシート、複雑部位は塗膜という組み合わせが各素材の長所を最大化します。田島の「レイヤオール工法」は火気不要・低温施工対応で施工環境を選びません。


アスファルト系塗膜防水とは:田島が提唱する「塗る」防水の基本


防水工法を大きく分けると、「貼る」工法と「塗る」工法の2系統があります。アスファルト系塗膜防水は後者の代表格で、液状の改質アスファルト系防水材を下地に塗布し、化学反応によって強靭な防水被膜を形成する工法です。


田島ルーフィングはアスファルト防水の分野で国内トップクラスのシェアを誇るメーカーで、100年以上にわたる実績を持ちます。同社が展開するアスファルト系塗膜防水材の主力製品が「アスクールC(常温反応型改質アスファルト系塗膜防水)」です。


アスファルト系塗膜防水の基本的な仕組みは以下のとおりです。


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主原料 | 改質アスファルト+合成ゴム等 |
| 硬化方式 | 常温反応硬化(2液混合型) |
| 防水層 | 連続被膜(シームレス) |
| 主な施工部位 | 架台廻り・配管廻り・立上り・開口部 |
| 代表工法 | アスクールC(田島ルーフィング) |


「塗る」防水の最大の強みは、シームレスな被膜を形成できる点にあります。シート防水は平面での性能に優れる一方で、架台の脚元や配管が密集した箇所ではシートのカットと貼り合わせが複雑になり、継ぎ目や隙間が生じやすい構造上の限界があります。


つまりシート単独では防げない弱点を補完するのが、アスファルト系塗膜防水の本質的な役割です。


田島ルーフィングの公式サイトでは、塗膜防水のラインナップとともに用途別の選び方が確認できます。


塗膜防水カテゴリ | 田島ルーフィング防水事業サイト


アスクールCの3大特長:田島アスファルト系塗膜防水の現場評価

アスクールCが建築現場で選ばれる理由は、機能と施工管理のしやすさを同時に実現している点にあります。田島ルーフィングが公式に挙げる3つの特長を、施工者目線で整理します。


① 複雑部位への高い密着性


平場のシート系材料では対応が難しい「架台脚元」「配管廻り」「ドレン周辺」「立上り」などの部位に対して、液状であるアスクールCは形状を選ばず塗布・密着できます。特にアスファルト系シートやルーフィングとの接着性に優れており、平場のシート防水と連続した防水層を一体で形成できます。これが重要です。


異種材料(シートと塗膜)が接する「取り合い部」は、相性の悪い材料を組み合わせると伸縮差や可塑剤の移行などが原因で不具合が生じやすい箇所です。アスクールCはアスファルト系材料との相溶性を前提に設計されているため、田島製のシート系防水材と組み合わせた場合に取り合い部での剥がれリスクを大幅に低減できます。


② 共通保護塗料による統一仕上げ


シート部とアスクールC部を共通の保護塗料で仕上げられるため、視覚的に連続した一体感のある防水面が得られます。意匠面での安心感と同時に、保護塗料の選定ミスによる「相性不良」を防げるのは実務的なメリットです。これは使えそうです。


③ 2液着色型で撹拌状態を目視確認


アスクールCはA剤(5kg)とB剤(15kg)の計20kg/セット構成で、2液が異なる色で着色されています。混合前後の色の変化で撹拌が十分かどうかを目視で確認できる設計です。


2液型防水材の最大のリスクは撹拌不良による硬化不良です。撹拌が不十分な状態で施工すると、防水層が正常に形成されず、後から全層撤去のうえ再施工という大きな損害が生じます。アスクールCの色管理機能はこのリスクを現場レベルで直接防ぐ仕組みです。


アスクールC 製品詳細 | 田島ルーフィング防水事業サイト


アスファルト系塗膜防水の施工手順:下地処理から仕上げまでのポイント

アスクールCを含むアスファルト系塗膜防水の施工では、「準備の質が防水層の寿命を決める」と言っても過言ではありません。以下に施工の基本ステップと注意すべきポイントを整理します。


STEP 1|下地の確認と清掃


防水層の密着性は下地の状態に直結します。コンクリートやモルタル下地の場合、表面の砂・ほこり・油分・レイタンス(セメントペーストの浮き)を完全に除去することが前提条件です。


特に見落とされやすいのが「下地の含水状態」です。水分を含んだ下地に塗膜防水材を施工すると、水蒸気の逃げ場がなくなって防水層の膨れや剥がれの原因になります。含水率管理が条件です。


STEP 2|プライマー塗布


清掃が完了した下地にアスファルト系プライマーを均一に塗布します。プライマーを省略すると下地との密着力が大幅に低下し、防水層の浮きや剥がれを引き起こします。プライマーは必須です。


塗布後は指触乾燥(指で触れて汚れない状態)を確認してから次工程に移ります。乾燥前に防水材を重ね塗りすると密着不良につながるため、乾燥時間の確保を現場管理の基準に組み込んでください。


STEP 3|アスクールC(2液混合・撹拌)


A剤とB剤を所定の配合比(A:B = 1:3)で計量し、撹拌機を使用して混合します。混合した色が均一になるまで撹拌を続けることが硬化不良防止の鉄則です。撹拌は目視で確認します。


