

室内壁のパテ処理では、下塗り用パテで大きな段差やビス頭を埋めたあとに、中付けパテで面をフラットに整え、仕上げパテで細かなピンホールを消していく三層構成が一般的です。中付けパテは「厚付けだと削りきれない」「仕上げだけでは凹凸が残る」という中間領域を受け持つため、後工程のクロス糊の乗りや塗装の艶ムラを抑えるクッションとして機能します。
中付けパテを省略して下塗りから仕上げに飛ばすと、下塗りパテの粗い粒子が表面にひびいてクロスに気泡やシワが入りやすくなり、塗装の場合は研ぎ跡がそのまま陰影になって「見た目が落ち着かない壁」になりやすいのが実務上のリスクです。また、中付けをきちんと入れておくと後日の部分補修でも段差が出にくく、張り替え時のパテ追いも少なくて済むため、長期的なメンテナンス性にも影響します。machiyane-wakayama+1
石膏ボード下地の室内壁では、まずケレンや清掃で脆弱な塗膜や粉じんを落とし、目荒し(足付け)で表面に細かな傷を付けてからパテ処理に入るのが基本です。中付けパテの段階では、下塗りよりも細かい粒度のパテを5号程度のパテベラで均一にしごき、ジョイント部から両側に広げるように塗り伸ばすと、研磨後の「パテの島」が出にくくなります。
施工手順としては「下準備→下塗り→中塗り(中付け)→上塗り→研磨→清掃→シーラー」の流れが推奨されており、中付けでは硬化収縮と研ぎ代を見越して、必要以上に厚く盛らないのがポイントです。室内壁では、ビス頭やジョイントに加えて、コンセントボックスまわり・下地の段差・ボードの欠けも中付けのタイミングで面を揃えておくと、クロス貼りや塗装時の「ここだけ浮いて見える」箇所をかなり減らせます。office-ball+2
巾木・廻り縁は、壁と床・天井との境目を隠しつつ、掃除機の衝撃や仕上げ材の端部を保護する部材であり、その取り合い部のパテ処理が甘いと完成後にクラックや隙間が目立ちやすくなります。巾木上部の壁面は、後で巾木が隠すからとパテを途中で止めがちですが、止め位置が巾木の上端ギリギリだと線状の段差が出てクロスの陰影になり、巾木交換時にも境目が露出してしまうため、実務では巾木高さを見込んで少し上まで中付けパテを伸ばしておく方が安全です。
廻り縁まわりでは、天井板と壁の動きの違いから境目にヘアークラックが入りやすく、パテをしっかり効かせすぎると「固めすぎ」による追従不足を起こすことがあります。そのため、中付けパテの厚さを欲張らず、動きやすいジョイント部には弾性シーリングと併用する、巾木・廻り縁の材質や固定ピッチに合わせてパテの端部を「面で止めずに、わずかにテーパーで逃がす」といった工夫が、細かな割れを防ぐうえで有効です。machiyane-wakayama+2
中付けパテの研磨では、当て板にサンドペーパーを巻いて平面を保ちながら削ることで、局所的な削りすぎを防ぎ、広い面での反りを抑えられます。番手の選定としては、中付け段階で中目〜細目を使い、仕上げパテに移る前に段差を「触って分からないレベル」まで追い込んでおくと、上塗りやクロス貼りの際に光がスジを拾いにくくなります。
意外と見落とされがちなのが「乾燥時間の取り方」で、中付けパテが内部まで乾く前に研ぎや仕上げを進めると、後から収縮が進んで面が落ちたり、ピンホールが開きやすくなります。特に冬場や湿度の高い現場では、メーカー標準より長めの乾燥時間を設定し、機械換気や送風で乾燥を助けるなど、現場条件に合わせたタイムスケジュールの調整が仕上がり品質に直結します。monotaro+2
室内壁の中付けパテでよくあるトラブルとしては、クロス貼り後にジョイントラインが浮いて見える、ビス位置だけが丸く影になって出てくる、パテの境目にうっすら筋が入る、といった症状があります。これらは下塗りと中付けの幅が狭い、研磨時にエッジだけ削りすぎて「山」と「谷」を作ってしまう、中付けの範囲と仕上げパテの範囲が不統一で光の当たり方に差が出ている、など複合的な要因が絡んでいるケースが多いです。
マニアックな予防策として、目立ちやすい壁(大きな掃き出し窓の横、ダウンライト直下の壁、入って正面になるアクセントウォールなど)は、石膏ボード一枚の中でも「特に視線が集まる帯」を意識して、中付けパテを通常より広めにしごく方法があります。また、巾木・廻り縁を取り付ける前に、そのラインに沿ってライトを斜めから当てて「影テスト」を行い、微妙な段差を事前にあぶり出して再パテ・再研磨しておくと、引き渡し後の「光の条件によっては気になる」といったクレームをかなり減らせる実践的なテクニックです。
