プラスター漆喰違いとは?特徴から選び方まで徹底解説

プラスター漆喰違いとは?特徴から選び方まで徹底解説

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プラスター漆喰違いとは

プラスターと漆喰の主な違い
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原料の違い

プラスターは石膏や白雲石が主原料、漆喰は消石灰をベースとした自然素材です

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硬化時間の違い

プラスターは速乾性で短時間で硬化、漆喰は空気中の二酸化炭素と反応してゆっくり硬化します

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コストの違い

プラスターは施工が容易で経済的、漆喰は施工に時間と技術が必要で費用は2〜4倍程度高額です

不動産業界において、内装仕上げ材としてプラスターと漆喰は頻繁に使用される素材です。両者は見た目が似ているため「西洋漆喰」とも呼ばれるプラスターですが、実際には原料から性能まで多くの違いがあります。プラスターは石膏やドロマイト(白雲石)を主原料とする鉱物質の粉末を水で練ったもので、漆喰は消石灰に砂や繊維質、糊を加えた自然素材です。
参考)https://mirix.co.jp/column/interior-plaster-guide/

プラスターの原料と種類の特徴

 

 

 

プラスターは大きく分けて石膏プラスターとドロマイトプラスターの2種類があります。石膏プラスターは焼石膏を主原料とし、速乾性や耐火性に優れているため室内の仕上げ材として最も一般的に使用されます。硫酸カルシウムを主成分とする石膏プラスターは、骨折時のギプスと同じ成分であり、硬化後は非常に丈夫な仕上がりになります。
参考)https://metoree.com/categories/7365/

ドロマイトプラスターは白雲石と呼ばれる鉱物を焼成・水和・熟成させたもので、軽量で扱いやすく塗りやすい特性を持ちます。かつて日本では「プラスター」といえばドロマイトプラスターが主流でしたが、現在は石膏プラスターが中心となっています。ドロマイトプラスターは石膏プラスターよりも仕上がりはやや劣るものの、低コストで経済的なため下塗り用として幅広く利用されています。
参考)https://www.sekoukyujin-yumeshin.com/learn/23111/

漆喰の原料と伝統的特性

漆喰は石灰石を焼いてから水を加えた消石灰に、布海苔(海藻を原料にした糊)や角又、麻すさなどの繊維質を混ぜて作られます。現代の漆喰は化学繊維のすさとメチルセルロースを使用したものが多く、昔ながらの天然素材だけを使用したものは「本漆喰」と呼ばれて区別されています。
参考)https://kenzai-digest.com/comparison-of-plaster/

漆喰の最大の特徴は硬化のメカニズムです。プラスターが水分の蒸発により硬化するのに対し、漆喰は乾燥する際に水分を蒸発させながら空気中の二酸化炭素を吸収して炭酸カルシウムに変化し、徐々に固まっていきます。この化学反応により、年月をかけて二酸化炭素を吸着することで漆喰自体が固くなり、100年以上の耐久性を持つとされています。実際に高松塚古墳で使用された漆喰は、完成当時からの状態を保つほどの驚異的な耐久力を示しています。
参考)https://www.genspark.ai/spark/%E6%BC%86%E5%96%B0%E3%81%A8%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E8%A9%B3%E7%B4%B0%E3%81%AA%E7%9B%B8%E9%81%95%E7%82%B9/4a380efd-9ce5-4888-af81-82155907ced3

プラスターの施工性と工期のメリット

プラスターの大きな利点は施工の容易さと工期の短さです。石膏プラスターは水を加えると発熱しながら再結晶化し、短時間で硬化する性質を持つため、速乾性に優れています。可使時間(練ってから使える時間)は製品や気温によって変わりますが、一般的に下塗り・中塗りで2時間以内、上塗りで1.5時間以内に使い切る必要があります。
参考)https://hags-ec.com/column/576-glossary/

この速乾性により、プラスターは工期を大幅に短縮できる点が不動産開発において重要なメリットとなります。また、コテ伸びがよく平滑な面を出しやすいため、石膏ボードの継ぎ目処理や壁紙・塗装の下地調整として最適です。プラスターは乾式工法のため現場塗装が不要で、目地テープも不要な製品があり、施工の効率化が図れます。
参考)https://www.nichiha.co.jp/cw/constructionmethod/moentaika_plaster/

