二面幅 規格 公差 寸法 六角 ナット

二面幅 規格 公差 寸法 六角 ナット

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二面幅 規格 公差

二面幅の規格と公差を現場で迷わないために
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規格は「寸法系列」と「部品規格」で見る

二面幅はJIS B 1002の系列(呼び)と、ボルト・ナット等の個別JISで運用が決まります。

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公差は工具側との関係で“片側”になりやすい

スパナ等の呼び寸法Sの公差がプラス側なら、相手(ナット等)の二面幅はマイナス側が基本発想です。

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図面・検査は「何を保証するか」を先に決める

二面幅そのものを保証するのか、工具で回せること(機能)を保証するのかで、指示寸法と検査の要点が変わります。

二面幅の規格と寸法の考え方(六角・六角穴)


二面幅(幅 across flats)は、六角形状の対向する平面の距離で、ボルト・ナット・ソケットスパナなど「回す/回される」部位の基準寸法になります。
JISでは、二面幅の“寸法系列(呼び)”自体をまとめた規格としてJIS B 1002「二面幅の寸法」があり、ねじ部品とスパナ類に適用する二面幅の寸法、さらに六角ボルト六角ナット・六角穴付き止めねじ・六角穴付きボルトの呼び径に対する二面幅も示しています。
ポイントは、JIS B 1002が「二面幅そのものの体系(系列)」を与えつつ、許容差(公差)はJIS B 1021や個別規格に委ねる、という“役割分担”になっている点です(ここを誤ると、表だけ見て公差まで決めた気になりがちです)。
また、JIS B 1002の注記では、対角距離(六角の頂点間、across corners)については参考値(計算値)として扱われ、ねじ部品側の対角距離の最小値は公差方式(JIS B 1021)または個別規格による、と整理されています。


現場では「二面幅」と「対角距離」が混同されて、ソケットが入らない・面取りが当たる・塗装膜が邪魔になる、といった不具合に繋がりやすいので、図面レビュー時点で用語を揃えるのが安全です。


参考リンク(JIS B 1002の適用範囲・付表で、二面幅の系列と“公差は別規格”という建て付けが確認できます)
https://kikakurui.com/b1/B1002-1985-01.html

二面幅の公差がマイナス側になりやすい理由(スパナ・嵌合)

二面幅の公差を決めるとき、最初に押さえるべきは「相手が工具(スパナ/ソケット)か、相手が部品(相手ナット/相手ボルト)か」です。
六角ナットを例にすると、工具側の呼び寸法SにはJISで公差があり、その公差がプラス側に設定されているため、ナット側の二面幅は“工具に入ること”を確実にする目的でマイナス側に設定する、という設計ロジックになります(工具が少し大きくても使えるが、工具に入らないのが最悪だからです)。
この説明はミスミの製図解説でも明示されており、「スパナの呼び寸法Sの公差がプラス側なので、ナットの二面幅の公差はマイナス側」と整理されています。
ここで意外と見落とされるのが、現場で使う工具が“規格通りの新品”とは限らない点です。


例えば、使用頻度が高いスパナは口の摩耗や変形で実効寸法が増え、逆にソケットは内面の打痕で実効寸法が減ることがあります(同じ「大きい/小さい」でも、工具種と劣化の仕方で方向が逆転します)。


したがって、公差設計は「規格値」だけでなく、「現場の工具の状態」「メンテ周期」「締付トルク管理の厳しさ」とセットで考えるほど、再発防止の精度が上がります。


参考リンク(ナット製図の中で、二面幅公差がマイナス側になる理屈と、工具(スパナ)の公差との関係が確認できます)
https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/blog/yamada/34901/

二面幅の寸法表の読み方(呼び径・六角ボルト・六角ナット)

二面幅の寸法表は、見た目は単純でも「どの規格の、どの系列か」を外すと事故ります。
JIS B 1002の付表2では、呼び径dに対して六角の二面幅(小形系列/並形系列/大形系列)と、六角穴の二面幅(止めねじの場合/ボルトの場合)を整理しており、同じ呼び径でも系列で二面幅が変わる可能性を示しています。
つまり、設計で「M12だから二面幅はこれ」と即断するのではなく、“その部品が小形なのか並形なのか大形(高力等)なのか”を、採用品番や適用規格(ボルトならJIS B 1180、ナットならJIS B 1181など)で確定させてから寸法を置くのが正攻法です。
現場でよくある混乱は、旧JIS・慣用値・メーカー規格の表が混在していることです。表によっては( )付きで旧JIS値が併記されていたり、JIS標準外サイズ(大型径)を慣用で載せていることがあります。


