

アスファルト面用塗料は「塗る前の清掃と乾燥」で成否がほぼ決まります。路面に砂・泥・ほこり・油などが残ると、塗膜の密着が阻害され、後日そこから剥離が始まるため、除去と乾燥を最優先にしてください。特に水が介在すると付着力が著しく低下しやすく、雨天・雨上がり直後の見切り施工は短期不具合の典型パターンです。
新設アスファルトは「敷設直後ほど危ない」点が盲点です。舗設直後は軽質油成分などの影響で、塗膜が汚れたり付着が安定しないことがあり、2週間以上の交通開放(養生)を取って油分が抜けてから施工する考え方が示されています。転圧時に油を多く使ったケースでは付着が得られにくく、中性洗剤で除去→水洗い→完全乾燥の指示があるため、現場で「油膜っぽさ」「タイヤで黒くのびる汚れ」が出る場合は洗浄工程を組み込むのが安全です。atomix+1
意外に差が出るのが「乾燥の定義」です。表面が乾いて見えても、空隙に水が残っていると後からブリスターや剥離につながるため、降雨後は十分な乾燥期間を確保するという運用が、結果的にやり直し工数を減らします。冬期や夜間は結露も絡むので、温湿度と路面状態(手触り・濡れ色・テープの付き)で判断基準を現場内で統一しておくと品質が安定します。
参考)ハードラインC-500速乾
アスファルト面用塗料で「プライマーを省けるか」は、塗料種別と要求性能で結論が変わります。路面標示材の分野では、プライマー無し施工は剥離原因となるため原則できない、という整理がされており、特に溶融タイプや高耐久を狙う場合は“原則あり”で工程設計するのが無難です。
ただし、製品によっては「アスファルト面および塗り替えは下塗り不要」と明記されているものもあります。これは“既設アスファルト+想定用途(駐車場の区画線など)+製品設計”が噛み合う条件で成り立つ話なので、現場では「新設か既設か」「油分の有無」「旧塗膜の種類(エポキシ・ウレタン等)」を分けて判断してください。旧塗膜の種類によっては塗装できない場合がある、という注意書きもあるため、塗り替え現場ほど試し塗り(密着確認)を先にやる方が安全です。atomsupport-direct+1
また、プライマー周りで地味に厄介なのが「はみ出し汚れ」です。プライマーのはみ出しによるシミ・汚れは効果的な消し方がない、という扱いが示されているため、マスキングや塗布幅管理(必要幅は確保しつつ最小限に)が品質と美観の両面で重要になります。乾燥養生の不足はピンホール等の不具合要因にもなり得るので、乾燥時間を“気温だけで短縮しない”運用が堅実です。
アスファルト面用塗料は、耐久性だけを追うと表面が平滑になりやすく、雨天時にすべりやすいと感じられる場面が出ます。路面標示のすべり抵抗性は湿潤時に40~50BPN程度、アスファルト舗装は40~70BPN程度とされ、一般論として「標示は若干すべりやすく感じることがある」という整理がされています。二輪車は急制動・急ハンドルで影響が出やすい、歩行者は履物によって滑りやすさが変わる、という点も現場の安全配慮として押さえておきたいところです。
すべり抵抗を上げたい場合は、材料側(すべり抵抗性向上品)と仕様側(骨材・散布・表面テクスチャ)の両面で考えます。たとえば、2液エポキシ樹脂バインダー+骨材で防滑性能を出し、骨材把握力と耐久性で抵抗値を維持するタイプのすべり止め舗装材があり、重交通や雨天の安全性を狙う現場では選択肢になります。アスファルトは温度変化で伸縮するため、柔軟性(追従性)がある設計はクラック抑制にも効きやすい、という考え方です。
参考)道路用すべり止め舗装材
「意外と知られていない注意点」として、標示の膜厚をむやみに重ねると逆効果になることがあります。塗り重ね回数が多く膜厚が厚い塗膜は、内部応力の増加などによりクラックや剥離が発生しやすく、そこに水が入ると膨張収縮で剥離が進む、という説明がされています。長寿命化のつもりで厚塗りを続けた結果、割れやすい“硬い板”を路面に作ってしまうケースは現場でも起きがちなので、更新時は「撤去・抹消・再施工」の判断も含めて設計してください。
新設アスファルトでアスファルト面用塗料を施工する場合、2週間以上の養生期間を推奨する資料が複数あります。舗設直後に施工すると軽質油成分などで塗膜が汚れる可能性があるため、交通開放期間を経て油分が消滅してから施工する、という具体的な注意が示されています。結果として、工程を詰めて早期に線を入れるより、仮ラインで運用して“本施工は2週間後”の方が総コストが下がることが少なくありません。
水性系の路面標示用塗料は、低温で塗膜形成が不十分になる可能性や、結露で付着を阻害する恐れがあるため、5℃以下で施工できない理由が説明されています。冬場の現場では、気温だけでなく路面温度・結露・日陰の乾きムラが支配的になるので、「午前は清掃と下地処理、午後に塗装」など時間帯で工程を振り分けると事故が減ります。
環境要件も公共工事では無視できません。水性型の路面標示用塗料はVOC含有率が5%以下であることが、グリーン購入の判断基準として示されています。発注仕様に「低VOC」や「水性」を求められる現場では、塗料選定段階でVOC値と適用範囲(アスファルト/コンクリート、下塗り要否、乾燥時間)をセットで確認しておくと手戻りを防げます。atomix+1
「グリーン購入(路面標示用水性塗料のVOC基準)」の根拠が書かれている参考リンク。
https://www.env.go.jp/content/000042042.pdf
雪寒地域や冬季運用の現場では、融雪剤・凍結防止剤が「見えない剥離要因」になります。融雪剤が路面に残っていると塗料は付着しないため、施工前にクラフトテープを貼って付着状態を確認し、剥がれやすいなら水洗や降雨で除去された後に施工する、という段取りが提案されています。ここで重要なのは“洗ったら終わり”ではなく、十分に乾燥させてから施工する点です。
さらに、溶融系を冬季に施工する場合は「路面温度5℃以上」「凍結防止剤が残存する場合は洗浄で除去」「乾燥後に施工」という条件が示されています。冬場は洗浄→乾燥の確保が難しく、無理に当日完結させるほど付着不良の確率が上がるため、工程を2日に分ける(1日目:洗浄・乾燥、2日目:プライマー・本材)発想が品質に効きます。
最後に安全面です。プライマーは有機溶剤を含み危険物となり得るため火気厳禁で、溶融材施工と同じ場所で同時に扱うと引火リスクがあるため、十分な乾燥養生を取る注意がまとめられています。冬場は「寒い=揮発しにくい=乾かない」になりやすいので、火気管理と換気、乾燥時間の確保を“安全工程”として組み込んでください。

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