再生アスファルト混合物とは何か種類と品質基準を解説

再生アスファルト混合物とは何か種類と品質基準を解説

記事内に広告を含む場合があります。

再生アスファルト混合物とは何か種類と品質基準を解説

再生アスファルト混合物を「品質が劣る代替品」として後回しにすると、入札評価で競合他社に最大15点差をつけられます。


この記事の3つのポイント
♻️
再生アスファルト混合物の定義

廃材を原料としながら、新材と同等以上の性能を発揮できる舗装材料であることを、JIS規格や道路法の観点から解説します。

📋
種類と品質基準

再生密粒度・再生粗粒度など用途別の種類と、RA(再生骨材)混入率や針入度などの品質管理基準を具体的な数字とともに整理します。

🏗️
現場での正しい活用法

施工時の温度管理や再生添加剤の役割、グリーン調達での有利な活用方法など、現場で即使える実務知識をまとめました。


再生アスファルト混合物とは:定義と基本的な仕組み


再生アスファルト混合物(Recycled Asphalt Mixture)とは、道路舗装の補修や打ち替えで発生した廃アスファルト混合物(以下「RA材」)を主原料として、新しいアスファルト混合物に再利用した舗装材料のことです。道路舗装工事で発生する廃材は、日本全国で年間約4,000万トンに上ると言われており、そのうちアスファルト廃材が圧倒的な割合を占めています。


RA材はプラントで加熱・破砕されたのち、新材の骨材やアスファルトと配合されます。つまり「廃材をそのまま固めた粗末な素材」ではなく、品質管理された製造プロセスを経た正規の舗装材料です。


仕組みはシンプルです。回収した旧路盤材を加熱ドラムで100〜170℃に加熱し、骨材同士が分離できる状態にしたうえで、新規骨材・新規アスファルト・再生添加剤(リジュビネーター)を加えて混合します。再生添加剤とは、長年の使用で劣化・硬化したアスファルトバインダーを柔らかく回復させるための特殊オイルのことで、これが再生混合物の品質を左右する重要な要素です。


再生添加剤が基本です。これがなければ、いくら製造工程を整えても品質は安定しません。


日本では「アスファルト混合物の再生利用に関するガイドライン(国土交通省)」と「JIS A 5308関連規格」が品質の基準となっており、発注者からも規格に沿った品質証明書の提出が求められます。


国土交通省:アスファルト混合物の再生利用に関するガイドライン(PDF)


再生アスファルト混合物の種類:再生密粒度・再生粗粒度など用途別一覧

再生アスファルト混合物には複数の種類があり、それぞれ用途・適用場所・要求性能が異なります。種類が変わると、RA材の混入率や最大粒径の規定も変わるため、現場に合わせた選定が重要です。


代表的な種類は以下のとおりです。



  • 🔹 再生密粒度アスファルト混合物(再生密粒度As):最もよく使われるタイプ。表層・基層に使用され、最大粒径は13mmまたは20mm。RA材混入率は一般に30〜50%程度が標準とされます。

  • 🔹 再生粗粒度アスファルト混合物(再生粗粒度As):基層に使用される透水性を抑えたタイプ。最大粒径20〜40mmで、比較的安価に施工できるため下層基盤に適します。

  • 🔹 再生細粒度ギャップアスファルト混合物:粒度分布に意図的なギャップを持たせることで、高いすべり抵抗性を持ちます。バス停や横断歩道など、制動・発進を繰り返す箇所に採用されることが多いです。

  • 🔹 再生開粒度アスファルト混合物空隙率が大きく、透水・排水性に優れます。駐車場や側道など排水を優先したい場所に向いています。

  • 🔹 再生安定処理混合物:路盤材の強化を目的として、安定剤(セメントや石灰)を組み合わせたタイプ。軟弱地盤や重交通路線の路盤補修に使われます。


これは使えそうです。種類ごとに混入率の上限が定められているので、発注仕様書で「RA材混入率上限40%」などの条件が明記されているケースも多く、選定の際は仕様書との照合が必須です。