ただし注意点として、厚塗りするとひび割れや剥離のリスクがあるため、必要に応じて複数回に分けて層を重ねる必要があります。また、下地の吸水が強すぎると焼けや早締まりを起こしやすいため、シーラープライマーによる吸水調整が重要です。
参考)https://genba-dojo.com/vocabulary/plastering/

漆喰の調湿性能と耐久性の優位性

漆喰は自然素材ならではの優れた性能を持っています。最も注目される特性は調湿性能で、湿度が高くなると水分を吸収し、湿度が低くなると水分を放出して室内の湿度を調整します。この吸放湿性により、窓やサッシの結露を防ぎ、高気密・高断熱の現代建築において非常に有効です。
参考)https://ms-as.jp/house-column/energy-saving/p85867/

また漆喰は強アルカリ性という特性から、カビやダニの発生を防ぐ抗菌性があります。化学物質や二酸化炭素を吸着・分解する性質があるため、シックハウス症候群の原因となる有害物質を軽減し、室内環境を改善する効果が期待できます。さらに脱臭性能も備えており、生活臭やペット臭などの消臭効果も発揮します。
参考)https://www.umakunureru.com/blog/%E6%BC%86%E5%96%B0%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8D%E3%81%86%EF%BC%81/

耐火性においても漆喰は優れており、不燃材料として防火構造に認定されています。プラスターも耐火性を持ちますが、漆喰は100年もつ耐久性があり、メンテナンスフリーに近い長寿命が大きな魅力です。実際に城郭建築や歴史的建造物で使用され続けている実績が、その耐久性を証明しています。
参考)https://norq.co.jp/column/43952/

プラスター漆喰のコスト比較分析

コスト面では明確な差があります。一般的に漆喰の施工費用は1㎡あたり4,000円程度で、6畳の部屋の壁面積(約20㎡)では6〜10万円程度かかります。一方、ビニールクロスの6畳分の費用相場は約2万円程度であり、漆喰はその4倍近い費用がかかります。
参考)https://www.yyy-yamachi.com/myke/products/4189/

プラスターは塗り壁材の中では比較的手頃な価格で、漆喰よりもコストを抑えることができます。施工の工程が漆喰よりも少なく、手間と時間が少ないためです。漆喰は基本的に手塗りとなり、養生後に下塗りと仕上げ塗りをする必要があるため工期も長くなります。サイディング外壁と比較すると、漆喰の施工費用は2〜4倍程度の人件費がかかるとされています。
参考)https://laferme-online.com/2020/11/23/plaster-wall/

山地工務店|漆喰壁の費用詳細
漆喰壁の費用相場と内訳が詳しく解説されており、業者依頼時の参考になります。

 

DIYで施工する場合、粉の漆喰と練り済み漆喰では大きなコスト差があります。粉漆喰(大和しっくい20kg)を推奨値の12Lの水で溶くと32kg作れて約3,500円に対し、練り済み漆喰(うま〜くヌレール18kg)を32kgに換算すると24,500円となり、約6.6倍の価格差があります。粉漆喰の方が同じ面積を約1/7のコストで仕上げることができますが、練る手間が必要です。
参考)https://99diy.tokyo/stucco_price_hikaku/

ただし長期的な視点では、漆喰は貼り替えが不要で耐久年数が長いため、メンテナンス費用を含めたトータルコストでは優位になる場合もあります。プラスターも石膏ボードの継ぎ目処理や下地調整として使用する場合、その上にクロスや塗装を施すため、仕上げ材の交換サイクルが発生します。
参考)http://www.kabegami-reform.jp/14969870544290

