発泡ウレタン注入材の施工と止水と補修

発泡ウレタン注入材の施工と止水と補修

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発泡ウレタン注入材と施工

発泡ウレタン注入材:現場で迷わない要点
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用途を先に決める

「空洞充填」「止水」「沈下修正」で材料と注入管理が変わる。目的が曖昧だと再注入・再漏水の原因になる。

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施工フローを固定する

削孔→注入プレート/注入管→注入→プラグで完了、という基本手順を崩さない。段取りの乱れが材料ロスと品質ムラを招く。

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安全はSDS起点

主成分(ポリイソシアネート等)を前提に保護具・換気・廃棄を設計する。吸入・皮膚曝露の管理不足は施工後のトラブルにも直結。

発泡ウレタン注入材の用途と空洞充填


発泡ウレタン注入材は、液状で注入してから発泡・硬化させ、覆工背面などの空洞を軽量に充填する目的で使われます。トンネル補修の例では、覆工コンクリート背面の空洞に注入して損傷リスクを下げる補修技術として整理されており、維持管理の文脈で採用されやすいのが特徴です。
材料面では「高倍率発泡で超軽量」という性格が強く、例えばアキレスのTn-p工法の説明では、最大40倍発泡・密度30kg/㎥(配合による)などの物性が示され、覆工への荷重負荷を抑える充填材として位置づけられています。空洞充填は“埋めること”自体が目的なので、止水や接着のように「クラックに沿って樹脂を走らせる」発想ではなく、「空洞の端から順に充填し、閉じ込め空気や水の逃げを読む」発想が重要です。
現場で見落とされがちなのが、空洞の形状・連通性です。空洞が複数連通していると、当初の想定より材料が回り込み、注入量が跳ねたり、逆に局所だけが先に閉塞して“奥が未充填”になったりします。空洞充填で「打音が改善したからOK」と早合点すると、後で沈下や空洞再発が疑われる場面が出るため、注入量・注入順・充填確認の考え方を最初に決めておくと手戻りを減らせます。


参考:トンネル覆工背面の空洞に注入する目的、ノンフロン発泡、設備がコンパクト等(工法の概要とメリット)
https://www.achilles.jp/product/construction/civil-work/tn-p-method/

発泡ウレタン注入材の施工手順と削孔と注入管

施工の骨格はシンプルで、(1)注入孔位置のマーキング→(2)注入孔の削孔→(3)注入プレートと注入管の設置→(4)注入→(5)注入プレートにプラグ留め、という流れに整理できます。これはTn-p工法の製品ページでも工程として明示されており、工程そのものを固定しておくと品質のばらつきが出にくくなります。
削孔については「とにかく多く開ける」よりも、目的に沿った配置が優先です。空洞充填なら“流動と発泡の広がり”を前提に端部から充填する段取りが効き、止水やクラック注入なら「クラックと交差させる角度・位置」が支配的になります(同じ注入でも設計思想が違う)。
注入管やプレート周りのトラブルは、実は“材料”より“固定と漏れ”が原因になりがちです。注入時に圧が上がると、管の抜け・座金の浮き・周囲からのリークで材料を失い、結果的に「必要箇所に届いていない」状態を作ります。Tn-p工法の説明でも、注入プレートをアンカー固定して急な圧力上昇による抜け出しを防ぐ趣旨が述べられており、地味ですが品質を左右するポイントです。


発泡ウレタン注入材の注入量と注入圧力の管理

注入管理で最低限押さえるのは、「注入量」と「注入圧力」を“結果として記録できる状態”にすることです。管理が曖昧だと、未充填なのか、リークで失ったのか、連通して想定外に回ったのか、原因切り分けができません。
土間や床下の沈下修正系のウレタン注入工法では、影響範囲を考慮した注入間隔(例:1m間隔)を置かないと、見た目は直っても床下に空隙が残り再沈下のリスクが上がる、という注意喚起がされています。つまり「入れた量」だけでなく「入れた場所の密度(間隔)」も管理対象になります。
空洞充填でも同様で、注入量が小さいと未充填が残り、逆に入れ過ぎれば想定外の圧力上昇・材料ロス・周辺への影響が出ます。発泡ウレタンは硬化が早い材料もあり、例えばTn-p工法の説明では約1分で固化する旨が示されていますが、固化が早いほど「注入のテンポ」「途中停止の判断」「次の注入口へ移る条件」を決めておかないと、局所閉塞→未充填のパターンに入りやすくなります。


