サッシカーテンウォールの種類と施工・性能を正しく理解する

サッシカーテンウォールの種類と施工・性能を正しく理解する

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サッシカーテンウォールの基礎から施工・性能まで徹底解説

シーリングを丁寧に打ち直したのに、翌年また漏水クレームが来て損害賠償を求められた現場があります。


🏢 この記事でわかること
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サッシとカーテンウォールの違い

「窓枠=サッシ」「外壁=カーテンウォール」という定義の違いと、現場での境界線の判断基準を整理します。

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工法・種類・耐震・水密性能

ノックダウン方式・ユニット方式・マリオン方式など5工法の特徴と、等圧工法(オープンジョイント)による漏水防止の仕組みを解説します。

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現場で起きる不具合と対策

層間変位・シーリング劣化・異種金属腐食など、見落としがちなリスクと施工管理のポイントを具体的に紹介します。


サッシカーテンウォールの定義と現場での境界線


建築現場でよく「あそこはサッシ?カーテンウォール?」という会話が出ます。この区別を曖昧にしたまま施工を進めると、設計図との不一致が起きたり、専門工事業者への発注区分でトラブルになったりします。しっかり押さえておきましょう。


サッシとは、窓の上枠・下枠・縦枠で構成された窓枠と障子の框(かまち)を指す建材です。かつてはアルミや鉄製が主流でしたが、近年は樹脂製・木製も増えており、JIS規格上の定義の幅は広がっています。対してカーテンウォールは、建物の柱・梁・屋根などの骨組みに後から取り付ける非耐力壁の外壁全体を指します。


わかりやすく言うと、「窓枠だけ」ならサッシ、「外壁ごと」ならカーテンウォールです。


重要なのは、カーテンウォールの一部に開閉窓(いわゆる「サッシ窓」に見える部分)があっても、その開閉部分を含めてカーテンウォール施工として総称する点です。業界ではこの開閉部を「サッシ」とは呼ばず、カーテンウォールの構成要素として扱います。面積と高さの基準は各メーカーの設計図書によって判断され、「技術面での区分はメーカーの施工図書に委ねられる」のが実態です。


建築基準法上、カーテンウォールは帳壁(ちょうへき)と呼ばれます。「構造上の荷重を負担しない外壁」として位置づけられており、この前提があってこそ、後述する層間変位への追従設計が成り立っています。


東建コーポレーション 建築用語辞書「カーテンウォール」:建築基準法における帳壁の定義と背景


サッシカーテンウォールの種類と工法5選:マリオン方式からスパンドレルまで

カーテンウォールは材質と工法の組み合わせで多様な形をとります。材質上は大きく2つ、工法上は主に5つに分類されます。これを整理して理解しておくと、設計者・施工管理者・職人のあいだで同じ言語で話せるようになります。


材質による分類は次のとおりです。


- メタルカーテンウォール:アルミニウム・スチール・ステンレスなどの金属フレームとパネルで構成。アルミ製が現在の主流で、軽量・耐候性・意匠性のバランスが優れています。アルミとガラスを組み合わせた全面ガラス張りのタイプも広く普及しています。


- PCカーテンウォール(プレキャストコンクリート):工場で先行製造されたコンクリートパネルを現場に搬入して取り付けます。耐火・断熱・遮音性能に優れますが、メタルと比べると重量がある分、基礎や躯体への負荷計算が重要になります。美術館・公共施設・高級オフィスビルで多く採用されています。


工法による5つの分類については以下のとおりです。


| 工法名 | 特徴 | デザイン傾向 |
|--------|------|------------|
| マリオン方式(方立形式) | 縦部材(マリオン)を上下階に掛け渡し、パネルやガラスをはめ込む。現在の主流。 | 縦ラインが強調される |
| パネル方式 | 1枚パネルを並べてつなぐ。独立窓が均等に並ぶ。 | 規則的なグリッド感 |
| パネル組み合わせ方式 | パネルとガラス入り金属フレームを混在させてつなぐ。台風などの外力に強い。 | アクセントのある外観 |
| 柱・梁カバー方式 | 柱・梁を包むように組み合わせ、空いたスペースに窓ガラスを入れる。 | 縦横のラインが強調 |
| スパンドレル方式(腰壁形式) | 梁前面と腰壁をパネルで覆い、上下にガラスを入れる。水平連続窓のように見える。 | 横ラインが強調される |


工法の選択はデザインだけでなく工期・コスト・現場環境にも直結します。マリオン方式は最もデザインの柔軟性が高いですが、現場作業が多く施工管理項目も増えます。つまり工法選びは段取りにも影響します。


また、組み立て方式の観点では、部材ごとに現場で順次取り付ける「ノックダウン方式(スティック工法)」と、工場で階高分のユニットとして組み上げてから搬入する「ユニット方式」の2つが代表的です。ユニット方式はカーテンウォール面積1,000㎡で比較した場合、ノックダウン方式と比べて施工期間が約1/3に短縮できるという試算もあります(YKK AP 2024年)。コスト面ではユニット方式のほうが高くなりますが、工期短縮と現場管理の簡略化を優先するプロジェクトでは選ばれやすい方式です。


施工の神様「YKK AP 2030年までにビルの高断熱窓比率50%へ」:ユニット工法と工期短縮の試算データ


サッシカーテンウォールの耐震性能と層間変位:建築基準法の数字を正しく把握する

カーテンウォールが「地震に強い」というのはよく知られています。ただ、「なぜ強いのか」「どの程度まで対応できるのか」という数字を正確に把握している現場担当者は、実は多くありません。ここを正確に理解しておくことが、設計チェックや施工管理の精度に直結します。


建築基準法(昭和46年建設省告示第109号)では、高さ31mを超える建築物の帳壁について「その高さの1/150の層間変位に対して脱落しないこと」を義務付けています。仮に1フロア3mの階高であれば、3,000mm÷150=20mmの層間変位を許容できる設計にしなければなりません。


これはA4用紙2枚分の厚みをほぼ横並びにしたくらいのずれです。実際に柱・梁・外壁がすべてこれほどのずれに追従する必要があり、ファスナーと呼ばれる取付金物がこの動きを吸収する役割を担っています。


さらに日本建築学会の「高層建築技術指針」では、層間変位角1/300程度の段階からカーテンウォールの気密性水密性が低下しないよう考慮することが推奨されています。つまり、脱落しなければよいという話ではなく、性能維持の観点では1/300以内という、より厳しい基準が実務上の目安になっています。


耐震性能を確保するための追従方式は主に2種類あります。一つはロッキング方式で、ユニットが上部支持端を軸に回転して変位を吸収します。もう一つはスウェイ方式で、ユニット上部を固定し下部を左右フリーにしてスライドさせます。どちらの方式を採用するかは建物の構造特性や設計条件によって変わりますので、計算書を含む施工図への反映が必須です。


施工管理のポイントとして重要なのが、躯体付け金物の取付け位置の寸法許容差です。鉛直方向±10mm、水平方向±25mm以内が公共建築工事標準仕様書で




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