フッ素uvコート溶剤2の特長と施工で使える知識

フッ素uvコート溶剤2の特長と施工で使える知識

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フッ素uvコート溶剤2の特長と施工の正しい知識

希釈率を「だいたいでいい」と思うと、塗膜がわずか2〜3年で剥離して追加補修費が10万円超えになります。


🎯 この記事の3ポイントまとめ
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4フッ化フッ素×ポリシロキサンのハイブリッド

フッ素UVコート溶剤Ⅱは4フッ化フッ素樹脂とポリシロキサンを組み合わせた次世代塗料。耐用年数は20〜23年と、一般的なシリコン塗料の約2倍にのぼります。

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2液タイプは混合比率の厳守が命

主剤と硬化剤の配合を誤ると、塗膜性能がまったく発揮されません。可使時間(ポットライフ)を超えた塗料は即廃棄が原則です。

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下地処理をサボると全てが水の泡

含水率10%以下・pH9以下が施工の絶対条件。高性能塗料ほど、下地の状態がそのまま仕上がりと耐久性に直結します。


フッ素UVコート溶剤2とはどんな塗料か:基本スペックと樹脂の仕組み

フッ素UVコート溶剤Ⅱは、日本塗装名人社が開発した「弱溶剤2液形・4フッ化フッ素樹脂塗料」です。一般的なフッ素塗料との最大の違いは、4フッ化フッ素樹脂(PTFE系)とポリシロキサンをハイブリッド化している点にあります。このシロキサン結合が塗膜表面に親水性を与え、雨水が塗面に広がってセルフクリーニング効果を発揮する仕組みになっています。つまり、雨が降るたびに外壁が自然に洗われる状態を維持できるわけです。


耐用年数は20年〜23年とされており、施工業者による保証年数は10年が一般的です。シリコン塗料の耐用年数が10〜13年程度であることを考えると、フッ素UVコート溶剤Ⅱはその約2倍に相当します。これは1液弱溶剤タイプの「フッソUVコート溶剤(シリーズ初代)」と比べても、さらに強靭な塗膜を形成できるという点で別格の製品です。


価格帯は㎡あたり3,200円〜が目安です。一般的な戸建て(30〜55坪)に施工した場合、外壁塗装費用の合計は77万円〜110万円前後になります。初期費用は確かに高めですが、20年以上メンテナンスが不要になる計算なら、長期コストで見ると経済的です。


塗料の種類 耐用年数の目安 ㎡単価の目安
アクリル塗料 5〜8年 1,000〜1,800円
ウレタン塗料 8〜10年 1,700〜2,500円
シリコン塗料 10〜13年 2,000〜3,000円
フッ素UVコート溶剤Ⅱ 20〜23年 3,200円〜


「高いから敬遠」は短絡的な判断です。30年間に塗り替えが何回必要か、というライフサイクルコストで比較することが専門家として正しい提案の基準になります。



以下は日本塗装名人社が提供するフッ素UVコートシリーズの公式情報として参考になります。施工仕様や塗布量の詳細が確認できます。


次世代フッ素塗料『フッソUVコートシリーズ』の実力と施工仕様まとめ


フッ素UVコート溶剤2の6つの特長:耐候性・低汚染・遮熱を正確に理解する

フッ素UVコート溶剤Ⅱの機能は大きく6つに分類できます。それぞれを現場での判断に活かせる粒度で解説します。


① 耐白亜化性(チョーキング抑制)
宮古島という日本有数の過酷な紫外線環境での実証試験により、ラジカル制御効果が確認されています。チョーキングとは、塗膜が紫外線で劣化して白い粉が吹く現象です。フッ素UVコート溶剤Ⅱはこの劣化反応を分子レベルで抑え、光沢保持率が30%を下回るまで塗替えが不要という基準を大幅にクリアします。