現場メモとしては、少なくとも「注入口ごとの注入開始/終了時刻」「ドラム消費量」「圧の挙動(急上昇/安定/急低下)」「漏れの有無」は、後日の説明責任にも効くので残しておくのが得策です。


発泡ウレタン注入材の止水とクラックと漏水

止水でのウレタン注入は、空洞充填と違って「水みちを止める」「クラックや打継ぎに樹脂を走らせる」ことが目的になります。止水材には、水と反応して発泡するタイプや、2液反応で硬化するタイプなどがあり、漏水の有無に依存しにくい2液ウレタンで防水層を形成する考え方も製品説明として提示されています。
一方で、発泡ウレタンを“止水だけ”に使う場合の注意点もはっきりしています。例えばカスター社の解説では、発泡ウレタンは耐久性が乏しく単体使用を避け、止水後にソリッドウレタンを併用して密度・耐久性を高める、といった運用が説明されています。止水は「止まったように見える」が最も危険で、一次止水と二次補修(恒久化)を工程として分けて設計すると、再漏水の説明がしやすくなります。
また、漏水がある現場では注入材が流亡しやすく、セメント系グラウトでは固化前に流される懸念があるため、早期固化できる発泡ウレタン系が有利になるケースがあることも、Tn-p工法の活用事例として示されています。止水か空洞充填かで迷う場面では、「水圧・流水の有無」「止めたいのが“水”か“空隙”か」を先に分け、仕様を選ぶのが結局早いです。


参考:止水用ウレタン(発泡/ソリッド)と耐久性の注意、止水後の併用の考え方
https://koster-japan.com/product/kp2kp2in1kp1/index.html

発泡ウレタン注入材の独自視点:材料ロスと環境と安全

検索上位の記事では施工手順やメリットが先に出やすい一方、現場で“静かに効いてくる損失”として、材料ロス(リーク・回り込み・過剰発泡)と安全対応の不備があります。特に発泡ウレタン系では、主成分としてポリイソシアネートが関係する配合が一般的で、実際にTn-p工法の物性表でもI液主成分がポリイソシアネートと明記されています。ここを把握せずに、換気・保護具・皮膚曝露対策を「においが少ないから」と軽く見ると、作業者の体調問題や現場停止のリスクに直結します。
意外と盲点なのが、“硬化後”ではなく“施工中”のリスク管理です。搬入はドラム缶・液状で、設備がコンパクトという利点がある一方、混合・注入時に曝露が起きやすいのもこの工程です(段取りが良いほど作業が速く、逆に保護具が雑になりがち)。Tn-p工法の説明ではノンフロン発泡や水質影響を試験確認済みといった環境配慮も示されているため、施主や元請へ説明する際は「軽量で早い」だけでなく「環境負荷・周辺影響の説明ができる」ことが強みになります。


参考:I液/R液の主成分(ポリイソシアネート/ポリオール)、ノンフロン、水質影響試験など(材料説明と環境面)
https://www.achilles.jp/product/construction/civil-work/tn-p-method/


発泡スチロール用溶剤レス接着剤基礎と施工ポイント

発泡スチロール用溶剤レス接着剤の概要
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建築現場での安全な選定

