

耐薬品シーリング材と一口に言っても、実務でよく使われるのはポリサルファイド系、フッ素樹脂・フッ素ゴム系、変成シリコーン系、ブチル系など、樹脂によって性格が大きく異なります。
ポリサルファイド系は-40~120℃程度までの広い温度範囲で柔軟性と防水性を保ちながら、油や多くの薬品に強いことから、化学プラントやタンク周り、コンクリート構造物の目地に重宝されています。
フッ素系(フッ素樹脂・フッ素ゴム)をベースにした耐薬品シーリング材は、酸や溶剤、有機溶剤への耐性に非常に優れ、薄膜でも高い水蒸気バリア性と耐熱性・耐油性を発揮します。hermetic+2
一方、変成シリコーン系は住宅や一般建築物の目地・補修用として普及しており、接着性・耐候性に優れつつ、薬品に対しても一定の耐性を持つ「汎用寄りの耐薬品シーリング材」として位置付けられます。monotaro+1
ブチル系シーリング材は強い粘着性と耐水性を有し、配管・ダクト周辺や防水シートの継ぎ目、化学工場の補修など動きの少ない部位で高い耐薬品性を発揮します。
参考)工場の補修に使用するシーリング材の種類|現場ブログ|京都府密…
ただし、ブチル系は大きな伸縮が繰り返される目地ではひび割れが出やすいため、構造体の動きが読めない部位には、伸縮追従性の高いポリサルファイド系や変成シリコーン系を優先するのが無難です。szk-biso+1
耐薬品シーリング材を選ぶ際は、「薬品名だけで決めない」ことが重要で、濃度・温度・暴露時間・薬品の組み合わせを踏まえて候補を絞る必要があります。
同じ酸でも、低濃度の無機酸と高温・高濃度の有機酸では求められる性能が変わり、後者ではフッ素樹脂系やフッ素ゴム系のシーリング材が第一候補となるケースが増えています。
建築分野では、ガソリンスタンドの床やピット周り、薬品庫の土間目地には、耐油・耐薬品性に優れたポリサルファイド系が長年使われてきましたが、近年は変成シリコーン系の高性能品で代替するケースもあります。nurikae-no1+2
一方、食品工場や医薬品工場など「洗浄薬品」に長期間さらされる床や立ち上がりのシールでは、アルカリ洗浄剤・次亜塩素酸・過酢酸など複数の薬品に耐える必要があり、フッ素系シーリング材や専用の耐薬品コーティング材が採用される場面も増えています。hermetic+1
配管・ダクトのフランジ部や貫通部では、ブチル系やシリコーン系、変成シリコーン系のシーリング材に加え、テープ状のシール材やガスケットとの組み合わせで、薬品+圧力への耐性を確保していきます。ueda-up+1
このとき、シール材の耐薬品性だけでなく、金属側の腐食やライニング材との相性を含めて設計しないと、局部的な劣化や剥離が先に起きるため、単純な「カタログスペック比較」だけでは不十分です。szk-biso+1
耐薬品シーリング材は性能自体が高いため、施工不良があると「材料は高性能なのに数年で破断・剥離した」という事例が発生しやすく、特に目地設計とプライマー処理の質が寿命を大きく左右します。
高耐久タイプのポリサルファイド系やフッ素ゴム系は、一般のウレタンやシリコーンよりも粘度が高かったり硬化が遅かったりする製品もあり、メーカーが指定するプライマー・ジョイント幅・深さ・バックアップ材を守らないと、本来の伸縮性を活かしきれません。
よくある失敗として、薬品には強いが紫外線や熱に弱いグレードを屋外の露出部に使い、数年でチョーキングや表面ひび割れを起こすパターンがあります。tosouyasan13+1
逆に、耐候性・耐熱性に優れたシーリング材を選んだものの、薬液の種類を読み違えて軟化や膨潤が進行し、目地がふくらんで剥離につながるケースもあり、現場側の仕様書チェックが欠かせません。daikinchemicals+1
意外なポイントとして、薬品タンク周辺やプラント設備では「清掃時の高圧洗浄水」がシーリング材の寿命を縮めることがあります。ueda-up+1
高圧水が目地端部に繰り返し当たることで、端部から微細な剥離が進行し、そこに薬液が入り込んで加速度的に劣化するため、端部の面取りや押さえ仕上げ、保護コーキングの有無など、ディテール設計が重要になります。szk-biso+1
最近は、耐薬品シーリング材と同時に「シロキサンフリー」や「低アウトガス」が求められる現場が増え、特に電子機器や精密機器周辺の建築では、シロキサンガスによる接点不良を避けるためのシーリング材選定が重要になっています。
フッ素樹脂系やフッ素ゴム系のシーリング材には、シリコーン原料を使用しないノンシロキサンタイプがあり、過酷な薬液環境と同時にシロキサン対策をしたい設備まわりのシールとして有効です。
また、フッ素シーラントは薬品耐性だけでなく電気絶縁性や防湿性にも優れ、電子部品や半導体関連部品の封止材としての応用も検討されています。
参考)【開発品紹介】耐薬品性コーティング・封止材 フッ素シーラント…
このような材料は建築現場の目地材というより、制御盤内部やセンサー周辺の「マイクロスケールのシール」として使われ、建築設備とエレクトロニクスが交差する領域での活用が増えています。hermetic+1
もう一つの特殊ニーズとして、飲料水や食品に接触する可能性があるシール部では、水質基準適合品や食品衛生法対応品であることが求められる場合があります。taiheikasei+1
このような用途では、耐薬品性に加えて溶出成分の管理が重要になるため、一般の耐薬品シーリング材ではなく、明確に衛生基準に適合した製品を選ぶことが必須です。hermetic+1
耐薬品シーリング材は「長寿命だからノーメンテでよい」と誤解されがちですが、薬品環境にさらされる以上、定期点検と計画的な更新を前提に設計することが現実的です。
とくに、プラントや薬品庫では設備更新や配管改修のタイミングで目地の劣化が顕在化することが多く、シーリング材の寿命と設備のライフサイクルを合わせておかないと、足場や養生をやり直す二度手間が発生します。
実務的には、目視点検で光沢低下・表面のひび割れ・ふくらみ・ベタつき・端部の浮きなどの兆候を定期的にチェックし、薬品漏れや浸透が構造体に達する前に補修・打ち替えを行うのが基本です。tosouyasan13+1
このとき、局部補修に安易に異種シーリング材を使うと、既存材との相性問題で界面剥離や汚染が起こるリスクがあるため、同等品またはメーカー推奨の互換材を利用し、試験施工を経て本施工に移行する運用が望まれます。monotaro+1
さらに、耐薬品シーリング材の劣化は薬品側の条件変化(濃度アップ・洗浄頻度増加・新薬品の導入)によっても一気に進むことがあるため、設備側の運用変更があった際には、シーリング材の適合性を再確認するプロセスをルール化しておくと安心です。daikinchemicals+1
こうした運用を徹底することで、建築の躯体やライニング、配管類を薬品から守り、トータルのライフサイクルコストを抑えつつ、耐薬品シーリング材の性能を最大限に引き出すことができます。nurikae-no1+1
化学プラントや耐薬品性コーティング・封止材の詳しい特性については、フッ素シーラントの開発情報や薬品耐性データが掲載されている技術資料が参考になります。
フッ素シーラントの耐薬品性・耐湿性に関する技術解説(ダイキン工業)

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