ロックウールボードをホームセンターで買う前に知っておくこと

ロックウールボードをホームセンターで買う前に知っておくこと

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ロックウールボードをホームセンターで入手する際の選び方と注意点

ホームセンターで買えるロックウールは、実は防音用途には密度が足りません。


この記事でわかること
🏪
ホームセンターで買えるものの限界

店頭で並んでいるロックウール製品の多くは低密度品。防音・遮音補強には密度80kg/m³以上のMGボードが必要で、専門通販での入手が基本です。

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密度・厚み・種類の選び方

MGボード080・120・150・200など密度の違いで用途が変わります。断熱目的か防音目的かで選ぶべきスペックが異なります。

⚠️
施工時の安全・法規チェック

繊維飛散による皮膚炎リスク、不燃認定番号NM-8600の確認、防火区画での密度150kg/m³以上の規定など、現場で見落としやすいポイントを解説。


ロックウールボードがホームセンターで手に入らない理由と購入先


建築現場でロックウールボードが必要になったとき、まず近くのホームセンターに足を運ぶ方は多いでしょう。しかし、防音・遮音補強や断熱性能を本格的に求めるなら、その判断は大きな時間のロスにつながります。


ホームセンターの棚に並んでいるロックウール系製品の多くは、密度が低い汎用品か、天井仕上げ用の「岩綿吸音板(化粧吸音板)」と呼ばれる別カテゴリの製品です。建築用途で遮音補強・断熱材として広く使われる「MGボード(密度80kg/m³以上)」は、店頭では原則として販売されていません。つまり、現場で求める高密度品はホームセンターには置いていないのが実情です。


これは意外ですね。


では、どこで入手するのが正解でしょうか。MGボードを購入できる主なルートは以下の3つです。
























購入ルート 特徴 目安価格(MGボード080・25mm・16枚ケース)
防音専門通販(ヤマユウ・ピアリビング等) 密度・厚み・クロスあり/なしで細かく選べる 12,000〜15,000円前後(税込/ケース)
モノタロウ・Amazonなどの資材系EC ニチアスなどメーカー品を直接注文できる 送料別で同程度
建材商社・地元建材店への直接発注 大量購入でコスト削減しやすい ロット・地域により変動


ホームセンターで「ロックウールらしきもの」を見つけて購入しても、施工後に「思ったより防音効果がない」「断熱性能が低い」と感じるケースは少なくありません。密度不足が原因です。現場に必要なスペックを事前に確認したうえで、上記のルートから発注するのが基本です。


参考:防音専門ヤマユウによるMGボードとGCボードの違い解説
吸音ボード どう違うの?? – ホームセンターヤマユウ


ロックウールボードの密度と種類の違い|MGボード080・120・150・200の使い分け

ロックウールボードは「密度」によって性能と用途が大きく変わります。これが条件です。


代表的なのはニチアス株式会社が製造・販売する「MGボード」シリーズです。密度は080(80kg/m³)・120・150・200の4種類が主流で、数値が高いほど繊維が密に詰まっています。


📊 密度別の特徴まとめ


| 密度 | JIS規格 | 主な用途 | 特徴 |
|------|---------|---------|------|
| 080(80kg/m³) | 保温板1号 | 壁への遮音補強充填、断熱 | 最も売れ筋。柔軟性があり施工しやすい |
| 120(120kg/m³) | 保温板2号 | 中程度の防音・断熱 | 080より重く遮音性が向上 |
| 150(150kg/m³) | 保温板2号 | 防火区画貫通部充填、高断熱 | 防火区画では150以上が推奨 |
| 200(200kg/m³) | 保温板3号 | スタジオ・機械室など高遮音 | 超高密度で遮音効果が最大級 |


密度が高くなるほど「吸音性能」は多少落ちますが、「遮音性能(音を通しにくい特性)」は上がります。室内の反響音を抑えたいだけなら密度40〜60kg/m³の低密度品で足りますが、隣室への音漏れや外部騒音を遮断したいなら80kg/m³以上が必要です。


厚みも重要な要素です。同じ密度でも厚さ25mmより50mmのほうが吸音・断熱性能は高くなります。一般的な壁充填用途なら25〜50mm、スタジオや機械室の壁には75〜100mmが選ばれることが多いです。


さらに「クロスあり(ガラスクロス仕上げ)」か「裸品」かの選択もあります。クロスありは繊維が飛散しにくく、そのまま壁面に設置できるため現場でも使いやすいです。裸品はコストが下がる代わりに、施工時に適切な防護が必要になります。これだけ覚えておけばOKです。


参考:ニチアスMGボード製品ページ(JIS規格・密度・熱伝導率を確認できます)
MGボード® | ニチアス株式会社


ロックウールボードの断熱・防音性能|グラスウールとの違いを数字で比較

現場でよく聞かれるのが「ロックウールとグラスウール、どっちがいいですか?」という問いです。結論から言うと、目的によって使い分けるのが正解です。


熱伝導率の観点では、ロックウール断熱材(ボード)は約0.036W/(m・K)、グラスウール(15K相当)は約0.038W/(m・K)で、ほぼ同等の断熱性能を持っています。数値だけを見ると「大差ない」と感じるかもしれませんが、実際の現場では湿気への耐性や耐熱温度の差が重要です。


耐熱性能はロックウールが大きく上回ります。グラスウールの耐熱温度の目安は約200℃なのに対し、ロックウールは約600℃以上(MGボードのJIS熱間収縮温度基準)です。これはグラスウールの3倍以上です。つまり、機械室・設備配管周辺・防火区画まわりなど、高温や火災リスクが想定される箇所では、ロックウールボードのほうが圧倒的に適しています。