この状況で、施工側が「手持ちのソケット(対辺)でいけるはず」と思い込み、設計側が「図面の二面幅だからいけるはず」と思い込み、結果として“どちらも間違っていないのに噛み合わない”が起きます。


対策として、図面の注記に「適用規格(例:JIS B 1181)」「系列(小形/並形など)」「表面処理(めっき等)」までセットで明記し、二面幅の根拠を一意にするのが有効です。


二面幅の検査と測定(寸法・参考・図面)

二面幅は、ノギスでも測れますが、測定方法の癖で値がブレやすい寸法です。特に六角の平面が小さいサイズや、面取りが大きい形状だと、ノギスの当たり位置がわずかにズレて「二面幅っぽい値」を拾ってしまうことがあります。
図面側では、二面幅が“機能寸法”なのか、“加工の目安”なのかを明確にして、必要なら検査方法も含めて取り決めると揉めにくいです(例:受入検査で二面幅を保証するのか、工具嵌合を保証するのか)。
ミスミの製図解説でも、六角形状の幅寸法は繰り返し形状のため暗黙的に省略できる一方、相手サイズ(工具)を考慮した公差設定が重要、という設計製図の観点が整理されています。
実務で“意外に効く”のは、二面幅だけでなく「角のダレ」「めっきの付き回り」「塗装膜厚」で、工具嵌合が実質的に悪化する点です。


二面幅が図面公差内でも、角が丸い(ダレる)と工具の接触面積が減り、舐めやすくなります。逆に、塗装や厚めのめっきは二面幅を“太らせる”方向に働き、工具が入らない不具合のトリガになります。


したがって、建築・設備・プラントのように塗装が絡む現場では、二面幅の公差検討を「表面処理込みの最悪条件」で行うのが安全です(工程能力が低いと、組立時に初めて発覚します)。


二面幅の独自視点:公差を「工具管理」に割り当てる発想

検索上位の解説は、規格表や寸法の説明に寄りがちですが、現場トラブルの根は「工具側のばらつき」を設計が吸収しきれていないことにあります。
そこで独自視点として、二面幅の公差設計を“部品単体”ではなく「部品+工具のシステム」で配分する、という考え方を提案します。具体的には、次のように“管理対象”を分けると、同じ二面幅でも不具合率が下がります。
✅工具管理に寄せる(部品側の変更を最小化)
・スパナ/ソケットを定期校正・定期更新し、口開きや内径の実効寸法を管理する
・規格外の摩耗工具を現場から排除し、二面幅のマイナス公差依存を減らす
・締付時の斜め掛け(工具が面に対して傾く)を減らす治具・作業標準を整備する
✅部品公差に寄せる(現場の工具品質が読めない場合)
・二面幅は“工具嵌合優先”でマイナス側の公差設計を徹底する
・表面処理(めっき・塗装)の膜厚ばらつきを見込んで、二面幅の実効最大を潰す
・必要なら、工具側を指定(例:特定メーカーのソケットを前提)して「組立保証」を取る
この発想の利点は、二面幅の寸法表そのものを変えなくても、品質トラブルの原因(工具・作業)に直接手が打てる点です。


特に建築現場は、複数業者・複数工具・天候影響(錆・塗装)で条件が暴れやすいので、「二面幅=図面寸法」だけで完結させず、“施工品質の設計”として扱うと結果が安定します。


最後に、二面幅の規格・公差を議論するときのチェックリストを置いておきます。


・対象は六角ボルト/六角ナット/六角穴付きボルトのどれか(同じ“二面幅”でも表が違う)
・系列は小形/並形/大形のどれか(同じ呼び径で二面幅が変わる)
・公差の根拠はJIS B 1021か、個別規格か、相手(工具)基準か
・表面処理で実効寸法が増える前提になっていないか(塗装・めっき)
・検査はノギス寸法保証か、工具嵌合保証か(目的が違う)
(※この先、実際に採用しているボルト・ナットの規格番号や、現場の表面処理条件(溶融亜鉛めっき、塗装種など)が分かれば、「二面幅の公差をどこに置くのが妥当か」を、より施工寄りに具体化できます。)




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