可使時間(ポットライフ)を超えた材料を使用することは厳禁です。温度が高い夏季は可使時間が短縮されるため、少量ずつ混合して使い切る管理が求められます。


STEP 4|塗布・積層


塗布は刷毛・ローラーを使い、所定の膜厚を確保します。膜厚不足は防水層の強度不足に直結します。1回塗りで規定膜厚を厚く確保しようとすると表面だけ乾燥して内部が未硬化になるリスクがあるため、薄く複数回に分けて積層するのが原則です。


STEP 5|保護塗料の塗布


硬化確認後、共通の保護塗料を塗布して防水層を紫外線や物理的な損傷から保護します。保護塗料の施工タイミングが早すぎると防水層と保護塗料の界面で不具合が生じることがあります。


以下のリンクでは防水工事のプライマーの役割と施工上の注意点を体系的に確認できます。


防水工事のプライマーの重要性と施工時の注意点 | 関防協コラム


シートと塗膜の複合工法:田島「レイヤオール工法」が選ばれる理由

防水工事の設計で見落とされがちな視点として「単一工法の限界」があります。平場全面をシート、複雑部位を塗膜という「複合工法」の考え方は、田島ルーフィングが強みとしている分野です。


代表的な複合工法が「レイヤオール工法(改質アスファルト防水常温複合工法)」です。この工法は液状の塗膜材を塗って改質アスファルト系シートを貼る、という「塗って貼る」を繰り返す工程で防水層を形成します。


レイヤオール工法の主なメリット は次のとおりです。


- 🔥 火気不使用 :溶融アスファルトやトーチバーナーを使わないため、火気制限のある現場や住宅密集地での施工が可能
- 🌡️ 低温下でも施工可 :反応硬化型の液状材料は流動性が高く、低温環境でも凍結の心配なく施工できる
- 🏠 屋内施工にも対応 :主要材料すべてがF☆☆☆☆および VOC自主規制表示登録を取得しており、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物の発生を抑制
- 🔒 水密性の信頼性 :不定型材(液状塗膜)と定型材(シート)の組み合わせはアスファルト防水本来の水密性の思想を継承


一方で、シート単独工法と比較して工程数が増える点はトレードオフです。ただし、複雑部位での漏水リスクを考えれば、長期的な修繕費の削減効果の方がはるかに大きくなります。


改質アスファルトシート防水の中には、耐用年数30年を実現した仕様も存在します。田島ルーフィングの公式サイトによれば、特殊面材に塗膜防水を併用する工法では「改修頻度を抑えられるため、太陽光発電設備の長期運用にも最適」と説明されています。30年という数字は、A4用紙で積み上げれば約15冊分もの厚さのメンテナンスコストを節約できるスケールです。


レイヤオール工法 詳細 | 田島ルーフィング防水事業サイト


失敗事例から学ぶ:アスファルト系塗膜防水の施工不良パターンと対策

現場で実際に発生している施工不良のパターンを把握しておくことは、同じミスを繰り返さないための実践的な防衛策です。


パターン① 撹拌不良による硬化不良


2液型防水材で最も多いトラブルがこれです。混合時に短時間で作業を切り上げると、A剤とB剤が均一に反応せず、硬化が不完全なまま防水層が形成されます。表面だけが固まって内部がドロドロの状態になり、歩行すると足跡がつく、あるいは保護塗料を塗っても剥がれるといった症状が現れます。


硬化不良が判明した場合、防水層を全層撤去して再施工するしか回復手段はありません。材料費・工賃・廃材処理費を合わせると、当初の施工費を超えるコストが発生することもあります。つまり撹拌管理は施工コストの管理そのものです。


パターン② 下地含水による膨れ


雨天後や早朝の露があるタイミングで施工を急いだ場合、下地中の水分が防水層によって閉じ込められ、日照で温められた水蒸気が防水層を押し上げて「膨れ」を形成します。膨れが発生した箇所は防水層が下地から浮いているため、物理的な衝撃で亀裂が入り漏水に直結します。


施工前の含水率確認は見えないリスクを排除する作業です。コンクリート面であれば表面が白く乾燥していても内部に水分が残留しているケースがあるため、含水率計を使った定量的な確認が望ましい場面もあります。


パターン③ 取り合い部での材料不適合


シート系防水と塗膜防水の取り合い部に、相性の悪い材料を組み合わせた際に発生します。塩ビシート防水に含まれる可塑剤がアスファルト系塗膜防水材に移行したり、溶剤がシートを膨潤・劣化させたりするケースが報告されています。


この問題を回避するために有効なのが、同一メーカーの製品ラインでシステムを組む方法です。田島ルーフィングのアスクールCとアスファルト系シート防水材は材料的な親和性が設計段階から考慮されており、取り合い部での不具合リスクを体系的に低減できます。同一メーカーで統一が原則です。


パターン④ 膜厚不足


「塗ったつもり」でも実際の膜厚が規定値に達していないケースは少なくありません。膜厚不足の防水層は引張強度・伸び性能ともに規定値を下回り、建物の微細な動きや温度変化に追従できず早期に亀裂が生じます。


膜厚管理には、塗布量(kg/㎡)の記録と簡易的なウェット膜厚計の活用が有効です。施工後に仕上がりを目視で確認できる記録を残すことは、施工責任の面でも重要です。


以下のリンクでは防水工事で発生しやすい施工不良の具体的な事例と対策が解説されています。


不十分な下地処理が引き起こす問題 | 関防協コラム




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