コンパネ寸法一覧と建築現場での規格選び方

コンパネ寸法一覧と建築現場での規格選び方

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コンパネ寸法一覧と規格

コンパネ寸法の基本情報
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標準寸法

900mm×1800mm(厚さ12mm)が建築現場の基本規格

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用途別選択

型枠工事から仮設まで用途に応じた厚さ選択が重要

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コスト効率

標準寸法とカット材の使い分けで材料費を最適化

コンパネ標準寸法と基本規格

コンパネ(コンクリートパネル)の標準寸法は900mm×1800mmで、厚さ12mmが基本規格となっています。この寸法は日本農林規格(JAS)で定められた規格であり、全国の建築現場で統一的に使用されています。

 

コンパネの正式名称は「コンクリート型枠用合板」で、その名の通りコンクリート打設時の型枠として開発された専用合板です。ベニヤ板を5枚重ねにし、防水のため黄色のウレタン塗装が施されているのが特徴的です。

 

  • 長さ: 1800mm(1尺8寸)
  • : 900mm(1尺)
  • 厚さ: 12mm(標準)
  • 重量: 約18-20kg/枚

この標準寸法は、作業員が一人で持ち運び可能な重量と、型枠組立時の作業効率を考慮して設定されています。また、建築モジュールとの整合性も考慮された実用的なサイズです。

 

日新グループなどの主要メーカーでは、コンクリート型枠用合板として600mm×1800mmのサイズも製造しており、狭い施工箇所での使用に適しています。

 

コンパネ厚さ別の特徴と用途

コンパネの厚さは用途や施工条件によって選択する必要があります。市場では主に12mm15mmの2種類が流通していますが、特殊用途向けに21mmや24mmも存在します。

 

12mm厚コンパネの特徴と用途

  • 最も一般的な厚さで価格も安価
  • 住宅基礎の型枠工事に最適
  • 軽量で取り扱いが容易
  • 短期間の型枠使用に適している

15mm厚コンパネの特徴と用途

  • 12mmより強度が高く、変形に強い
  • 高層建築や大型構造物の型枠に使用
  • 繰り返し使用に耐える耐久性
  • コンクリート圧力の高い箇所に最適

21mm・24mm厚コンパネの特徴

  • 特殊な高圧型枠に使用
  • ダム工事や大型土木工事での採用
  • 長期間の使用に耐える高耐久性
  • 重量があるため機械での取り扱いが必要

厚さ選択の目安として、コンクリート打設高さが3m以下なら12mm、3m以上なら15mm以上を選択するのが一般的です。また、型枠の転用回数を重視する場合は、初期コストは高くても15mm以上の厚いコンパネを選択することで、長期的なコストパフォーマンスが向上します。

 

コンパネとベニヤ板サイズの違い

建築現場でよく混同されがちなコンパネとベニヤ板ですが、寸法規格に明確な違いがあります。この違いを理解することで、適切な材料選択と無駄のない施工が可能になります。

 

コンパネの寸法規格

  • 900mm×1800mm(基本規格)
  • 他の合板より10mm小さい設計

構造用合板・ベニヤ板の寸法規格

  • 910mm×1820mm(3×6尺)
  • 1220mm×2440mm(4×8尺)

この10mmの差は、型枠組立時の調整代として設けられています。コンパネが小さく設計されているのは、型枠の継ぎ目部分での微調整や、セパレーター(型枠固定金具)の取り付けスペースを確保するためです。

 

寸法違いによる現場での影響

  • 構造用合板をコンパネ代用すると継ぎ目処理が困難
  • コンパネ専用の型枠金具との適合性
  • 材料計算時の面積換算に注意が必要

構造用合板は住宅の壁、床、屋根の下地に使用される一方、コンパネは型枠専用として開発されているため、用途に応じた正しい選択が重要です。

 