② 付着性・柔軟性(フレキシブル性)
金属下地への優れた付着性を持ち、防食仕様の基準試験である「おもり落下試験」にも合格しています。従来のフッ素塗料は塗膜が硬すぎて下地の収縮についていけずひび割れる、という批判がありました。フッ素UVコート溶剤Ⅱはその点を改善し、耐屈曲性・耐衝撃性を持ちながら柔軟な塗膜を実現しています。これは重要な改善点です。


③ 低汚染性
シロキサン結合による親水性コーティングで、排気ガスや塵による雨筋汚れを防ぎます。撥水コーティングとは真逆の発想で、「汚れを弾く」のではなく「雨で流す」設計です。意外ですね。これを知らないと、撥水タイプとの区別がつかずに誤解が生まれます。


④ 遮熱性
遮熱タイプを選択した場合、塗膜表層温度を従来品比で10〜20℃抑制できます。夏場の屋根表面温度が60℃を超えるケースがある中で、20℃の抑制は建物内部の温度差に直結します。ヒートアイランド対策にも有効で、省エネ性能を訴求したい物件提案に使えるポイントです。


耐候性
促進耐候性試験(XWOM)のデータでは、他社フッ素樹脂塗料と比較して極めて高い耐候性が記録されています。紫外線・雨・風という三重の外的要因に長期間さらされても光沢と色相を維持します。


⑥ 施工対応の幅広さ
一般的な住宅用塗料が下塗り・中塗り・上塗りの3コート仕様であるのに対し、フッ素UVコートシリーズは2コートオールインワンプロセスに対応したラインナップが存在します。窯業系・金属系・モルタル系と下地の種類に応じた施工仕様が用意されているため、住宅塗装のほぼすべての下地に対応できます。


これだけ機能があるということです。建築従事者として顧客に説明できる引き出しを増やしておくことが、信頼獲得につながります。


フッ素UVコート溶剤2の施工仕様:希釈率・塗装間隔・可使時間の正確な数値

施工品質を左右するのは、塗料の性能だけでなく施工数値の遵守です。ここが手を抜かれやすい部分でもあります。


外壁・窯業系標準仕様(塗替え)の基本数値


工程 材料名 塗回数 塗布量(kg/㎡/回) 希釈剤 塗装間隔(20℃)
下塗 UVアンダーコートSi(共色) 1回 0.15〜0.18 塗料用シンナーA 0〜10% 4時間以上〜7日以内
上塗 フッソUVコート溶剤Ⅱ 2回 0.15〜0.18 塗料用シンナーA 0〜20% 4時間以上〜7日以内(最終養生24時間以上)


上塗りの希釈率は「0〜20%」という幅があります。ただし、希釈しすぎると隠蔽力不足・仕上がり不良の原因になる、と仕様書に明記されています。現場では「最大20%まで」という認識を持ちながら、実際には10%以下に抑えることが多いです。薄めすぎはNGが基本です。


2液タイプにおける可使時間(ポットライフ
フッ素UVコート溶剤Ⅱには下塗材として弱溶剤2液形シリコンプライマー「UVアンダーコートSi」を使う工程があります。この2液材の可使時間は、季節によって以下のように変わります。


- 🌞 夏季(高温期):2時間以内
- 🍁 春秋季:4時間以内
- ❄️ 冬季:6時間以内


可使時間を超えた混合液はそのまま廃棄してください。硬化が始まった塗料を使い続けると、塗膜不良・剥離・密着低下の原因となります。


塗り重ね禁止ゾーン
フッ素UVコート溶剤Ⅱは、つや調整タイプについてシーリング目地上への塗装が明示的に禁止されています。つや調整品は塗膜が硬化する際に収縮が大きく、シーリング目地の伸縮を吸収できずに割れが生じるリスクがあるためです。「どうせ上から塗るから大丈夫」という判断は禁物です。


また、光触媒コーティングが施された面へのクリヤー塗装も、塗膜剥離の原因として明示的に禁止されています。光触媒の分解作用が塗膜を内側から破壊するためです。既存の表面処理の確認を必ず施工前に行うことが条件です。