中付けパテを含むパテ処理全体の基礎と作業フローの整理に有用な解説(パテの種類・手順の参考)。
内装工事の仕上がりに影響する!パテ処理の重要性と施工方法
パテの種類や盛り付け・研磨の基本動作、工具の使い分けを確認する際に有用な解説(工具や作業工程の参考)。
パテの種類と使い方
中粘度エポキシ樹脂注入材は、一般に「注入エポキシ樹脂―硬質形―中粘度形」や「軟質形―中粘度形」といった区分で規格化されており、硬化後は高い接着強度と適度な変形追従性を持つのが特徴です。
低粘度品が0.2mm未満の微細ひび割れ充填に向くのに対し、中粘度品は0.2〜1.0mm程度のひび割れや比較的大きな空隙を伴うクラックに対して、充填性と止水性のバランスが良く、構造的な一体化を狙った補修に用いられます。
また、中粘度エポキシ樹脂注入材の中には揺変性(チキソ性)を持つ製品があり、圧送中はよく流れ、注入停止後はタレにくくなるため、垂直面や天井面のひび割れ補修でも樹脂の流出や垂れ跡を抑制できます。library.jsce+1
さらに、可とう性を有する軟質タイプの中粘度樹脂は、完全にひび割れ進展が止まっていない構造物に対しても防水性を保ちつつ追従しやすく、変位が残るスラブや外装仕上げ部のひび割れ補修に採用されるケースが増えています。aica+1
中粘度エポキシ樹脂は注入性の観点から「ポンプ圧送で安定して動く粘度域」に設計されているため、自動式低圧注入工法やホース式の圧入工法に適しており、現場での作業時間短縮と品質の均一化に寄与します。sb-material+1
一方で、ひび割れ幅に対して粘度が高すぎると、表面シールの裏側や鉄筋周りで空隙が残るリスクがあるため、設計図書や現地調査で幅分布を把握したうえで、低粘度品との併用や段階的注入を検討することが重要です。fukuda-jt+1
コンクリート構造物のひび割れ注入材に求められる性能や、ひび割れ幅と粘度の関係を整理した技術論文。
コンクリートのひび割れ注入材・揺変性中粘度エポキシ樹脂の検討
参考)http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2011/66-05/66-05-0021.pdf
中粘度エポキシ樹脂注入材を選定する際は、JIS A 6024「建築補修用及び建築補強用エポキシ樹脂」における区分を確認し、「注入エポキシ樹脂―硬質形―中粘度形」や「注入エポキシ樹脂―軟質形―中粘度形」といった表示認証の有無をチェックすることが基本です。
規格では接着強さ、引張強さ、引張破壊伸び、硬化収縮率、加熱後の質量変化率・体積変化率などが規定されており、これらの値を比較することで、構造補修向きの高強度タイプか、変形追従や防水性を重視した可とうタイプかを見極められます。
例えば、引張破壊伸びが10%以下で圧縮強さが高いタイプは、ひび割れを「完全に閉じて一体化させる」目的の補修に向いており、梁やスラブの曲げひび割れ補修などで採用されることが多いとされています。abc-t+1
一方、伸びが50%以上と大きい中粘度エポキシ樹脂は、ひび割れの進行が完全には止まっていない箇所や、若干の動きが予想される外装面の補修に適しており、再ひび割れ時の漏水リスクを抑えたい場合に有効です。aica+1
官庁仕様書や施工管理要領では、中粘度形の注入材について「土木補修用エポキシ樹脂注入材2種」などの分類で適合品が示されていることがあり、特定工事ではその記載が事実上の選定条件になるため、カタログのJIS表示だけでなく、どの要領・基準に適合しているかまで確認することが重要です。gigaplus.makeshop+2
また、製品データシートには粘度のほかに「チキソトロピックインデックス」などの値が掲載されている場合があり、この数値が高いほど揺変性が強く、垂直面・天井面でタレを抑えやすい傾向にあるため、施工姿勢を踏まえた材料選定に役立ちます。inoueshoji+1
JIS A 6024の区分や試験項目を一覧できる規格解説ページ。
JIS A 6024:2015 建築補修用及び建築補強用エポキシ樹脂
参考)JISA6024:2015 建築補修用及び建築補強用エポキシ…
中粘度エポキシ樹脂注入材は、自動式低圧樹脂注入工法で用いられることが多く、専用のパックやホースに所定圧力を保持しながら、ひび割れの奥まで樹脂を送り込むのが基本的な施工スタイルです。
