
ノリタケの砥石は、JIS R6001研削砥石用研磨材の粒度規格に完全準拠しています。この規格は研削砥石の品質を保証する国際基準として機能し、粒度の分類から寸法公差まで詳細に定められています。
JIS規格における粒度分類は以下の通りです。
粗目砥石(#36~#80)
中目砥石(#100~#220)
細目砥石(#240~#600)
粒度の測定は光透過沈降法と電気抵抗試験方法の両方で行われ、品質の二重チェック体制が確立されています。これにより、ノリタケ砥石は±1.0μmという高い寸法精度を実現しています。
ノリタケ砥石の粒度選択は、被削材の硬度と要求される表面粗さによって決定されます。特に建築業界では、鉄筋カットや溶接部処理において適切な粒度選択が作業効率に直結します。
アルミナ質砥材(A)の特徴
白アルミナ質砥材(WA)の特徴
炭化けい素質砥材(GC)の特徴
粒度#60のWA砥材を例に取ると、外径150mm、厚み16.0mm、穴径12.70mmの規格で、硬度Kという中程度の結合度を持ちます。この組み合わせは建築現場での鉄筋加工に理想的な性能を発揮します。
ノリタケ砥石の形状規格は、JIS R6001で定められた形状番号に基づいて分類されています。建築業界で最も使用頻度の高い形状について詳しく説明します。
平型砥石(形状1号)の規格
片テーパ形砥石(形状11号)
ストレートカップ形(形状6号)
形状選択において見落とされがちな要素として、砥石の逃げ角設計があります。ノリタケでは独自の逃付き形状を採用し、切削抵抗を20%削減する技術を開発しています。これは他社製品にはない特徴的な優位性です。
寸法公差についても厳格な管理が行われており、外径公差±0.2mm、厚み公差±0.1mmという高精度を実現しています。
ノリタケ砥石の硬度規格は、アルファベット表記(G~Zまで)で示され、結合剤の種類と密接に関連しています。建築業界では特に中硬度(J~N)の砥石が多用されます。
ビトリファイド結合剤(V)の特性
レジノイド結合剤(R)の特性
硬度記号の実際的な選択基準。
硬度記号 | 適用材料 | 作業特性 |
---|---|---|
J~K | 軟鋼・中炭素鋼 | 自生作用活発 |
L~M | 一般構造用鋼 | バランス重視 |
N~O | 硬鋼・工具鋼 | 長寿命重視 |
特に注目すべきは、ノリタケ独自のV81R結合剤システムです。これは従来のビトリファイド結合剤に特殊添加剤を配合し、結合強度を30%向上させた革新的技術です。
最高使用回転数の計算では、砥石周速40m/sを基準とし、外径150mmの場合は5,093rpmが上限となります。安全係数を考慮した実用回転数は4,000rpm程度が推奨されます。
ノリタケ砥石の安全規格は、労働安全衛生法の研削砥石安全基準に完全準拠しています。建築現場での使用において、安全性確保は最優先事項です。
試運転検査の必須項目
使用前点検チェックリスト
ノリタケ独自のセーフティ設計として、砥石外周部に特殊繊維を埋め込み、万一の破損時の飛散防止機能を付加しています。これは業界初の安全技術として特許を取得しています。
周速度制限についても厳格な基準があり、普通速度(45m/s以下)と高速度(45~60m/s)で異なる安全係数が適用されます。建築現場では普通速度での使用が一般的で、より高い安全性が確保されます。
環境配慮型規格の導入
月次安全点検では、砥石の摩耗限界(元径の1/2)到達前の交換が義務付けられており、これにより作業事故の発生率を従来比60%削減することに成功しています。