
城東テクノのゆかづかは、木造住宅の床下を支える重要な部材として開発された高性能な床束です。従来の木製床束と比較して、多くの優れた特性を持っています。この製品は、住宅の床組みを支える大引きを安定して支持し、床下空間の耐久性と安全性を高める役割を果たします。
ゆかづかの最大の特徴は、その高い荷重強度にあります。建築基準法で定められた値の5.7倍以上の強度を持ち、住宅の床に加わる様々な荷重に対して十分な支持力を提供します。これにより、床のたわみや揺れを防ぎ、住宅全体の構造安定性を向上させることができます。
また、樹脂製であることから、従来の木製床束や金属製の床束と比較して、サビや腐食、シロアリ被害などの心配がありません。これは特に湿気の多い床下環境において大きなメリットとなり、長期間にわたって安定した性能を維持することができます。
施工面においても、ゆかづかは大きな利点を持っています。束の伸縮が自在で、大引きのレベル調整が簡単に行えるため、施工時間の短縮と精度の向上に貢献します。現場での作業効率を高め、建築コストの削減にもつながる設計となっています。
城東テクノのゆかづかには、大引き受け部分の材質によって「樹脂タイプ」と「合板タイプ」の2種類が用意されています。それぞれに特徴があり、施工条件や用途に応じて選択することができます。
樹脂タイプは、本体と同様に66ナイロン製の大引き受けを採用しています。全体が樹脂製であるため、水分や湿気による劣化の心配がなく、特に湿気の多い環境や水回りの床下に適しています。また、樹脂の特性を活かした防音効果も期待でき、床鳴りの防止にも貢献します。
一方、合板タイプは大引き受け部分に防虫・防腐・防蟻処理済みの構造用合板(F☆☆☆☆)を使用しています。この合板は高い強度を持ち、大引きとの接合性に優れています。木材同士の接合となるため、従来工法との親和性が高く、施工者にとって馴染みやすい特徴があります。
両タイプとも、ロック受け部分にはポリアセタール樹脂を使用しており、高い耐久性と滑らかな操作性を実現しています。最大圧縮荷重は、樹脂タイプ・合板タイプともに同等の性能を持ち、製品の高さに応じて12.10kN(1,235kgf)から13.87kN(1,415kgf)の範囲となっています。
選択の際は、床下環境の湿度条件や施工者の好み、コスト面などを総合的に考慮することが重要です。特に湿気対策が必要な場所では樹脂タイプ、従来工法との親和性を重視する場合は合板タイプが適しているでしょう。
城東テクノのゆかづかを効果的に施工するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。正しい施工方法を理解し、適切な調整を行うことで、床の安定性と耐久性を最大限に高めることができます。
まず、施工間隔については、3尺(約1,000mm)以内の間隔で設置することが推奨されています。この間隔を守ることで、床の荷重を均等に分散させ、たわみや揺れを防止することができます。特に重量物を置く予定の場所では、さらに間隔を狭めるなどの配慮が必要です。
ゆかづかの設置時には、転倒防止措置を施すことが重要です。大引き受け部は同梱のビスや市販のビス、または釘4本を使用して固定します。また、フランジ部(底面)は束石や土間コンクリートに接着剤をまんべんなく塗布して固定します。これにより、床束の安定性を確保し、長期間にわたって確実な支持力を維持することができます。
高さ調整は、ゆかづかの大きな特長の一つです。調整作業は以下の手順で行います。
施工時の注意点としては、以下の点に留意することが重要です。
これらのポイントを守ることで、ゆかづかの性能を最大限に発揮させ、安定した床下構造を実現することができます。
城東テクノのゆかづかが持つ荷重強度は、建築基準法の要求を大きく上回る性能を有しています。この高い強度性能は、住宅の安全性と耐久性に直接関わる重要な要素です。
建築基準法施行令では、木造住宅の床に関する荷重基準が定められています。第84条(固定荷重)では、木造の床について板張りの場合は150N/㎡、畳敷きの場合は340N/㎡と規定されています。また、第85条(積載荷重)では、住宅の居室(板張り)について1,800N/㎡と定められています。