塗装間隔・希釈率などの詳細施工仕様についての公式ページは以下で確認できます。


フッ素UVコート溶剤Ⅱ 6つの特長と施工仕様表(千葉・塗り守り協伸)


フッ素UVコート溶剤2の下地処理:含水率・旧塗膜・素材別の注意点

どんなに高性能な塗料を使っても、下地処理が不十分なら数年で剥離します。フッ素UVコート溶剤Ⅱの施工仕様書には、細かい条件が数多く記載されています。これを読み込んでいるかどうかが、職人の実力差に直結します。


素地乾燥の絶対条件
施工仕様書が明記している数値は「含水率10%以下、pH9以下」です。新築や雨の翌日の外壁は、この基準を超えている場合があります。含水率計を使った実測が本来は必要です。感覚頼りの判断は危険です。


旧塗膜の種類によるリスク
特に注意が必要なのは、旧塗膜が「弾性リシン弾性スタッコ・複層弾性アクリルトップ」などの弾性塗料である場合です。ALC・軽量モルタル・窯業系サイディングのような蓄熱しやすい素材で、断熱構造が強い建物では、水や温度の影響で塗膜が膨れるリスクがあります。そのまま上塗りすると膨れがさらに拡大します。仕様書の言葉を借りれば「ケレンで除去するなどの入念な下地処理」が必要です。


素地の種類別の対応方針


| 素地の種類 | 推奨される対応 |
|---|---|
| 窯業系サイディング(劣化進行) | UVアンダーコートSiを増し塗りして下地補強 |
| モルタル(脆弱化) | UVマイクロカチオンを増し塗り |
| 金属面(著しい発錆・エッジ部) | マルチプライマーエポⅠを増し塗り |
| 新設・押出成形セメント板・GRC板 | 浸透性シーラーで前処理 |
| ALC・多孔質下地 | 合成樹脂エマルション入りセメント系材で巣穴処理 |


巣穴・段差・目違い・コールドジョイントは、すべて塗料を塗る前に合成樹脂エマルション入りセメントモルタルで平滑にすることが条件です。これらを放置したまま塗装しても、あとでクレームになるだけです。


チョーキング・藻・カビの除去は必須
チョーキング部分と藻・カビは、高圧洗浄または薬剤洗浄で完全に除去することが求められます。付着阻害を起こす可能性があるためです。「洗ったつもり」では不十分で、乾燥後の再確認まで含めて下地処理の一部として捉えるべきです。


旧塗膜に発生した藻・カビを残したまま塗装すると、短期間で塗膜がふくれ、剥離に至るケースが報告されています。高性能塗料ほど付着能力が高いので、その分、下地に異物があった場合の影響も大きくなります。これが原則です。


フッ素UVコート溶剤2を外壁以外に使う独自視点:屋根・破風板・軒天への展開可能性

フッ素UVコート溶剤Ⅱと聞くと、多くの建築従事者は「外壁の上塗り材」としてのみイメージします。しかし同シリーズは外壁以外の部位でも展開できる設計になっており、この視点を持つことで提案の幅が広がります。


屋根への応用:フッソUVコートルーフ
同シリーズには屋根専用の「フッソUVコートルーフ(および遮熱タイプ)」があります。新生瓦・ストレート屋根・鋼板・トタン・鉄部に対応した1液弱溶剤形で、鏡面に近い光沢仕上がりが特徴です。屋根は紫外線と温度変化の影響が外壁の数倍になるため、耐久性の高い塗料を選ぶことの費用対効果が特に高い部位です。屋根こそ高性能塗料が活きます。


遮熱タイプを選ぶと、夏季の屋根表面温度を10〜20℃抑制できます。屋根の表面温度は真夏に60〜70℃に達することがあるため、20℃の抑制は室内環境に大きく影響します。冷房負荷の軽減につながり、光熱費削減という具体的な数字を顧客に示せます。


