

屋根用上塗り塗料を検討する際、まず押さえておきたいのが樹脂種による基本性能の違いです。 代表的な屋根用上塗り塗料としては、ウレタン、シリコン、フッ素、無機、そして近年標準になりつつあるラジカル制御型が挙げられます。
一般的に、価格と耐用年数はウレタン<シリコン<ラジカル制御<フッ素<無機という順で上がっていきます。 屋根は外壁よりも紫外線・熱・雨にさらされる負荷が大きいため、同じ建物でも屋根側には一段グレードの高い上塗り塗料を採用する設計が推奨されています。nuri-kae+3
屋根用上塗り塗料では、単純な耐候性に加えて遮熱・断熱・低汚染といった機能性が重視される傾向が強まっています。 代表的な遮熱屋根用上塗り塗料では、太陽光の近赤外線を反射する特殊顔料が用いられ、夏場の屋根表面温度を抑えることで室内温度上昇を軽減する設計になっています。
低汚染型の屋根用上塗り塗料は、親水性の高い塗膜や緻密な表面構造により、付着した汚れを雨水で洗い流しやすくする仕組みが採用されています。 これにより、勾配屋根や金属屋根で目立ちやすい雨だれ・筋汚れを抑え、実際の外観劣化スピードを遅らせることが可能です。japan-build+3
金属屋根やスレート屋根では、遮熱・低汚染機能を持つシリコン、フッ素、無機系の屋根用上塗り塗料を組み合わせることで、熱・汚れ・退色をトータルに抑える仕様が現場での定番になりつつあります。 ただし、遮熱性能は色によっても差が出るため、淡彩色と濃色では同じ屋根用上塗り塗料でも体感温度差が変わる点に注意が必要です。tosouyasan13+4
遮熱・機能性塗料の技術資料に詳しい解説があります。
屋根塗装が必要な時期と塗料の種類や耐用年数(Japan Build)
屋根用上塗り塗料は、単体の性能だけでなく下塗り・中塗りとの組み合わせで初めて設計値どおりの耐久性を発揮します。 屋根塗装では高圧洗浄後、素地や既存塗膜に適合したシーラー・プライマーなどの下塗りを行い、そのうえに中塗り・上塗りを重ねる3回塗りが標準とされています。
特にスレート屋根では、下塗り材が十分に浸透していないと上塗り塗料の吸い込みムラが生じ、所定の膜厚を確保できず早期退色や剥離の原因になります。 また、金属屋根ではサビ止め下塗りの選定と塗布量が不十分だと、いくら高耐候な屋根用上塗り塗料をかけても、下地からの錆び出しによって早期不具合を招きます。m-kensou+2
屋根用上塗り塗料の施工では、ローラー圧を一定に保ち、谷部・重なり部・役物周りを先行刷毛塗りで押さえることで、雨筋跡や塗り残しを防ぐことができます。 タスペーサーを挿入したスレート屋根では、上塗り塗料が詰まって毛細管現象を起こさないよう、部材周囲のダマやたまりを抑える塗り方も重要なポイントです。kousei-tokyo-hachioji+2
屋根塗装工程の写真付き解説が参考になります。
屋根塗装の基本工程と中塗り・上塗りの役割(MK塗装工房)
屋根用上塗り塗料の選定では、建物の用途・立地・既存屋根材・求められるライフサイクルコストなどを総合的に考える必要があります。 一般住宅では、コストと耐久性のバランスが良いシリコン系やラジカル制御型の屋根用上塗り塗料が選ばれることが多いですが、沿岸部や工場密集地など厳しい環境ではフッ素・無機系を検討する価値があります。
スレート屋根で築年数が進み吸水が目立つ場合は、浸透性の高い下塗りを複数回入れたうえで、遮熱機能付きシリコンまたはラジカル制御型屋根用上塗り塗料を組み合わせる仕様が現実的です。 ガルバリウム鋼板などの金属屋根では、下地の錆状況を確認したうえで、弱溶剤系の遮熱フッ素・遮熱無機系上塗りを選定することで、長期的な再塗装周期の延長が期待できます。mko-kikaku+5
| 屋根条件 | 推奨されやすい屋根用上塗り塗料 | ポイント |
|---|---|---|
| 一般住宅・郊外・スレート屋根 | ラジカル制御型シリコンまたはシリコン+遮熱機能付き | コストと耐久のバランスを取りつつ、夏場の室温上昇を抑える。 |
| 沿岸部・工場地帯・金属屋根 | 弱溶剤系フッ素または無機・遮熱タイプ | 塩害・排気ガス・高温環境への耐性重視で、下塗りの防錆性能も強化する。 |
| 賃貸物件・短期売却予定 | シリコンまたはコストを抑えたラジカル制御型 | 初期投資を抑えつつ、売却時の見栄えと説明材料を確保する。 |
| 長期保有前提の自社ビル | フッ素または高耐久無機+遮熱・低汚染 | 長期サイクルでの足場費・機会損失も含めたトータルコスト最小化を狙う。 |
ライフサイクルコストで比較すると、初期費用が高い屋根用上塗り塗料でも、足場費や営業停止リスクを考えると長期耐久型のほうが総額を抑えられる事例も多く見られます。 そのため、見積もり段階で「1回あたりの工事費」だけでなく「何年で何回塗り替える前提か」という時間軸を含めた提案が、建築従事者の付加価値になりやすいと言えます。tosouyasan13+3
屋根塗料の種類と費用感の整理に役立つ資料です。
屋根塗料の種類と特徴の比較(ヌリカエ)
屋根用上塗り塗料を活かし切るには、「劣化してから慌てて塗る」受け身の維持管理から一歩踏み込み、早めのメンテナンスで屋根全体の寿命を引き延ばす発想が有効です。 屋根材や下地が限界まで劣化してから高級な屋根用上塗り塗料を施工しても、期待どおりの期間もたないケースがあり、結果として高コスト体質になることも少なくありません。
そこで、外観の色あせやチョーキングが目立ち始めた段階で、適切な下地補修とグレードの高い屋根用上塗り塗料を組み合わせることで、屋根材そのものの交換時期を後ろ倒しにする“攻めのメンテナンス”が有効になります。 特に、無機・フッ素・ラジカル制御といった高耐候な屋根用上塗り塗料は、早めに打っておくことで、屋根材や下地への紫外線ダメージを大幅に抑制できるポテンシャルがあります。nuri-kae+3
こうした「いつ・どのグレードの屋根用上塗り塗料を選ぶか」という中長期の視点を、オーナーにシミュレーション付きで伝えられると、単価競争に巻き込まれにくい提案につながります。 塗料メーカーの技術資料には、温度低減データや耐候性試験データが多数公開されているため、それらを活用して説得力のある図解や資料を用意しておくと、提案の通りやすさが大きく変わります。takase-t+4
耐候性データや仕様選定のヒントが掲載されています。
塗装箇所別 塗料の特徴と耐用年数(塗装屋さんの選び方)