基礎型枠寸法一覧|パネルサイズ工法別施工ガイド

基礎型枠寸法一覧|パネルサイズ工法別施工ガイド

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基礎型枠寸法一覧

基礎型枠寸法の基本知識
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標準パネル寸法

二六版600×1800、三六版900×1800が基本規格

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材料別特性

木製・鋼製・プラスチック製それぞれの寸法精度と用途

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コスト効率

寸法選択による材料費・工期・品質への影響

基礎型枠パネル標準寸法規格

基礎型枠パネルの標準寸法は、建築業界で長年使用されている尺貫法の影響を受けています。最も一般的なサイズは「二六版」と呼ばれる600×1800mmと、「三六版」と呼ばれる900×1800mmです。

 

主要パネル寸法一覧:

  • 二六版:600×1800mm(最も汎用的)
  • 三六版:900×1800mm(大型構造物向け)
  • 四尺版:1200×1800mm(特殊用途)

尺貫法での計算では、一尺が約303mmとなり、二六版は二尺×六尺で606×1818mmが正確な数値ですが、実用上は600×1800mmで規格化されています。この規格統一により、現場での作業効率と部材の互換性が確保されています。

 

伸縮用パネルシステムでは、寸法調整が可能な製品も提供されています。例えば。

  • 602型:1,580〜1,830mm調整可能
  • 600-②型:1,818〜2,064mm調整可能
  • 300-②型:909〜1,154mm調整可能

これらの調整機能により、メーターサイズや芯ずれが発生した場合でも、引き出しの伸縮で簡単に寸法調整ができ、現場での柔軟性が向上します。

 

基礎型枠ブロック寸法種類

型枠ブロックは、従来の型枠工法を簡素化できる製品として注目されています。主要な寸法規格は以下の通りです。
型枠ブロック150型:

  • 厚さ:150mm+意匠厚
  • 充填コンクリート量:0.09m³/m²
  • 1m²使用個数:12.5個

型枠ブロック210型:

  • 厚さ:210mm+意匠厚
  • 充填コンクリート量:0.15m³/m²
  • 地上高制限:1.6mまで

型枠ブロック工法の大きな特徴は、練積み擁壁と異なり垂直施工が可能な点です。これにより勾配が不要となり、有効敷地面積を最大限に活用できます。

 

施工時の留意事項:

  • 基礎接続部にはハンチ(点検口)を設置
  • 水抜きは壁面3m²以内に一ヶ所以上(VPφ75mm)
  • 擁壁屈曲部は原則として鉄筋コンクリート造で施工
  • 伸縮目地は擁壁長さ20m以内毎に設置

NPロック製品では、公称トン数別に詳細な寸法規格が設定されています。

公称トン数 実重量 体積 型枠面積 H寸法 h寸法
2t(厚40型) 2.052t 0.892㎥ 400mm 415mm
2t(厚50型) 2.592t 1.127㎥ 500mm 565mm
3t 3.222t 1.401㎥ 7.16㎡ 630mm 695mm

基礎型枠材料別寸法特性

型枠材料の選択は、構造物の規模、施工環境、コスト要因によって決定されます。各材料の寸法特性を理解することで、最適な選択が可能になります。

 

木製型枠の寸法特性:

  • 加工の自由度が高く、現場での寸法調整が容易
  • 標準厚み:12mm、15mm、18mm(合板)
  • 曲げヤング係数:湿潤状態で3.5kN/mm²(厚さ12-18mm)
  • 主な用途:小規模工事、曲線部の施工

鋼製型枠の寸法特性:

  • 高精度で反復使用可能
  • 標準モジュール:600mm、900mm、1200mm幅
  • 高さ調整:H300mm〜H900mmまで対応
  • 耐用回数:150回以上

プラスチック型枠の寸法特性:

  • 軽量で作業性良好
  • 清掃しやすく再利用性高い
  • 温度変化による寸法変動に注意が必要
  • 主な用途:仮設工事、狭小地での施工

材料選択時の重要なポイントは、許容変形量の管理です。各部材ごとの許容たわみは3mm以下(目標2mm以下)とし、総量の目安を5mmとすることが推奨されています。

 

基礎型枠施工寸法管理方法

基礎型枠の施工において、寸法管理は構造物の品質に直結する重要な要素です。適切な寸法管理により、コンクリート打設後の仕上がり精度と構造強度が確保されます。

 

墨出し作業の精度管理:
墨出し作業は型枠設置の基準となる最重要工程です。わずかなズレも後工程に大きな影響を与えるため、以下の手順を厳守する必要があります。

  • 基準点の確認と測量機器による位置出し
  • 水平・垂直の確認(レベル・トランシット使用)
  • 型枠設置ラインの明確なマーキング
  • 複数箇所での寸法確認と検証

型枠組立時の寸法確保:
型枠組立では、コンクリートの圧力に耐える構造と正確な寸法維持が求められます。重要な管理項目は。

  • フォームタイによる適切な締付力の確保
  • セパレータの配置間隔と許容荷重の確認(7.5kN=750kgf)
  • 型枠サポートとターンバックルによる水平調整
  • 単管パイプの支持間隔と基礎への固定方法

寸法検査のチェックポイント:

  • 内法寸法の確認(設計値との照合)
  • 対角線寸法の確認(直角度の検証)
  • 高さレベルの確認(水準器による測定)
  • 型枠面の平滑性確認(直尺による検査)

施工記録の重要性も見逃せません。寸法計算の根拠と測定結果を明確に記録することで、後のチェック作業や品質管理が効率化されます。

 

基礎型枠コスト最適化寸法選択

基礎型枠のコスト効率化において、寸法選択は材料費、工期、品質の三要素に大きく影響します。適切な寸法選択により、プロジェクト全体のコストパフォーマンスが向上します。

 

材料費における寸法効果:
型枠工事の単価は工法・材料・施工規模によって大きく変動します。国土交通省の公共工事設計労務単価では全国平均30,214円となっていますが、寸法選択により以下の差が生じます。

  • 普通合板型枠:3,680円/㎡
  • 一般用型枠:9,020円/㎡
  • 打放合板型枠:4,970円/㎡

工期短縮効果の寸法要因:
鋼製型枠と木製型枠の比較例では。
木製型枠の場合。

  • 組立:3人×18時間
  • 補修・養生:1人×11時間
  • 取外し:3人×10時間

鋼製型枠の場合。

  • 組立:3人×4.5時間
  • 補修・養生:1人×3.5時間
  • 取外し:3人×2.5時間

標準寸法の鋼製型枠使用により、工期を約70%短縮できる効果があります。

 

耐久性と再利用性の経済効果:
寸法精度の高い鋼製型枠は150回以上の再利用が可能で、木製型枠の7回と比較して大幅な長寿命化を実現します。初期投資は高くても、中長期的には大幅なコスト削減効果があります。

 

最適寸法選択の判断基準:

  • プロジェクト規模:小規模は木製、大規模は鋼製
  • 反復性:同一寸法の繰り返しが多い場合は鋼製型枠
  • 施工環境:狭小地や住宅地では軽量なプラスチック型枠
  • 品質要求:高精度が求められる場合はシステム型枠

ベタ基礎一体打工法の採用により、工期短縮と品質向上、コスト削減の三つの効果を同時に実現できます。適切な寸法計画により、ポンプ車費用の削減や打継部の品質向上が期待できます。

 

型枠寸法の選択は単なる部材選びではなく、プロジェクト全体の成功を左右する戦略的判断です。現場条件、品質要求、コスト制約を総合的に評価し、最適な寸法規格を選択することが、建築プロジェクトの競争力向上につながります。