これに対し、城東テクノのゆかづかは、製品の種類や高さによって異なりますが、樹脂タイプの場合、最小でも12.10kN(約1,235kgf)、最大で13.87kN(約1,415kgf)の圧縮荷重に耐えることができます。これは建築基準法で定められた値の約5.7倍以上に相当し、十分な安全マージンを確保していることになります。
具体的な数値で見ると、ゆかづかの樹脂タイプの各製品の最大圧縮荷重は以下の通りです。
この高い荷重強度により、通常の住宅使用条件下では十分な安全性を確保できるだけでなく、ピアノなどの重量物を置く場合でも、適切な設置間隔を確保することで対応が可能です。
ただし、製品仕様書にも記載されているように、これらの最大圧縮荷重は測定値であり、保証値ではありません。実際の施工においては、安全率を加味した設計を行うことが推奨されています。特に重量物を設置する場所や、特殊な荷重条件がある場合は、床束の設置間隔を通常より狭めるなどの対策が必要です。
床束を選ぶ際には、城東テクノのゆかづか(樹脂製)と鋼製束のどちらが適しているか、施工条件や用途に応じて検討する必要があります。それぞれの特徴を理解し、最適な選択をすることが重要です。
【材質と耐久性の比較】
ゆかづか(樹脂製):
鋼製束:
【荷重強度の比較】
ゆかづかの最大圧縮荷重は約12.10kN~13.87kN(1,235kgf~1,415kgf)であるのに対し、城東テクノの鋼製束(YMシリーズ)は高さによって異なりますが、約14.93kN~36.38kN(1,523kgf~3,712kgf)と、より高い荷重強度を持っています。特に低い高さの鋼製束ほど強度が高くなる傾向があります。
【施工性の比較】
ゆかづか:
鋼製束:
【選び方のポイント】
実際の選択においては、これらの要素を総合的に判断し、現場の条件に最も適した床束を選ぶことが重要です。特に重要な建物や特殊な条件がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。
外壁塗装業界においても、城東テクノのゆかづかは様々な場面で活用されています。特に、リフォームや改修工事に伴う床下補強や、足場設置の際の基礎部分として利用されるケースが増えています。ここでは、外壁塗装現場でのゆかづかの具体的な活用事例を紹介します。
【床下補強での活用】
外壁塗装工事に伴って床下点検を行うと、古い住宅では床束の劣化や損傷が見つかることがあります。特に木製の床束は、長年の湿気や白蟻被害によって強度が低下していることが少なくありません。このような場合、城東テクノのゆかづかを使用して床下補強を行うことで、住宅全体の耐久性を向上させることができます。
具体的な施工手順
この作業により、外壁塗装と同時に床下の耐久性も向上させることができ、住宅全体の価値を高めることができます。
【仮設足場の基礎としての活用】
外壁塗装工事では、建物の周囲に足場を設置する必要がありますが、地盤が不安定な場所や傾斜地では、足場の基礎部分の安定性確保が課題となります。このような場合、ゆかづかを足場の支持部材として活用することで、安定した足場設置が可能になります。
特に樹脂製のゆかづかは、地面との接触面が広く、荷重を分散させる効果があるため、足場の沈下防止に効果的です。また、高さ調整機能を活用することで、傾斜地でも水平な足場を設置することができます。
【ウッドデッキ改修での活用】
外壁塗装と同時にウッドデッキの改修を行うケースも多くあります。古くなったウッドデッキの床束を城東テクノのゆかづかに交換することで、耐久性と安定性を大幅に向上させることができます。
樹脂製のゆかづかは屋外環境にも強いため、ウッドデッキのような屋外構造物の支持部材として最適です。特に海沿いの住宅では、塩害による金属部品の腐食が問題となりますが、樹脂製のゆかづかであればこの心配がありません。
【施工上の工夫】
外壁塗装業者が床下補強やウッドデッキ改修を行う際の工夫