m10ナット寸法一覧と規格種類選び方

m10ナット寸法一覧と規格種類選び方

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m10ナット寸法一覧と規格

M10ナット寸法の基本情報
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基本寸法規格

対辺寸法17mm、ピッチ1.5mmが標準仕様

🔧
種類別高さ

1種8mm、2種8mm、3種6mmの3パターン

⚙️
材質と強度

SS材から高強度SCM435まで用途別選択

m10ナット基本寸法と対辺規格

M10ナットの基本寸法は建築現場で最も頻繁に使用される規格の一つです。JIS B 1181:2014規格に基づく標準寸法は以下の通りです。

 

M10ナット標準寸法表

  • 対辺寸法(s):17mm(基準寸法)
  • ピッチ(P):1.5mm(並目ねじ)
  • 細目ピッチ:1.25mm
  • 最大対角寸法(e):19.6mm
  • 座面径(dw):最小14.6mm

旧規格品では対辺寸法が16mmの製品も流通しており、工具の適合性を確認する必要があります。現場では17mmスパナまたは10mmの六角レンチが標準工具となります🔧。

 

M10ナットの対辺寸法17mmは、建築現場で使用頻度の高い寸法です。この寸法は、適度な締付トルクを確保しながら、作業性を考慮して設計されています。

 

六角ナットの対辺寸法に関する詳細な技術資料
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/a0042.html

m10ナット種類別高さ寸法比較

M10ナットは高さ寸法によって1種、2種、3種に分類され、それぞれ異なる用途に適用されます。

 

種類別高さ寸法一覧

  • 1種ナット:高さ8mm(片面取り)
  • 2種ナット:高さ8mm(両面取り)
  • 3種ナット:高さ6mm(両面取り)
  • 10割ナット:高さ10mm(特殊用途)

1種ナットは最も一般的で、片面のみ面取りが施されているため、座面の向きを意識する必要があります⚠️。2種ナットは両面取りのため、向きを気にせず作業効率が向上する特長があります。

 

3種ナットは高さが6mmと低く設計されており、狭いスペースでの施工や軽量化が求められる箇所で活用されます。建築現場では、天井裏配管や設備機器の取付部分でよく使用されます。

 

10割ナットは高さがねじ径の10割(M10=10mm)となる特殊仕様で、高い締付力が必要な重要部位に使用されます。鋼構造建築物の主要接合部などで採用されるケースがあります🏗️。

 

m10ナット材質強度と選び方

M10ナットの材質選択は、使用環境と要求強度によって決定する必要があります。建築現場では適切な材質選択が構造安全性に直結します。

 

材質別強度分類

  • SS材(一般品):4T相当、一般的な内装工事
  • SWCH(一般品):4T相当、軽微な構造部材
  • S45C-A(焼入なし):6T相当、中強度要求部位
  • S45C-H(焼入品):8T相当、重要構造部材
  • SCM435(クロモリ):10T相当、高強度要求部位

ステンレス鋼製ナットは耐食性が要求される外装部分や湿潤環境で使用されます。SUS304相当品が一般的で、海岸地域ではSUS316の採用も検討されます🌊。

 

真鍮製ナットは電気的絶縁性や非磁性が求められる特殊用途で使用されます。電気設備の絶縁部分や計測機器の取付部などで活用されています。

 

表面処理についても考慮が必要で、ユニクロメッキ、溶融亜鉛メッキ、ダクロコーティングなど、使用環境に応じた防錆処理を選択します。

 

建築用ナットの材質と強度に関する技術情報
https://www.ikekin.co.jp/products/2288/

m10ナット施工現場での注意点

実際の建築現場でM10ナットを使用する際には、規格書に記載されていない実務的なポイントがあります💡。現場での作業効率と品質確保のための注意事項を解説します。

 

現場作業での重要ポイント

  • 締付トルク管理:適正トルク値の確認と管理
  • ねじ山の損傷防止:斜め締めや過締付の回避
  • 環境条件への対応:温度変化や湿度の影響考慮
  • 工具適合性:正しいサイズの工具使用

建築現場では、M10ナットの締付トルクが構造安全性に大きく影響します。一般的にM10ボルトの推奨締付トルクは49-59N・m程度ですが、材質や表面処理によって調整が必要です⚙️。

 

特に鉄骨工事では、ナットの座面とワッシャーの組み合わせが重要になります。平ワッシャーやスプリングワッシャーの使用により、締付力の均等分散と緩み防止効果が向上します。

 

現場での品質管理では、ナットの回転数による締付管理も有効です。M10ナットの場合、手締めから本締めまでの回転数を記録し、一定の品質を維持することができます📊。

 

湿潤環境や屋外露出部では、ナットとボルトの異種金属接触による電食現象にも注意が必要です。ステンレス製ナットと亜鉛メッキボルトの組み合わせなど、材質の相性を確認することが長期耐久性確保につながります。

 

m10ナットJIS規格と互換性

M10ナットのJIS規格は、建築業界における標準化と品質保証の基盤となっています。現行規格と旧規格の違いを理解することで、適切な製品選択が可能になります。

 

JIS規格の変遷と互換性

  • 現行規格:JIS B 1181:2014
  • 旧規格:JIS B 1181:1993
  • 主な変更点:M1.6、M2.5の追加、寸法公差の見直し
  • 互換性:基本寸法の互換性は維持

現行のJIS B 1181:2014では、M10ナットの対辺寸法が17mmに統一されていますが、旧規格品では16mmの製品も存在します。現場では両方の規格品が混在することがあるため、使用前の寸法確認が重要です📏。

 

国際規格との関係では、ISO 4032-4036およびISO 8673-8675との整合性も考慮されています。輸入建材や外国製設備との組み合わせでは、規格の互換性を事前に確認する必要があります🌐。

 

規格マーキングの読み方

  • 強度区分表示:8、10、12などの数字
  • 材質表示:SUS304、S45Cなどの記号
  • 製造者マーク:品質トレーサビリティ用

建築確認申請構造計算書では、使用するナットの規格明記が求められるケースが増えています。適切な規格品の選択と証明書の保管が、建築物の品質保証に直結します📋。

 

ウィットネジとの互換性については、建築設備や配管工事で注意が必要です。M10(メートルネジ)とW3/8(ウィットネジ)は寸法が近似していますが、ピッチが異なるため互換性はありません⚠️。

 

JIS規格に関する詳細な技術資料
https://www.nbk1560.com/resources/other/article/technical-21-hexagon-nuts/
建築現場でのM10ナット選択では、これらの寸法規格と材質特性を総合的に判断し、使用環境に最適な製品を選択することが重要です。適切な規格品の使用により、建築物の安全性と耐久性が確保されます🏢。