防音性能についてはどうなるんでしょう。ロックウールは4,000Hz以下の低音域の吸音・遮音に強く、グラスウールは4,000Hz以上の高音域に強い傾向があります。たとえば、設備機械の低周波騒音が問題になる建物ではロックウールボードの充填が有効です。一方、残響音の多い会議室や音楽練習室では用途に応じた使い分けが求められます。


💡 両者の主な違い(一覧)


- 🌡️ 耐熱温度:ロックウール 約600℃ / グラスウール 約200℃
- 💧 湿気への耐性:ロックウールが優位(グラスウールは吸湿で性能低下リスクあり)
- 🔇 低音域の防音:ロックウールが優位
- 💰 価格:グラスウールのほうが安価なケースが多い
- ✂️ 施工性:グラスウールはやや柔軟で加工しやすい


防火区画の貫通部処理や機械室の断熱・遮音では、ロックウールボード(特に密度150kg/m³以上)が推奨されています。現場の仕様書や設計図書に記載された密度・種類の指定を必ず確認してから発注するようにしましょう。


参考:ロックウール工業会による断熱材の比較ページ(各断熱材の特性・遮音性能比較あり)
断熱材比較 断熱材の特長 ロックウール・グラスウール・発泡プラスチック系断熱材 – ロックウール工業会


ロックウールボードの施工時の注意点|健康リスクと不燃認定の確認ポイント

ロックウールボードを現場で扱う際に、見落とされがちなのが「施工者自身の健康リスク」と「法規上の認定番号確認」です。どちらも重要です。


まず健康面について整理します。ロックウールは玄武岩などの天然鉱石や高炉スラグを原料とした人造鉱物繊維です。WHO下部機関であるIARC(国際がん研究機関)の評価では、ロックウールは「グループ3(ヒトへの発がん性なし)」に分類されており、アスベスト(グループ1)とは明確に異なる安全な素材です。


ただし、繊維が細かく飛散しやすいため、皮膚に直接触れるとかゆみや赤みが生じることがあります。長時間の施工作業では、ノドへの刺激感・鼻水・目のかゆみなどの症状が出るケースもあります。施工時は必ず以下を守ってください。


- 🧤 手袋(防護用):素手でのカットや設置は必ず避ける
- 👕 長袖・長ズボン:皮膚への直接接触を防ぐ
- 😷 防じんマスク:繊維の吸入を防ぐため、作業時は必着
- 🥽 保護メガネ:目への飛散繊維の侵入を防ぐ


一時的な刺激であっても、毎日の現場作業で繰り返し暴露されると蓄積リスクがあります。対策は以上です。


次に法規面では、防火区画や準耐火構造に使用するロックウールボードが「不燃材料」の認定を取得しているか確認することが重要です。ニチアスのMGボード(基材)は国土交通大臣の不燃材料認定「NM-8600」を取得しています。この認定は建築基準法に基づく防火設計に直接関係するため、現場仕様書に「不燃材使用」の記載がある場合、NM-8600取得品であることを納品書・カタログで必ず確認してください。


また、防火区画の貫通部処理でロックウールを充填する場合、一般に密度150kg/m³以上が推奨されています。密度不足の製品を使用した場合、法定の防火性能を満たせない恐れがあります。密度の選択がそのまま法的リスクにつながります。


参考:ロックウール工業会による製品特性・取扱いガイド(PDF)
ロックウール製品の特性と取扱い – ロックウール工業会


ロックウールボードをホームセンター代わりに賢く調達するコスト比較と選択基準

ホームセンターで手に入らないなら、コストを抑えながら調達するにはどうすればよいでしょうか。建築業従事者として、購入先の選び方次第で材料費が大きく変わることを知っておくと得です。


まず、ロットサイズに着目しましょう。MGボード080(25mm・605×910mm)は一般的に16枚ケースで販売されており、1ケースの相場は税込12,000〜15,000円程度です。バラ売りの場合は1枚あたり1,500〜2,000円前後ですが、送料が割高になるため現場規模に合わせたケース買いが基本です。これは使えそうです。


密度200kg/m³の超高密度品(MGボード200・25mm・10枚入り)は1ケースあたり専門通販で15,000〜20,000円程度で流通しています。密度が上がるほど単価が高くなりますが、遮音性能も比例して向上します。


複数の現場を持つ会社の場合、定期的に建材商社や専門問屋に口座を開設して直発注する方法が最もコストを下げやすいです。まとめ発注でケース単価を下げ、送料も1回にまとめる工夫が重要になります。


急ぎの1〜2枚調達ならAmazonやモノタロウが最速ですが、送料がかかるため割高になりやすい点に注意が必要です。品番と密度を間違えて発注するケースも散見されるため、商品ページの「密度」「厚み」「クロスあり/なし」を必ず3点確認する習慣をつけましょう。密度の確認が条件です。


なお、ホームセンターで購入できる「岩綿吸音板(天井仕上げ材)」とMGボードは、見た目こそ似ていますが性能・用途がまったく異なります。岩綿吸音板は天井の吸音仕上げ材であり、壁の遮音補強充填には使えません。現場で「似たようなもの」として代替使用しても、設計上の防音・断熱性能は得られないので注意してください。


💡 購入時の3ポイントチェックリスト


- ✅ 密度(080・120・150・200のいずれか)を仕様書で確認
- ✅ 厚み(25mm・50mm・75mm・100mm)を確認
- ✅ 不燃認定が必要な場合はNM-8600取得品かカタログで確認


参考:ニチアスMGボードのスペックと不燃認定を確認できる建材商社の製品ページ
MGボード 汎用ロックウールボード 断熱吸音材 – 酒井商会


これで十分な情報が揃いました。記事を出力します。




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