

水道管の漏水が起きたら、作業より先に「止水」を考えます。止水栓が分からない・固くて回らない・漏水箇所が特定できないときは、住戸全体の元栓を閉めて水の供給を止めるのが応急処置の基本です。元栓を閉めると家全体の水が止まるため不便ですが、被害拡大(床浸水、階下漏水、電気設備への影響)を止める効果が大きいです。
ただし「漏水補修クランプ」は、断水できない・止水できない状況でも止水しながら修復できる用途が想定されています。修理用クランプは、既設水道管の損傷部に取り付けて、断水せずに止水し修復できると説明されています。いわゆる“即交換”が難しいときの現実的な手段ですが、DIYでは安全側に倒し、可能なら止水してから作業する方が失敗しにくいです。
応急処置の現場でよくある落とし穴は、「噴き出しているのにその場で何とかしようとする」ことです。水圧が高いまま手を出すと、工具が滑ったり、ナットを落としたり、視界が悪くなって締付け不良を起こします。まずはバケツ・雑巾・養生(ビニール・シート)で被害を抑え、照明と足場を確保してからクランプ作業に入ってください。
漏水補修クランプ選びで最重要なのは、呼び径よりも「管の外径」です。製品側でも、取付け前にパイプの外径を確認し、正しいサイズのクランプを選ぶよう明記されています。呼び径が同じでも、材質(鋼管・塩ビ・ポリエチレンなど)で外径が異なるケースがあるため、外径を実測するか、規格表と照合するのが安全です。
次に見るべきは「幅(長さ)」です。損傷がピンホールなのか、裂け目・ひびなのかで、必要な覆い代が変わります。修理用クランプのカタログでは幅75/100/150/200/300…のようにバリエーションがあり、損傷範囲に合わせて指示することが前提になっています。DIY目線では、損傷の端から左右に余裕を持って覆える幅を選ぶと、面圧が安定し止水しやすいです。
材質の相性も確認します。修理用クランプの主要部品はSUS304など耐食性を意識した構成が多く、ガスケット(ゴム)が止水性能を担います。水道用途では日本水道協会の認証登録品が流通しており、認証番号が示されている製品もあります。飲料水系に使うなら「水道法基準適合」「JWWA認証」の表記がある製品を優先するのが無難です。
漏水補修クランプの施工で、止水性能を左右するのが「下地づくり」です。取付箇所付近の管を清掃し、泥・錆・油分・凹凸を取り除くことが重要だとされています。ここを雑にすると、ガスケットが均一に密着せず、締めても“にじみ漏れ”が残る原因になります。
一般的な流れは、(1)位置決め→(2)ガスケットを漏水箇所に巻く→(3)クランプ本体をかぶせる→(4)ナットを締める、です。日邦バルブの資料では、設置位置をマーキングしてから、修理箇所の近くにセットして位置までずらすと容易と説明されています。また、ガスケットを本体から取り出して漏水箇所に巻く手順も明記されています。
意外と見落としがちなのが「ガスケット端部の折れ」です。資料では、ガスケット末端が折りたたまれず均一に巻かれるよう注意する旨が示されています。端がヨレると、その部分だけ局所的に面圧が落ち、締付けトルクを上げても止まらないことがあります。
もう一つ、知られているようで実務的に効くのが“滑り”の管理です。前田式リペアクランプの注意事項では、取付け前にガスケット面およびパイプに潤滑剤を塗布すると作業性が良くなるとされています。潤滑剤で位置合わせがスムーズになり、斜め噛みやガスケットの引っ張りを減らしやすくなるため、結果として均一な面圧につながります(ただし過剰塗布で手が滑る危険もあるので、薄くが基本です)。
締付けは「強く締めれば勝ち」ではなく、均一に締めてガスケット面圧を作る作業です。複数ボルトの場合、中央のナットから始めて交互に均一に締め付ける、という考え方が資料に示されています。片側だけ一気に締めると、クランプが片寄ってガスケットが逃げ、漏水箇所が中心から外れて止水しにくくなります。
締付けトルクの目安も把握しておくと、やり過ぎを防げます。日邦バルブの修理用クランプ資料には標準締付けトルク(参考値)が記載され、C型13〜25で20N・m、30〜50で30N・m、SCS13〜50で45N・mなどが示されています。さらにSS型では口径ごとに50〜100N・mや80〜100N・mといった参考値もあり、サイズが上がるほど必要トルクが増える傾向が読み取れます。
締付け後の「増し締め」も手順の一部です。資料には、締付け後に約10分または約30分置いてから増し締めし、漏れがないか確認する、とあります。ゴムは初期圧縮後に馴染みが出るため、時間を置いた再締付けで止水が安定しやすいのがポイントです。
注意点として、修理用クランプは“補強用ではない”と明確に書かれています。止水できても、管が腐食で薄くなっている・強度が担保できない場合は、更新(交換)を勧める旨が資料にあります。DIYで止まったときほど安心しすぎず、後日でも配管更新や専門業者の点検につなげるのが安全です。
検索上位の説明は「付け方」中心になりがちですが、現場で差が出るのは事前準備です。まず、暗い床下・メーターボックス周り・外水栓付近では、作業スペースが狭くナットを落としやすいので、小物入れ(磁石トレーやジップ袋)を準備しておくと復旧が早くなります。日邦バルブのクランプはナット紛失防止キャップを備えるなど、“落下・紛失”がトラブルになりやすい前提で工夫されています。
次に、クランプを「どの向きで当てるか」を先に決めます。漏水箇所がクランプの中心に来るように、そしてボルト位置との関係も考える、という設置の考え方が資料にあります。特に地面近くや壁際では、レンチが回る方向・増し締めのためのクリアランスまで見ておかないと、途中で工具が当たって締め切れません。
さらに意外と効くのが「締め方のリズム」です。交互に少しずつ締めるのは当然として、1回転ずつではなく“1/4回転〜1/2回転”で回数を増やす方が、面圧の偏りが出にくいです。資料でも、トルクレンチまたはスパナを用いて数回に分けて順次トルクを上げる、という締付けの考え方が示されています。
最後に、DIYで割り切る線引きを決めてください。修理用クランプは直管部の漏水を応急的に修理する器具で、継手部分には使用できない、とされています。漏水位置が継手・バルブ・分水栓周りの場合は、クランプで無理に押さえ込むより、止水→部材交換(または業者依頼)へ早めに舵を切った方がトータルで安く、安全に済むことが多いです。
参考:水道用「修理用クランプ」の用途・施工手順・締付けトルクの目安
https://www.nippov.co.jp/pdf/clamps.pdf
参考:クランプ取付け前の外径確認・清掃・潤滑剤塗布など施工上の注意(前田式リペアクランプ)
https://www.mvk.co.jp/katarogu/mvk_panf_repair.pdf

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