EPSを溶かさない無溶剤タイプの特徴と、既存の溶剤系接着剤との違いを整理し、安全かつ長期耐久性を確保する選定の勘所を解説します。

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EPS工法での実務ノウハウ

土木・建築分野でのEPS工法における発泡スチロール用溶剤レス接着剤の使い分けや、下地条件別の施工手順を具体的に整理します。

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意外なリスクと独自視点の工夫

発泡スチロールの気密性による“接着剤が乾かない”トラブルや、現場でできる簡易テスト・仮固定の工夫など、検索上位に出にくい現場目線の知見を紹介します。

発泡スチロール用溶剤レス接着剤の基礎知識とEPS工法での位置づけ

建築現場で扱う発泡スチロールの多くは、EPS(発泡ポリスチレン断熱材や軽量盛土ブロックとして使用されており、その接合部に用いる接着剤の選定は構造安全性と仕上がりの両面に影響します。 発泡スチロールは有機溶剤に弱く、一般的な溶剤系接着剤や瞬間接着剤では母材が溶けてしまうため、溶剤レスまたは発泡スチロールを侵さない専用配合の接着剤が推奨されています。
EPS工法では、ブロック同士の接合は「構造的な一体化」よりも「位置決めとズレ止め」の役割が強く、接着剤はあくまで補助的な固定材として扱われます。 そのため、無溶剤タイプの発泡スチロール用接着剤に加えて、現場条件に応じてセメントモルタル系・変成シリコン系・ウレタン系など、EPSに適合する複数種の接着剤を使い分ける設計が行われています。onisikasei+2​
一般住宅の断熱リフォームでも、EPSボードを既存モルタル壁や木下地に直貼りするケースが増えており、F☆☆☆☆適合の無溶剤接着剤を選ぶことで、居住者のVOC暴露低減や長期的な室内空気質の確保にもつながります。 一方で、ラッカー薄め液やトルエンを含む接着剤を誤って用いると、断熱材が局所的に溶融・痩せてしまい、断熱欠損や仕上げ材のひび割れを招く事例も報告されています。my-best+3​

発泡スチロール用溶剤レス接着剤の種類と建築用途別の使い分け

発泡スチロール用溶剤レス接着剤として現場でよく採用されるのは、水系(エマルション)系、エポキシ樹脂系無溶剤タイプ、変成シリコン系、ウレタン系、ホットメルト系などで、それぞれ硬化メカニズムと適用部位が異なります。 水系接着剤は酢酸ビニル樹脂系やアクリル樹脂系のエマルションが中心で、内装のEPSボードやスチレンボードと紙・木下地を接着する用途で多く使われています。
エポキシ樹脂系無溶剤タイプは、石材やタイルをEPS下地上に点付けで施工するような高負荷部位で採用されることがあり、2液を混合して化学反応により硬化するため、溶剤を揮発させる必要がないのが特徴です。 変成シリコン系やウレタン系の無溶剤接着剤は、屋外の軽量外装パネルや断熱ボードの接着に用いられ、ある程度の凹凸や目違いを吸収できる充填接着性と、耐水・耐候性のバランスに優れています。monotaro+4​
一方、再生ゴム系やSBR系でも発泡スチロールに可とされる製品は存在しますが、有機溶剤を含むタイプも多いため、「無溶剤形」や「発泡ポリスチレンボードを溶かさない」と明記された仕様を必ず確認することが重要です。 モノタロウなどのカタログでは、発泡ポリスチレンボード用として無溶剤タイプ・F★★★★適合・一液型・オープンタイム不要などの特徴をうたう製品もあり、軽量パネル固定や床暖房パネルの固定に応用されるケースも増えています。monotaro+1​

発泡スチロール用溶剤レス接着剤の施工手順と失敗しやすいポイント

発泡スチロール用溶剤レス接着剤を扱う際の基本は、下地の清掃・乾燥・不陸調整を徹底し、EPS側には必要最小限の塗布量で「点付け」あるいは「帯状塗布」を行うことです。 発泡スチロールは断熱性と気密性が高いため、面全体に厚塗りすると、内部に閉じ込められた水分や溶剤が抜けず、いつまでもヌルヌルしたまま硬化しないという現場トラブルが少なくありません。
具体的には、水系接着剤の場合、下地側をやや多め、EPS側は控えめに塗布し、圧着時に接着剤が均一に広がる程度を目安とします。 無溶剤エポキシやウレタン系では、メーカーが指定する混合比や可使時間(例:23℃で30分以内など)を厳守し、混合後は一度に広範囲に塗り広げず、ブロック数枚分ずつ段階的に施工した方が不良を防ぎやすくなります。tilement+3​
失敗例として多いのは、既存塗膜や剥がれかけたモルタルの上からそのまま貼り付けてしまい、後日、下地ごと剥離するケースです。 また、EPSを現場切断した際の粉塵を十分に払わず、そのまま接着すると、粉が「離型剤」のように働いて接着力を大きく低下させるため、ハケやブラシでの清掃だけでなく、エアブローや掃除機での吸引を併用することが推奨されます。koeido+3​