最大粒径と混入率が条件です。この2点を押さえておくだけで、種類選定でのミスは大幅に減らせます。


再生アスファルト混合物の品質基準:針入度・フロー値・RA混入率の数字を正しく読む

品質基準を「なんとなく知っている」状態と、「数字で語れる」状態では、現場での判断精度と発注者への説明力に大きな差がつきます。


再生アスファルト混合物の品質を管理する主な指標は次のとおりです。



  • 📏 針入度(Penetration):バインダー(アスファルト)の硬さを示す指標。25℃・100gの針を5秒間刺した深さ(単位:1/10mm)で表します。再生材では「再生後の針入度が40〜80程度」を設計上の目標とすることが多く、この範囲を大きく外れると耐久性や施工性に影響します。

  • 📏 フロー値マーシャル安定度試験で測定する変形量の指標。流動変形への抵抗性を示し、表層材では一般に20〜40(1/100cm)の範囲が合格とされます。

  • 📏 RA材(旧アスファルト混合物)の混入率:再生混合物全体に占めるRA材の重量比率。国土交通省の標準では表層・基層用で30〜50%が一般的な目安ですが、道路の交通量区分(T交通〜N交通)によって上限が変わります。

  • 📏 空隙率:密粒度混合物で3〜5%、排水性混合物では20%前後が標準。空隙率が高すぎると水が浸入して耐久性が低下し、低すぎるとブリーディング(アスファルトが浮き出す現象)が発生します。


数字を根拠に語ることが条件です。品質管理資料に数値を明記しておくことで、後日のトラブル対応でも客観的な証拠として機能します。


RA材混入率は単純に「高いほど環境負荷が低い」という話ではなく、基準を超えた混入は品質低下リスクに直結します。例えばRA混入率が60%を超えると、再生添加剤を増量しても針入度が規格を下回るケースがあり、竣工後の早期ひび割れや沈下につながる可能性が高まります。


日本アスファルト合材協会:再生アスファルト混合物の品質管理技術資料(参考)


再生アスファルト混合物の製造プロセスと再生添加剤の役割

製造プロセスを理解していると、プラント選定や品質トラブルの原因特定が格段に速くなります。再生アスファルト混合物は、通常の新材製造とは工程が一部異なります。


製造の主な流れは以下のとおりです。



  • ① 現場回収されたRA材を一次破砕・粒度調整する

  • ② プラントの再生ドラムまたは並列ドラムで加熱(加熱温度は通常110〜160℃)

  • ③ 新規骨材をメインドラムで加熱し、RA材と合流させる

  • ④ 再生添加剤を所定量(一般にRA材重量の0.5〜2.0%)添加して混合

  • ⑤ 出荷時の品質試験(マーシャル安定度・抽出試験など)を実施


再生添加剤の役割は非常に重要です。RA材中のアスファルトバインダーは、供用中の酸化・紫外線劣化によって針入度が大幅に低下(硬化)しています。硬化したバインダーに再生添加剤を加えると、アスファルト中の軟化成分(マルテン分)が補充・回復し、施工に適した針入度まで戻すことができます。


再生添加剤の過不足が命取りです。不足すれば硬すぎて施工後にひび割れが発生し、過剰投与ではフロー値が上昇して圧密不足・流動変形が起きます。プラント管理者との事前協議で適正添加量を確認しておくのが実務上のポイントです。


また、プラントの形式によっても品質特性が変わります。リバースドラム型(RA材を後部から投入するタイプ)とパラレルドラム型(RA材専用ドラムで加熱)では、RA材の過熱リスクや混合均一性に差が出るため、仕様書でプラント形式の指定がある場合は必ず確認が必要です。


