ケーブル貫通部用シーリング材と防火区画と大臣認定工法

ケーブル貫通部用シーリング材と防火区画と大臣認定工法

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ケーブル貫通部用シーリング材と防火区画

ケーブル貫通部用シーリング材の要点
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最優先は防火区画の維持

貫通部は延焼の弱点。大臣認定工法や不燃材料の条件を満たす設計・施工が前提です。

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JIS A 5758は「適合」でも十分条件ではない

JISは主に水密・気密の性能規格。区画貫通の耐火性能は認定工法の範囲で確認します。

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材料より「組合せ」と「厚み・納まり」

耐火パテ、耐火材、耐火仕切板、シーリング材の役割分担と、付帯条件の遵守が品質を決めます。

ケーブル貫通部用シーリング材の防火区画と防火措置の基本

防火区画を貫通するケーブルの周りは、火災時に炎・熱・煙が抜けやすい「弱点」になりやすく、区画の性能を損なわない防火措置が重要です。
建築基準法施行令の枠組みでは、貫通部のすき間を不燃材料で埋めること等が基本思想になっており、ケーブル貫通部も同様に「区画を維持する」観点で設計・施工を組み立てます。
また、必要な防火性能を満たしていることを示す代表的な手段として、国土交通大臣認定工法(区画貫通)が整理されており、現場では「どの工法の、どの適用範囲か」を先に確定するのが安全です。
現場で混同しやすいポイントとして、「防火」と「防水・気密」を同じコーキングで全部まとめて解決しようとする判断があります。


防火区画貫通は“耐火性能の実証”が求められる領域で、単に目地材として優秀でも、認定工法の構成や付帯条件から外れると適合説明が難しくなります。mlit+1​
特に改修・増設工事では、既存の貫通処理の上に別材料を重ねるだけで済ませがちですが、認定の前提(開口寸法、壁床仕様、貫通物条件など)が崩れていないか確認が必要です。sekisui+1​
参考:防火区画貫通部の考え方(防火区画・防火措置・必要性能の説明)
ケーブル貫通部の防火対策|国土交通大臣認定工法(CFAJ)

ケーブル貫通部用シーリング材の大臣認定工法とPS060WLの見方

大臣認定工法の認定番号(例:PS060WL、PS060FLなど)は、工法の適用範囲や前提条件を読み解く“入口”です。
FAQ等で整理されている説明では、PSは準耐火構造の防火区画を貫通する管に関する略、060は60分、WLは壁、FLは床を意味するとされています。
つまり「PS060WLだからOK」ではなく、60分の壁の条件で、指定された壁仕様・開口・貫通物・材料構成で成立する、という読み方になります。
実務で効くチェックは次の3点です。


この読み替えを現場で徹底すると、材料の「名前買い」や「とりあえず耐火っぽい材料」を避けられ、設計変更や検査指摘のリスクが減ります。


また、特定共同住宅等では消防庁告示による制限が絡む場合がある、という指摘もあり、用途・区画種別を先に確認してから工法選定する姿勢が有効です。


参考)よくあるご質問

参考:PS番号の意味(WL/FL、060などの読み方)
貫通部防火措置材タフロック FAQ(PS060WL等の説明)

ケーブル貫通部用シーリング材とJIS A 5758とシリコーンの関係

JIS A 5758は、建築用シーリング材として水密性気密性確保のために目地へ充填し、硬化後に部材へ接着する材料を対象にした規格、と整理されています。
つまり、JIS A 5758に「適合」していても、それだけで区画貫通部の耐火性能(大臣認定工法の成立)を保証する規格ではない、という切り分けが重要です。
一方で、区画貫通部材のカタログ等では、シーリング材としてシリコーン系(JIS A 5758)を使用するよう注意書きがある例もあり、「認定工法の構成部材としての指定」に従う意味でJIS適合の位置付けが出てきます。
現場でよくある誤りは、耐火パテ等の“耐火材”と、躯体接触部の“シーリング材”の役割を逆転させてしまうことです。


