

バークランプは長い鋼製バーと2つのあご(ジョー)で材料を挟み込み、ねじやレバーで締め付ける直線クランプの一種で、木工の天板接着など幅のある材料の固定に適している。
FクランプはアルファベットF形状のフレームにスライドするくわえとねじハンドルを備え、仮固定から本締めまで幅広く使えるのに対し、バークランプ(パラレルクランプ)はあごが平行に動く構造のものが多く、面圧を均一に掛けやすいのが特長である。
パイプクランプは専用金具を鋼管にセットして使う構成で、長さをパイプの入れ替えで自由に変えられ高い締め付け力を出しやすいが、バークランプよりあごの平行度管理が難しい場面もあり、精度重視ならバークランプ、長尺・高圧締重視ならパイプクランプと使い分けると効率がよい。
木工のはぎ合わせでバークランプを使う場合、まず作業スペースを片付け、接着する板材を平滑な台上で仮並べし、木表・木裏や木目の向きを揃えておくと、クランプ後の反りやねじれが出にくくなる。
クランプをかける位置は継ぎ目に対し一定間隔で配置し、上から押さえるクランプと下から押し上げるクランプを交互に配置すると、圧締時に板が弓なりに反るのを抑えられるため、最低でも板厚の15〜20倍程度のピッチで配置するのが目安になる。
締め付けは片端から一気に締め込むのではなく、全てのクランプを軽く当ててから順番に少しずつ締め増しし、はみ出す接着剤の筋がどの継ぎ目でも同じくらいになるよう調整すると、過度な局所圧で木材を凹ませたりバーを歪ませたりするトラブルを避けられる。
バークランプには、ねじ式でじっくり締め込むタイプと、レバーやトリガーで素早く仮固定できるクイックバークランプがあり、前者は圧締力と精度を重視する天板接着、後者は段取り替えが多い仮止め用途に向いている。
パイプクランプやFクランプと比べてバークランプはあご幅が広く、フェイスが平行に出ている製品が多いので、扉框や箱物の四方締めなど、面で当てたい作業ではクランプ本体が当て木を兼ねることもでき、当て木の手間を減らせる。
建築現場で持ち運ぶことを想定するなら、本数の多いFクランプと少数の長尺バークランプの組み合わせにしておき、巾木や笠木の現場接着にはFクランプ、造作家具の天板製作やカウンター接ぎにはバークランプ、と役割を明確にしておくと荷物を増やさずに対応範囲を広げられる。
バークランプは締め付けねじやスライド部に木粉や接着剤が固着すると動きが悪くなり、必要以上の力をかけてバーをねじる原因になるため、使用後はブラシやウエスで切粉やボンドを除去し、可動部に軽く潤滑油や整備用ケミカルを塗布しておくとよい。
保管時はクランプを締め切った状態ではなく完全に緩め、スプリングや機構に常時負荷をかけないようにしつつ、湿気の少ない場所にラックやクランプ専用ストッカーを設けて立てて収納すると、曲がりや傷を防ぎつつ整理がしやすい。
長尺のバークランプやパイプクランプを壁面に並べて掛けるクランプラックを自作すれば、床置きで反らせることなく収納でき、荷重を受ける側板をしっかり固定しておくことでラックのたわみも防げるため、建築作業場やガレージ工房の安全性向上にもつながる。
バークランプは木材の圧締だけでなく、バーを仮設のストッパーやガイドとして使う応用も可能で、例えば枠の直角出しの際に、コーナークランプで押さえきれない長辺をバークランプで対角に軽く突っ張っておき、対角寸法を合わせると枠のねじれを抑えやすい。
天板接着ではクランプの締め付け方向に対して直角方向に短いバークランプやFクランプを数本掛け、板の反りを打ち消すように交差させて締める「クランプブリッジ」を作ると、専用プレス機がない現場でも精度の高いフラット面を得やすくなる。
また、パイプクランプやバークランプを脚替わりにして簡易作業台を組む方法もあり、単管クランプで固定するよりも微調整がしやすい場面もあるため、現場の支保工や治具作りの発想を柔らかくしておくと、限られた本数のクランプでも作業の選択肢を増やせる。
木工のクランプ種類と使い分けの基礎解説(バークランプ・Fクランプ・パイプクランプの概要と用途整理に参考)
クランプの種類と選び方 | DIY FACTORY
参考)クランプの種類と選び方