現場でよくある間違いとして、構造用合板をコンパネ代わりに使用するケースがありますが、耐水性や表面処理の違いから、コンクリートの仕上がりに影響を与える可能性があります。

 

コンパネカット材の活用法

標準寸法のコンパネ以外に、ホームセンターや建材店では様々なカット材が販売されており、効率的な施工とコスト削減に活用できます。

 

主要なカット材寸法

  • 455mm×1820mm(標準の半分幅)
  • 600mm×900mm(1/3サイズ)
  • 455mm×900mm(1/4サイズ)
  • 300mm×450mm(小型サイズ)

カット材の用途別活用法
455mm×1820mmは、狭い壁面や梁型枠に最適で、標準サイズでは大きすぎる箇所での材料無駄を削減できます。特に住宅建築の基礎立ち上がり部分や、設備配管周りの複雑な型枠に重宝されています。

 

600mm×900mmは、柱型枠や小規模な壁面に適しており、一人での取り扱いが容易なサイズです。型枠解体時の作業効率も向上し、狭い作業スペースでの施工に威力を発揮します。

 

300mm×450mmなどの小型サイズは、階段や設備基礎などの細かい型枠に使用され、現場での端材利用と組み合わせることで、材料使用効率を大幅に改善できます。

 

カット材使用時の注意点

  • 継ぎ目が増えるため止水処理を確実に行う
  • 小さいサイズほど単価が割高になる傾向
  • 型枠の強度計算を適切に行う

効率的な活用方法として、図面段階でカット材の使用箇所を計画し、標準サイズとカット材の組み合わせで最適な材料構成を検討することが重要です。

 

コンパネ寸法選択時の施工効率化テクニック

建築現場でのコンパネ使用において、寸法選択と施工方法の工夫により、大幅な効率化とコスト削減が可能になります。このセクションでは、現場経験に基づく実践的なテクニックを紹介します。

 

寸法選択による労務費削減
コンパネの寸法選択は、単に材料費だけでなく労務費にも大きく影響します。900mm×1800mmの標準サイズは、作業員2人で効率よく取り扱える重量とサイズに設計されていますが、施工箇所によっては別のアプローチが効果的です。

 

高所作業や狭小部での施工では、600mm×900mmのカット材を選択することで、一人作業が可能になり、足場設置コストや作業時間を削減できます。特に3階建て住宅の基礎工事では、この寸法選択により全体工期を1-2日短縮できる場合があります。

 

型枠計画での寸法最適化
型枠設計時に重要なのは、コンクリートの打設高さとコンパネ寸法の関係です。打設高さ1.8mの場合、標準コンパネを縦使いすることで継ぎ目を完全に排除でき、止水性能と仕上がり品質が向上します。

 

一方、打設高さが1.8mを超える場合は、継ぎ目位置を構造的に問題ない箇所に配置し、適切なサイズのコンパネを組み合わせることで、材料無駄を最小化できます。

 

特殊施工での寸法活用
曲面型枠や複雑な形状の型枠では、小さいサイズのコンパネを組み合わせることで、従来困難だった施工が可能になります。特に300mm×450mmサイズは、R面の多い現代建築の型枠に欠かせない材料となっています。

 

また、プレキャスト工場での反復使用では、15mm厚のコンパネを選択し、適切な離型剤処理を行うことで、100回以上の転用が可能になり、長期的なコストメリットが得られます。

 

寸法管理による品質向上
コンパネの寸法精度は、コンクリート構造物の仕上がり精度に直結します。特に打ち放しコンクリートでは、コンパネの継ぎ目ラインが仕上がり面に現れるため、寸法計画時に美観を考慮した配置計画が必要です。

 

現場での実測値と図面寸法の誤差を考慮し、5-10mmの調整代を見込んだ寸法計画を立てることで、現場での手直し作業を大幅に削減できます。

 

これらのテクニックを習得することで、コンパネ使用における総合的なコストパフォーマンスが向上し、競争力のある施工が実現できます。