再生アスファルト混合物とグリーン調達:建設会社が知らないと損する入札優位性

この項目は、他の解説記事にはあまり取り上げられていない視点です。再生アスファルト混合物の積極活用は、施工コストの削減だけでなく、公共工事の入札評価において直接スコアに反映されるケースが増えています。


国土交通省は「建設リサイクル推進計画」の中で、再生アスファルト混合物の利用率目標を設定しており、2023年度時点で舗装用アスファルト合材に占める再生材利用率は約48%に達しています。この数字はここ10年で着実に上昇しており、業界全体での再生材活用が「努力目標」から「標準仕様」に移行しつつあることを示しています。


いいことですね。これは現場の施工会社にとっても、設計・発注側にとっても、利用が「デフォルト」になりつつあることを意味します。


さらに、公共工事における総合評価落札方式では、「資源循環・環境負荷低減への取り組み」が評価項目として加算されることがあります。再生材使用率の実績データや環境マネジメントシステム(ISO 14001など)の取得状況が、技術評価点として加算されるケースも確認されています。


つまり再生材活用が入札競争力です。同一価格帯でも再生材の実績提示で評価点に差がつくため、過去の工事実績・品質証明書・RA混入率データを整理して提案書に組み込む準備をしておくことが有利に働きます。


具体的な行動は一つです。次回の公共工事入札前に、自社プラントまたは外注先プラントの再生材利用実績書を入手・整理し、提案資料に添付できる状態にしておくことを確認してください。


国土交通省:建設リサイクル推進計画(再生材利用目標値の記載あり)


再生アスファルト混合物の施工時に必ず押さえるべき温度管理と現場チェックポイント

どれだけ品質の良い再生アスファルト混合物を用意しても、施工時の温度管理が崩れると性能は保証できません。これは現場経験者が口をそろえて言う点です。


再生アスファルト混合物の施工温度管理は、新材よりも厳しく考える必要があります。その理由は、RA材に含まれる劣化バインダーが低温環境での施工で十分になじまず、層間付着不良・早期はく離を引き起こすリスクが高いためです。


現場での主なチェックポイントは以下のとおりです。



  • 🌡️ 出荷温度の確認:プラント出荷時の混合物温度は150〜170℃が一般的。現場到着時に145℃以上を確保していることを表面温度計で実測します。

  • 🌡️ 初転圧温度:初転圧(ロードローラーによる最初の締固め)は混合物温度が110〜140℃の間に行います。これを下回ると十分な締固め密度が得られません。

  • 🌡️ 外気温・風速への配慮:外気温5℃以下または風速10m/s超の条件では、施工自体を中止するか養生テントの設置を検討します。急冷による温度不均一は、完成後の表面ひび割れに直結します。

  • 🌡️ 敷きならし厚さの管理:仕上がり厚に対して、締固め前は1.25〜1.35倍を目安に敷きならします。薄すぎると転圧時に温度が急低下し、規定密度を達成できません。


温度計は必須です。目視や感覚に頼った「大丈夫そう」判断は、後日の補修工事や瑕疵対応につながる可能性があります。


また、寒冷地や冬期施工では再生混合物の熱容量が新材より若干小さくなる傾向があるため、運搬距離を短くする(プラントから現場まで60分以内を目安にする)か、保温シートによる養生が有効です。


これは現場で即使える知識です。日常の施工管理の中に温度実測記録を組み込むことで、万一のクレーム時にも客観的なデータで対応できます。


再生アスファルト混合物は、単なるコスト削減材料ではなく、正しい知識と品質管理のもとで使えば新材と同等の性能を発揮できる、建設業界の「標準材料」です。種類・品質基準・製造プロセス・入札優位性・施工管理の5つの観点を体系的に押さえておくことで、現場での判断精度が上がるだけでなく、発注者・設計者との技術的な対話においても確かな信頼を築けるはずです。




全天候型高耐久型常温アスファルト合材 マイルドパッチ 20kg 【5mm】