

建築・鉄骨まわりで「ハンディの面取り機」として語られる範囲は広く、実務上は“持ち込める面取り機”という意味でベベラー(開先取り機・面取り機)まで含めて考えると整理しやすいです。ミスミの技術情報でも、ベベラーはH形鋼や鋼材などのC面取りをする工具で、大型機械が使えない現場に持ち込んで使用する、と用途が明確に書かれています。持ち込み前提という点が、まさに建築従事者の「ハンディ」ニーズと一致します。
ベベラー系でまず確認すべきは、外側加工中心なのか、内側も視野に入れるのかです。ミスミ側の説明では外側の面取り加工に使用(内側加工対応機もある)とされ、用途によって機種が分かれる前提が示されています。ここを曖昧にしたまま選ぶと、現場で「届かない」「姿勢がきつい」「入り隅が残る」という“段取り負け”が起きやすくなります。
また、曲線や内側に絡むならサーキットベベラー(曲線面取り機)という別カテゴリがあり、直線・曲線を問わず内側加工ができるという特長が整理されています。配管穴や曲線開口の周りなど、建築金物でも地味に出番があるため、「直線しかやらない前提」で揃えると後で追加購入になりがちです。
参考:ベベラー/サーキットベベラーの考え方(種類の全体像・選定ポイント)
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0315.html
ハンディ面取り機を選ぶ前に、現場で使う「面取り」という言葉が、C面取り・R面取り・糸面取りのどれを指しているかを揃える必要があります。ジーベックテクノロジーの解説では、面取りの種類は大きくC面取り、R面取り、糸面取りの3つと整理されています。ここが揃わないと「面取りしたのに刺さる」「Rが欲しかったのにCで落とした」など手戻りが起きます。
C面取りは45°で角を落とす一般的な面取りで、図面では「C+素材先端からの距離」で表記され、例として「C1」は先端から1mmの位置で45°切削と説明されています。R面取りは角を丸める加工で、「R+半径」の表記(例:R3は半径3mm)とされ、怪我防止の目的なら最も効果があるとも書かれています。つまり安全衛生が強い現場(手が触れる、搬送で擦れる、養生が剥がれる等)では、R面取りを“仕上げ品質の一部”として先に織り込むのが合理的です。
一方の糸面取りは「目に見えない程度削る」簡易な面取りで、ヤスリやサンダーで行う手軽さがある反面、R面取りほどの安全効果は期待できないとされています。さらに厄介なのは、糸面取りにはJIS規格で明確な指示方法が規定されていないため、図面では「指示なき角部は糸面取り」のような曖昧な記載が多い点です。現場側は、この曖昧さを「C0.2〜0.3程度」など具体値に翻訳してから加工・検査に回す段取りが、クレーム予防に直結します。
参考:C/R/糸面取りの定義・図面指示・測定の考え方(用語を揃える根拠)
https://www.xebec-tech.com/study/about_chamfering/
ハンディ系の大きな分岐は、動力が電動(コード/バッテリー)か、エア(コンプレッサー)かです。エアーツール一般の比較として、エアはモーターを内蔵しないため軽量・頑丈で、連続作業で熱を持ちにくい利点がある一方、コンプレッサーが必要でホースが邪魔になりやすく、パワーが空気圧に左右されるという整理がされています。面取りは「同じ姿勢で連続して当てる」作業が多いので、軽さと熱だれしにくさは体感差になりやすいポイントです。
電動はコンプレッサー不要で手軽、電源があればどこでも使える、多機能モデルが多いという方向性で整理されています。建築現場だと、足場や屋外、電源取り回し、仮設電源の容量、騒音規制など条件が日々変わるため、「電動=どこでも」「エア=設備前提」と単純化せず、現場のインフラ(エアが常設か、発電機運用か)で決めると失敗が減ります。
さらに、エアハンディ系の面取り機は、機種によって「最大C2/R」「R3(C3)まで」など面取り能力が具体的に示されることがあります。例えば富士元工業のハンディR面取り機はエアー駆動式ハンディタイプでR3(C3)まで可能、と製品情報でうたわれています。必要なC/R量が先に決まっているなら、動力よりも“必要量に到達するか”を最優先で当てに行くのが合理的です。
参考:エアと電動の一般的な違い(動力源・メリット/デメリットの整理)
https://diyprotool.com/router-drill-chigai/
参考:エア駆動ハンディR面取り機の能力例(R3/C3まで等、面取り能力の目安)
https://nicecut.co.jp/products/handy/han-chan-man-r/
検索上位の「種類」「おすすめ」だけを追うと抜けがちですが、現場で効く独自視点は“面取りの出来栄えを、誰が・何で・どの頻度で測るか”まで含めて機種選定することです。ジーベックテクノロジーの解説では、C面取りの幅測定は「面取り測定ゲージ」や「C面ノギス」を角部に押し当てるのが簡単で、R面取りの半径測定には「ラジアルゲージ」「Rキャリパー」「CRノギス」を用いると具体的に書かれています。つまり“測れる形に加工する”という逆算が、実は段取りの近道です。
意外に見落としやすいのは、C面取りの「幅」と「深さ」を同一視してしまうことです。解説では、面取りの深さ(角部から面取り表面までの距離)を知りたい場合は「面取り幅÷√2」で計算でき、例としてC1なら深さ0.707mmと示されています。建築の金物加工では、溶接・塗装・メッキ・シーリングなど後工程が絡むため、幅だけ合っていても「実は深さが足りず角が残る」「深さが出すぎて寸法が逃げる」が起きます。検査側が“幅で見るのか深さで見るのか”を決めておくと、面取り機側の調整(目盛り・ストッパー・ガイド)も選びやすくなります。
さらに「糸面取り」は精密さを求める加工ではない、と明記されていますが、だからこそ“検査しない”ではなく“検査の方法を簡素化する”のが現実的です。例えば、指示なき角部は糸面取りの図面に対して、現場標準として「C0.2程度」を社内ルール化し、C面ノギスで当たりだけ確認する運用にすれば、属人性が減って再現性が上がります。ハンディ面取り機の種類選びは、機械のスペック比較だけでなく、ゲージと運用設計までセットで決めると強いです。
参考:測定ゲージ/ノギス、C面取り深さの計算(検査と加工をつなぐ根拠)
https://www.xebec-tech.com/study/about_chamfering/

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