発泡スチロール用溶剤レス接着剤と安全・環境配慮(VOC・F☆☆☆☆・作業者保護)

建築用接着剤には、室内空気中のホルムアルデヒド放散量に関するJIS・JAS規格があり、F☆☆☆☆表示の製品であれば原則として使用面積の制限なく内装に用いることができます。 発泡スチロール用溶剤レス接着剤でも、水系エマルション型や一部の無溶剤ウレタン・エポキシ系でF☆☆☆☆適合をうたう製品があり、断熱リフォームや学校・病院などの用途で選定されることが増えています。
有機溶剤中毒予防規則の対象となるキシレン・トルエンなどを含まない無溶剤タイプであっても、エポキシ樹脂やイソシアネート系硬化剤は皮膚感作性やアレルギー性を持つ場合があり、手袋・保護メガネ・換気の確保は必須です。 さらに、発泡スチロール自体が燃焼時に黒煙や有毒ガスを発生させる可能性があるため、防火区画避難経路周りでは、接着剤だけでなくEPSの不燃化処理や被覆材との組み合わせ仕様を確認することが重要です。tilelife+3​
近年は、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から、発泡スチロールを含む建材の解体・リサイクル時に接着剤が分別を難しくすることも課題視されています。 無溶剤であっても極端に高い接着強度を求めず、必要に応じて「解体しやすさ」も織り込んだ仕様とすることで、将来の改修コストや産業廃棄物処理コストを抑えやすくなります。acebond+2​

発泡スチロール用溶剤レス接着剤の現場テストと独自工夫(建築従事者ならではの一手間)

検索上位の情報では「発泡スチロールが溶けない接着剤を選ぶこと」が繰り返し強調されていますが、実務では同じ製品でもロット差や温湿度条件により挙動が微妙に変わるため、現場での簡易テストが非常に有効です。 小片のEPS端材に接着剤を部分的に塗布し、24時間置いて溶け・膨れ・収縮の有無を確認するだけで、後戻りできない全面施工のリスクを大きく減らせます。
また、EPSブロックを縦面に施工する際、接着剤だけでは初期タックが不足する場合があるため、ビス+大径ワッシャーによる仮固定や、木桟・つっかえ棒を併用して養生期間をしっかり確保する工夫も有効です。 とくに無溶剤エポキシやウレタン系は、冬季の低温下で硬化が極端に遅くなることがあるため、施工計画段階で養生時間を見込んだ工程組みと、可能であれば材料と下地の予熱も検討すると品質が安定します。tilement+3​
意外なポイントとして、EPS表面の「光沢層」を軽く削るだけで接着力が向上するケースがあります。 ブロック成形時にできる平滑なスキン層は、一見きれいですが接着剤が食いつきにくいため、サンドペーパーで軽く目荒らしすると、溶剤レス接着剤でもより安定した付着強度を得やすくなります。cemedine+2​
発泡スチロールの接着剤選定と施工ポイントの整理に役立つ基礎知識と注意事項が解説されています。


セメダイン「素材や部位による接着剤選びのポイント」
EPSに適した接着剤の種類と、使用可・不可の目安が一覧でまとめられています。


オーニシカゼイ「EPSに使用できる接着剤について」
発泡スチロール用接着剤の製品例や、無溶剤・F☆☆☆☆など仕様確認のポイントを把握するのに有用です。


モノタロウ「発泡スチロール 接着剤 特集」




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