破風板・軒天への活用
外壁塗装の現場では、破風板・軒天・雨樋・幕板などの「付帯部」に何を使うかで仕上がりの統一感と耐久性が変わります。フッ素UVコート溶剤Ⅱは金属下地への付着性が高く、破風板のような鉄部・金属系素材にも適用できます。破風板は雨水を最も多く受ける部位の一つで、耐候性の低い塗料を使うと5年程度で再塗装が必要になることがあります。


軒天については、透湿性の高い塗料の使用が求められます。フッ素UVコート溶剤Ⅱシリーズは透湿性への配慮が仕様書に含まれており、屋根裏の湿気を逃す通気口の役割を兼ねる軒天への対応が可能です。これは使えそうです。


施工記録の保存が補修時の鍵
フッ素UVコート溶剤Ⅱの施工仕様書には、「補修塗りが必要な場合は、同一ロット・同一塗装方法で行うこと」という記載があります。つまり、使用塗料の控えを必ず取っておくことが推奨されています。色番号・ロット番号・使用量を施工台帳に記録しておくことで、数年後の補修対応が格段にスムーズになります。高性能塗料ほど管理が重要です。施工後の記録管理まで含めて、完結した仕事になります。



破風板へのフッ素UVコート溶剤の実際の施工事例は以下で紹介されています。現場の参考に活用できます。


破風板へのフッ素UVコート溶剤施工事例(つくばみらい市・土浦の塗装屋)


フッ素UVコート溶剤2の施工環境と安全衛生:見落としやすい条件と健康リスク

施工品質を守るためには、塗料の性能だけでなく施工環境の管理が不可欠です。フッ素UVコート溶剤Ⅱの施工仕様書には、環境条件に関する具体的な数値が明記されています。見落とすと施工不良に直結する項目ばかりです。


塗装不可の環境条件
以下の条件下での塗装は、仕様書で明示的に避けるよう指示されています。


- ❌ 気温5℃以下(塗膜硬化が不十分になる)
- ❌ 湿度85%以上(白化・シミが残る可能性)
- ❌ 換気不十分・結露が考えられる環境
- ❌ 降雨の恐れがある場合・強風時
- ❌ たえず結露が発生するような場所での使用


特に問題になりやすいのが「塗装後24時間以内の降雨・結露」です。この場合、塗膜の白化やシミが残る可能性があります。また低温・高湿度・無風という悪条件が重なると、塗膜に粘着感が生じることがありますが、これは時間経過で解消されるため塗膜性能上の問題はありません。現場での判断に役立てられます。


弱溶剤系特有の健康リスク
弱溶剤形塗料は、強溶剤と比較して臭気や引火性は低いものの、有機溶剤を含むため呼吸器への影響があります。施工中は防毒マスク(有機溶剤用)の着用と十分な換気が必要です。蒸気・ガスを吸入して気分が悪くなった場合は、安静にし必要に応じて医師の診断を受けることが仕様書に明記されています。


また、塗料缶の廃棄は国・地方自治体の規則に従い、産業廃棄物として正しく処理する必要があります。容器を誤って一般廃棄物として捨てると廃棄物処理法に抵触するリスクがあります。健康と法令の両面で確認が必要です。


乾燥した塗膜の汚れ除去は中性洗剤で
施工後に塗膜に汚れがついた場合、シンナーで拭くことは禁止されています。塗膜が溶剤に侵されるためです。中性洗剤を使って洗浄することが正しい対応です。これは顧客への引き渡し時の説明事項としても重要で、「塗膜の汚れはシンナーで拭かないでください」という一言があるかどうかで、アフターサービスの品質が変わります。


色相と艶のチェック:見本版必須
つや調整品については、被塗物の形状・素地状態・膜厚・色相によって実際の艶と見本が異なって見える場合があります。そのため、見本板またはあらかじめ試し塗りで確認することが推奨されています。完成後の色味・艶のクレームは、この事前確認ステップを省略していることで発生するケースが多いです。試し塗りは必須です。施主への丁寧な説明と合わせることで、クレームリスクを大幅に下げられます。