不動産物件における使い分けの実践ポイント

不動産物件でプラスターと漆喰のどちらを選ぶかは、用途・予算・工期・求める性能によって判断すべきです。プラスターは内装の平滑出し・下地調整・短期間での仕上げが必要な場合に最適で、特に賃貸物件や原状回復工事、コストを抑えたい大規模物件に向いています。​
石膏プラスターは室内の壁・天井の下地調整から仕上げまで幅広く使われ、石膏ボードの継ぎ目処理、モルタルやコンクリート下地の不陸調整、塗装仕上げや壁紙仕上げ前の面出しなどに活用されます。乾式下地と湿式下地の間を橋渡しする調整材としても重宝され、工期短縮が求められる現代の建築現場において欠かせない素材です。
参考)https://www.renoveru.jp/journal/13798

一方、漆喰は高級物件やデザイン性を重視する戸建住宅、健康志向の高い顧客向けの物件に適しています。調湿性能や抗菌性、脱臭性など自然素材ならではの機能性を求める場合や、長期的な資産価値を重視する場合には漆喰が選ばれます。特に和風建築や伝統的な意匠を活かしたリノベーション物件では、漆喰の質感と耐久性が大きな付加価値となります。
参考)https://daiichi-jutaku.co.jp/column/co102/

施工環境も重要な判断基準です。プラスターは基本的に内装用で、常時湿潤・水掛かりのある場所や外部には適していません。石膏は水に弱いため、浴室など水回りには使用できず、耐水性が必要な場合は専用仕様を選ぶ必要があります。漆喰は外壁にも使用可能で、軒を深くするなど建物側の工夫で汚れを防止すれば、長期的に美しい外観を維持できます。
参考)https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/setsubi/sb_sotomawari/shikkui/

メンテナンス要件の違いと管理計画

メンテナンス面での違いも物件管理において重要です。プラスターは下地調整材として使用されることが多く、その上にクロスや塗装を施すため、表面仕上げ材のメンテナンスサイクルに従います。一般的な壁紙の張り替え周期は10〜15年程度で、その際にプラスター層の点検や補修も行います。
参考)https://www.suumocounter.jp/chumon/report/jitsurei/entry/nurikabe/

漆喰壁は時間とともに経年劣化するため、10〜15年を目安にプロの点検とメンテナンスを受けることが推奨されます。表面に細かいひび割れなどが出ている状態なら、漆喰の上から同じ漆喰を重ね塗りすることで新築時と同じ外観にリフレッシュできます。大きなひびが入っている場合や剥がれている場合は、一度漆喰をはがしてやり直すメンテナンスが必要となり、費用と時間がかかります。
参考)https://www.house-naturalmaterial.com/stucco/stucco_maintenance.html

漆喰のメンテナンス方法まとめ
個人でできる漆喰のメンテナンス方法と業者依頼のタイミングについて詳しく解説されています。

 

日常的な清掃面では、漆喰壁は表面に細かい凹凸があるため汚れが付着しやすく落ちにくいというデメリットがあります。特に窓のサッシの下に雨染みが付きやすいため、きれいな状態を維持するにはこまめな外壁の清掃が必要です。プラスターで平滑に仕上げた面にクロスや塗装を施した場合は、比較的清掃が容易です。
参考)https://www.nuri-kae.jp/column/part/exterior_outer-wall/articles/164/

ただし漆喰は自己修復機能があり、小さな傷や汚れは薄く上塗りすることで施工後でもカバーできます。DIYでも補修が可能な点は、長期的な維持管理において有利です。一方プラスターは専門的な技術が必要な場合が多く、補修は職人に依頼するのが一般的です。
参考)https://www.umakunureru.com/blog/%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%82%8B%E3%81%AE%EF%BC%9F%E6%BC%86%E5%96%B0diy%E3%81%AE%E8%B2%BB%E7%94%A8%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%81/

施工技術と職人の技量による仕上がり差

施工品質において、両素材とも職人の技術が仕上がりを大きく左右します。プラスターは可使時間が短いため、混練タイミング、面割り、押さえの順番などの段取りが重要です。吸水調整の徹底、面割りの明確化、一定条件での連続作業、押さえタイミングの共有がポイントとなり、これらを怠るとムラや早締まりが発生します。
参考)https://kentikuhyojyunsiyoh31.blogspot.com/2019/05/15-8h31.html

