型枠サポート寸法一覧と許容荷重表完全ガイド

型枠サポート寸法一覧と許容荷重表完全ガイド

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型枠サポート寸法一覧

型枠サポート完全ガイド
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基本寸法規格表

1尺から9尺まで全サイズの調節範囲と重量データを網羅

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許容荷重データ

使用長別の安全荷重と水平つなぎ有無による違いを詳細解説

🔧
選定と施工のポイント

現場条件に応じた最適なサポート選択と安全な施工方法

型枠サポート基本寸法規格表

型枠工事における支保工の要となるパイプサポートは、1尺から9尺まで規格化された寸法体系で製造されています。各サイズの詳細な寸法データを正確に把握することは、施工計画の精度向上と現場作業の効率化に直結します。

 

標準パイプサポート寸法一覧表

サイズ 調節範囲(mm) 重量(kg) 色分け 受板形状
1尺 318〜445 4.2 角型
1.5尺 400〜599 4.6 角型
2尺 605〜992 5.8 角型
3尺 896〜1,511 7.6 ピンク 角型
4尺 1,192〜2,071 9.5 角型
5尺 1,520〜2,590 10.2 花型
6尺 1,720〜3,040 11.9 花型
7尺 2,120〜3,440 13.8 花型
9尺 2,620〜3,940 14.5 ピンク 花型

パイプサポートの色分けシステムは現場での識別を容易にするための工夫で、特に5尺以上のサポートでは受板形状が花型に変更されており、荷重分散性能が向上しています。この花型受板は接触面積を増大させ、コンクリートスラブへの応力集中を防ぐ効果があります。

 

フラワーサポートとの比較データ
一般的なパイプサポートに加え、フラワーサポートと呼ばれる特殊仕様のサポートも存在します。フラワーサポートは受板部分の形状が最適化されており、特に重荷重条件下での使用に適しています。

 

型式 使用寸法(mm) 質量(kg) 特徴
10Z 320〜440 4.0 最小サイズ
50Z 1,520〜2,590 11.0 中間サイズ標準
90Z 2,620〜3,940 14.5 最大サイズ

これらの寸法データは、型枠設計時の支保工計画において基準となる数値であり、構造計算における重要なパラメータとなります。

 

パイプサポート許容荷重と安全基準

型枠サポートの許容荷重は使用長と水平つなぎの有無によって大きく変動するため、安全な施工のためには正確な荷重データの理解が不可欠です。

 

使用長別許容荷重表

サポート使用長(m) 水平つなぎ無(kg) 水平つなぎ有(kg) 一端剛支持(kg)
2.4 2,000 2,000 2,000
2.5 1,900 2,000 1,950
2.6 1,800 2,000 1,900
2.7 1,700 2,000 1,850
2.8 1,600 2,000 1,800
2.9 1,500 2,000 1,750
3.0 1,400 2,000 1,700
3.1 1,300 2,000 1,650
3.2 1,200 2,000 1,600
3.3 1,100 2,000 1,550
3.4 1,000 2,000 1,500

この表から明らかなように、2.4m未満の使用長では許容荷重は2,000kg限度となり、それ以上の長さでは水平つなぎの設置が荷重性能に大きく影響します。

 

認定基準と品質管理 🔍
近年、海外製の認定基準を満たさないパイプサポートによるトラブルが増加しているため、仮設工業会認定マークの確認が重要です。認定品の座屈荷重は以下の通りです。

  • 仮設工業会認定品:7尺で5,000kg
  • JIS規格品:7尺で4,500kg

どちらも国の基準は満たしていますが、より高い安全性を求める場合は仮設工業会認定品の選択が推奨されます。

 

偏心荷重対策
サポートの安全使用において特に注意すべきは偏心荷重の防止です。偏心荷重が発生する主な原因と対策は以下の通りです。

  • 受板への不均等な荷重配分
  • サポート軸線のずれ
  • 振り止めブレースの未設置

これらの問題を防ぐため、受板の重心を同一にし、必要に応じて振り止めブレースを設置することが重要です。

 

強力サポート寸法と用途別選定法

一般的なパイプサポートでは対応できない重荷重条件において、強力サポートの使用が必要になります。強力サポートは解体工事で重機をスラブに載せる際の補強や、特殊な構造物の支保工に使用されます。

 

鉄製強力サポート仕様表

型式 調整長さ(mm) 重量(kg) 許容耐力(t) 主な用途
18型 1,219〜2,124 38.0 15 中層建物解体
32型 1,865〜3,270 50.0 15 高層建物解体
40型 2,665〜4,070 59.0 13 超高層建物
50型 3,665〜5,070 70.0 11 特殊構造物

強力サポートの選定では、単純な荷重計算だけでなく、施工条件や作業効率も考慮する必要があります。重量が38kg〜70kgと重いため、クレーンによる設置が前提となり、人力での移動は困難です。

 

アルミサポートとの使い分け ⚖️
軽量化ニーズに対応するため、アルミ合金製のサポートも開発されています。アルミサポートは鉄製の約2/3の重量を実現しており、以下の特徴があります。