たとえば貫通処理の体系では、耐火パテ(耐熱シール材)や耐火仕切板などで延焼阻止の中核を作り、取り合い・端部・表面処理としてシーリング材を使う、という役割分担で説明される資料があります。furukawa-ftm+1​
このとき、シーリング材は「隙間を埋める」だけでなく、施工後の微小な動きへの追随や、端部の欠け・隙の発生を抑える狙いがあり、結果として“区画の弱点を作らない”方向に効きます。inuico+1​
参考:JIS A 5758の対象(規格の趣旨・適用範囲)
JIS A 5758:2016 建築用シーリング材(規格要旨)

ケーブル貫通部用シーリング材の施工と充填材と耐熱シール材の使い分け

区画貫通の現場では、耐火パテ等の耐熱シール材、耐火仕切板、不燃材料、シーリング材を“セット”で捉えるとミスが減ります。
メーカー施工資料の例では、電線管と開口部の隙間を不燃材料で埋め戻し、両端部に耐熱シール材等を一定厚みで充填する、といった「施工条件」が明示されています。
同じ資料内でも、使用可能な工法(国土交通大臣認定工法)番号が併記されており、施工要領と認定の整合をセットで確認することができます。
施工品質を安定させる実務ポイントを、作業前・作業中・作業後で整理します。


  • 作業前:貫通部の壁床仕様(中空壁、コンクリート、ALC等)と、認定の適用範囲を照合する。sekisui+1​
  • 作業中:充填厚み・充填位置(両端か片側か)・補助金具の有無など、付帯条件どおりに施工する。​
  • 作業後:写真記録では「開口寸法」「施工層の見え方」「材料銘柄やロット」が分かる撮り方を意識し、後日の説明責任に備える。mlit+1​

意外に効く小技として、改修でケーブルが追加される前提の場所ほど「余裕のある工法」を選びたくなりますが、開口面積や充填厚みの制限に対して、増線で充填率(断面積割合)が上がると適用外になりやすい点に注意が必要です。fiblock+1​
また、別資料では「モルタルで埋め戻さない」旨の注意書きがある例もあり、従来の習慣施工が認定条件と衝突するケースがあるため、材料指定の一文を軽視しないことが重要です。


参考)http://inuico.com/hp/maker/sekisui/pdf/pipe/fibrock_catalog.pdf

参考:耐火パテ等の施工条件(厚み・充填箇所・工法番号の扱い)
防火区画貫通部におけるパテの使用方法(施工条件・認定工法例)

ケーブル貫通部用シーリング材の独自視点:検査と更新と「後施工の落とし穴」

検索上位の多くは「材料の紹介」「認定工法の説明」「施工方法」に寄りがちですが、現場で本当に揉めるのは“後施工(増設・更新)”です。
大臣認定工法は、壁床仕様・開口寸法・貫通物・材料構成の条件が揃って成立するため、増設でケーブルラック化したり、開口を広げたり、別業者が異なる充填材を継ぎ足すと、当初の認定の前提から外れるリスクがあります。
さらに、工法の適用範囲は中空壁やコンクリート壁などで分かれており、同じ材料名でも「使える壁が違う」ことがあるため、更新時に“材料を合わせたのに不適合”が起こり得ます。
この問題に効く、現場運用の提案です。


  • 🏷️ 貫通部ごとに「認定番号」「壁床仕様」「施工日」「施工者」「使用材料」を台帳化し、写真とセットで保管する(点検や改修のたびに参照)。mlit+1​
  • 🧭 増設予定の多いEPS・シャフトは、将来の増線で適用外にならないよう、開口・ラック・充填方式を早期に標準化しておく。fiblock+1​
  • 🧩 追加配線時は“既存充填材を部分撤去→所定の構成で再施工”が必要になる場合があるため、最初から短工期だけを最適化しない(後で二重手間になりやすい)。​

最後に、電気設備工事では防火区画貫通部の耐火処理が工程上の確認項目として扱われる資料もあり、施工の「やった・やってない」を工程管理に組み込むと抜け漏れを抑えられます。


参考)https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001888825.pdf

ケーブル貫通部用シーリング材は“便利な充填材”ではなく、区画の成立を裏で支える部材として、認定工法・施工条件・更新運用まで含めて設計するのが、現場トラブルを最小化する近道です。toughlock.negurosu+1​