漆喰は硬化機構と鏝押さえのタイミングが独特で、養生時間も長くなるため、経験豊富な職人の技術が不可欠です。職人の経験や腕によって仕上がりに差が出やすく、施工を依頼する際は漆喰の扱いに慣れている業者を選ぶことが大切です。多くの場合は建築会社や専門の左官業者に施工を依頼するため、施工実績が豊富な先を選定することでトラブルを避けられます。
参考)https://www.yyy-yamachi.com/myke/products/4190/

日本プラスター株式会社の漆喰工事
塗り壁材専業メーカーによる漆喰工事で、実績豊富な左官社員が物件に合わせた最適な施工を提供しています。

 

プラスターは石膏の粒子が細かいため、施工を上手に行えばきれいに仕上がりますが、下地処理から仕上げ塗りまで正しい手順での施工が求められます。試験塗りで材料の締まり具合を確認してから本番に進むことで、失敗を減らせます。角(出隅・入隅)は先に通りを決め、面はその角に合わせて伸ばす技術や、仕上げが塗装の場合は押さえ過多による艶ムラを避けるなど、細かな配慮が必要です。​
漆喰も同様に、下地処理から仕上げ塗りまで丁寧かつ正しい手順での施工を行うことで、ひび割れの可能性を最小限に抑えることができます。施工環境や下地の影響を受けてひび割れる場合や、地震などで住宅自体が揺れてひび割れることもあるため、構造的な配慮も重要です。​

環境性能と健康配慮の違い

環境性能と健康面での違いも、現代の不動産市場において重要な選択基準です。漆喰は自然素材であり、化学物質など人体に有害なものを吸着・分解する性質があるため、シックハウス症候群になる可能性が低く、環境への影響も少ないとされています。VOC(揮発性有機化合物)の低減効果があり、室内空気質の改善に寄与します。​
プラスターについては、石膏の製造過程ではエネルギー消費が大きくなることがありますが、近年は環境配慮型の製品も開発されています。吉野石膏株式会社のタイガーケンコートなどは、室内揮発性有機化合物の低減に関する新技術が特許取得され、環境性能が証明されています。基本色は白・クリーム・ライトブラウン・ライトグリーン・ライトピンクの5色で、専用顔料を使って全26種類の色が表現できるため、デザインの自由度も高くなっています。​
健康配慮の観点では、漆喰は強アルカリ性のため、施工時に目や肌に触れるとトラブルが生じる可能性があり、DIYする際は保護具の着用が必要です。一方プラスターも、粉じん対策として混練時は防じんマスク・保護メガネの着用が推奨され、皮膚保護のため手袋着用と手洗いの徹底が必要です。硬化時に発熱するため、大量に一箇所へ溜めないなどの注意も必要となります。​
両素材とも施工後は安全性が高く、耐火性・不燃性に優れているため、防火構造の認定を受けています。不燃材料として建築基準法の基準を満たし、万が一の火災時にも延焼を防ぐ効果があります。ドロマイトプラスターは1971年に第1092号不燃材料、1975年に第169号防火構造に認定されており、長年の実績があります。​

比較項目 プラスター 漆喰
主原料 石膏・白雲石 消石灰
硬化時間 1.5〜2時間(速乾) 数日〜数週間(緩慢)
施工費用(6畳) 3〜5万円程度 6〜10万円程度
調湿性能 限定的 優れている
耐久年数 20〜30年 100年以上
メンテナンス周期 表面材次第 10〜15年
耐水性 弱い(内装用) 外装にも使用可
施工難易度 比較的容易 高度な技術必要

プラスターと漆喰の選択は、物件の用途や顧客ニーズ、予算、工期、求める性能を総合的に判断して決定すべきです。コストと工期を重視する場合はプラスター、長期的な資産価値と環境性能を重視する場合は漆喰が適しています。不動産従事者として、それぞれの特性を理解し、顧客に最適な提案ができることが重要です。
参考)https://xn--rms9i4i661d4ud435c.net/column/27675.html

 

 

 

 


日本プラスター うま~くヌレール 5kg 白色 12UN01