  • 軽量性:運搬・設置作業の効率化
  • 耐食性:屋外での長期使用に適している
  • 作業性:人力での移動が可能

ただし、許容荷重は鉄製に比べて制限されるため、荷重条件との適合性を慎重に検討する必要があります。

 

特殊サポートの活用法
補助サポートと呼ばれる固定長のサポートも存在し、特定の高さが決まっている場合に効率的です。

  • 4S型:1,200mm固定、5.1kg
  • 5S型:1,500mm固定、6.0kg

これらは調節機構がない分、軽量で設置が迅速に行える利点があります。

 

型枠サポート施工時の注意点とトラブル防止

型枠サポートの施工における安全性確保とトラブル防止には、正しい知識と適切な手順の遵守が不可欠です。

 

基本的な安全確認項目
施工前に必ず確認すべき項目は以下の通りです。

  • パイプの外観検査(へこみ、曲がりの有無)
  • ネジ部の摩耗状態とピンの損傷確認
  • 受板の平面性と固定状態
  • 認定マークの表示確認

特に、火入れ修理を行ったサポートは強度が著しく低下するため、使用を避ける必要があります。溶接による修理も同様に強度低下の原因となるため、損傷したサポートは廃棄することが安全です。

 

水平つなぎの重要性
3.4m以上の使用長では、高さ2m以内ごとに水平つなぎを直角2方向に設け、かつ水平つなぎの変位を防止する措置が義務付けられています。水平つなぎの効果は以下の通りです。

  • 座屈防止効果による許容荷重の維持
  • 地震時の横方向力に対する抵抗
  • 施工中の安定性向上

水平つなぎにはサポートクランプ(重量0.76kg)を使用し、φ42.7とφ48.6の兼用型が標準的です。

 

混在使用時の注意点 ⚠️
木製の支保工とパイプサポートを併用する場合、荷重分担が均等にならない可能性があるため、以下の点に注意が必要です。

  • 材料特性の違いによる変形量の差
  • 許容荷重の相違
  • 経年変化による性能低下の違い

これらの問題を避けるため、可能な限り同一材料・同一規格のサポートを使用することが推奨されます。

 

定期点検とメンテナンス
サポートの安全性を長期間維持するには、定期的な点検とメンテナンスが重要です。

  • 月1回の全数外観検査
  • 使用回数に応じた詳細検査
  • 保管時の防錆処理
  • 使用履歴の記録管理

表面処理された溶融亜鉛メッキは耐食性を向上させますが、傷や摩耗により効果が低下するため、点検時の確認が重要です。

 

サポート部材の組み合わせと効率的活用法

現場の多様な条件に対応するため、基本的なパイプサポート以外にも様々な部材が開発されており、適切な組み合わせにより効率的な支保工システムを構築できます。

 

荷重受梁との組み合わせ 🏗️
大スパンの梁型枠を支える場合、パイプサポート単体では対応が困難なため、荷重受梁との組み合わせが効果的です。

規格 長さ(mm) 支柱間隔(mm) 重量(kg)
OKSW-18D 1,768 1,829 20
OKSW-15D 1,463 1,524 18
OKSW-12D - 1,219 14.5

荷重受梁を使用することで、個々のサポートへの集中荷重を分散し、より安全で経済的な支保工システムを構築できます。

 

中間つなぎによる長尺化対応
標準的なサポートでは高さが不足する場合、中間つなぎを使用して長尺化を図ることが可能です。この方法には以下の利点があります。

  • 既存のサポートの有効活用
  • 新規購入コストの削減
  • 保管スペースの効率化

ただし、接続部の強度や安定性を十分に検討し、必要に応じて補強措置を講じる必要があります。

 

効率的な色分けシステムの活用 🎨
パイプサポートの色分けシステムを活用することで、現場での作業効率を大幅に向上させることができます。

  • 青色:1尺・5尺(低層・高層の使い分け)
  • 赤色:1.5尺・6尺(中間サイズの識別)
  • 黄色:2尺・7尺(頻用サイズの明確化)
  • ピンク:3尺・9尺(特殊サイズの識別)
  • 緑色:4尺(単独色での管理)

この色分けにより、必要なサイズのサポートを迅速に選別でき、設置ミスの防止にも効果があります。

 

デジタル管理システムの導入
現代の建設現場では、サポートの在庫管理や使用履歴の追跡にデジタルシステムが導入されています。

  • QRコードによる個体識別
  • クラウドベースの在庫管理
  • 使用履歴の自動記録
  • 点検スケジュールの最適化

これらのシステム導入により、サポート管理の精度向上と作業効率の大幅な改善が実現されています。

 

まとめ
型枠サポートの適切な選定と使用は、建設工事の安全性と品質確保の基盤となります。本記事で解説した寸法データ、許容荷重、施工上の注意点を総合的に理解し、現場条件に最適なサポートシステムを構築することが重要です。特に、認定基準を満たす製品の使用と定期的な点検により、長期間にわたって安全で効率的な作業環境を維持することができます。