この工法では、ひび割れの表面にシール材で目止めを行い、一定間隔で取付けた注入ポートから中粘度樹脂を圧入していくため、事前のひび割れ洗浄と乾燥、ポート間隔の設定、シール材の硬化時間管理が重要な工程となります。
低圧注入で中粘度エポキシ樹脂を扱う場合、可使時間内に注入を完了できるかが品質の鍵になるため、主剤・硬化剤の混合開始時刻と注入完了時刻を記録し、粘度上昇が始まる前に全てのポートへ樹脂を行き渡らせる段取りが求められます。data.jci-net+2
特に冬期や低温環境では、カタログに記載された可使時間や粘度が標準温度(20〜23℃付近)での値であることが多いため、現場温度に応じて冬用グレードを選ぶ、あるいは材料の事前保温を行うなどの工夫が欠かせません。data.jci-net+1
注入状況の確認では、樹脂が次のポートから吐出するかどうかを目安に、順次加圧・停止を繰り返しながら、ひび割れ内部に「空気の袋」が残らないように圧送順序を計画する必要があります。fukuda-jt+1
また、揺変性中粘度樹脂を使用する場合、圧送停止後に粘度が回復してタレや流出が抑えられる反面、急激な再加圧を行うと局所的な応力がかかり、既存コンクリートとの界面に微細な空隙を生じるおそれがあるため、圧力変化を緩やかに行う配慮が有効です。library.jsce+1
自動式低圧樹脂注入工法用中粘度エポキシ樹脂の技術データと施工条件の解説。
自動式低圧樹脂注入工法用・揺変性エポキシ樹脂 ボンドE207D技術資料
参考)https://gigaplus.makeshop.jp/kensaku/asset/pdf/e207_productguide_technicaldata.pdf
ひび割れ補修においては、「低粘度」「中粘度」「高粘度」のエポキシ樹脂をひび割れ幅や構造条件に応じて使い分けることが推奨されており、0.1〜0.2mm未満の微細クラックにはシール材充填や超低粘度注入材、0.2〜0.3mm以上のひび割れには中粘度系樹脂が適用されるケースが一般的です。
高粘度エポキシ樹脂はモルタル浮きやタイル浮き部への注入、ジャンカ補修など、空隙の大きい箇所に対してグリスポンプなどで加圧注入する用途に向いており、中粘度品はその中間域として「ひび割れ補修と浮き補修の両方をある程度カバーする」位置づけを担います。
中粘度エポキシ樹脂注入材の現場でのメリットは、低粘度品に比べて充填後の止水性が高く、樹脂の流出や漏れが少ない点にありますが、その一方で、目止め不良や配管部の微細な漏れがあると、そこから樹脂がにじみ出して内部充填量が不足しやすいという特徴もあります。sb-material+2
そのため、低粘度品との二段階注入(先に低粘度で奥を満たし、次に中粘度で口元周辺を充填する)や、ひび割れ幅が変動する箇所では幅ごとに材料を変えるなど、クラックの性状に応じた組み合わせ方を検討することで、補修後の一体性と耐久性を高めることができます。aica+2
さらに意外なポイントとして、同じ「中粘度」区分でも製品ごとの粘度レンジは大きく異なり、例えば1,000mPa・s台のものから1万mPa・sを超えるものまで存在するため、「中粘度」のラベルだけに頼らず、具体的な粘度値と使用温度帯を確認することが重要です。abc-t+2
また、樹脂の色や透明度も施工後の検査性に影響し、淡黄色半透明と無色透明では硬化後のクラック追跡のしやすさが変わるため、仕上げ前の検査方法や仕上材との相性も含めて材料を選ぶと、後工程のトラブル防止につながります。inoueshoji+1
建築用エポキシ樹脂系注入材シリーズの物性表と用途別の使い分け例。
建築用エポキシ樹脂系注入材 クリートボンド#11シリーズ
参考)クリートボンド #11/#11-N/#11-G(建築用エポキ…
中粘度エポキシ樹脂注入材の中には、引張破壊伸びが50%以上と大きく設計された可とう性タイプがあり、通常の硬質エポキシでは追従しにくい「わずかな動きの残るひび割れ」に対して、防水性と付着性を両立させる目的で用いられています。
このタイプは、ひび割れの進行が完全には止まっていない構造物や、温度変化・乾燥収縮による繰り返しの微動が残るスラブ・外壁・タイル下地などで、ひび割れ幅の再開閉があっても樹脂自体が破断しにくいという特徴を持ちます。
現場での独自の活用例として、可とう性中粘度エポキシ樹脂注入材を「一次防水層」と位置づけ、その上に別系統の表面保護材や塗膜防水を組み合わせることで、二重の水止めを狙うケースがあります。
ひび割れ内部を可とう性エポキシで充填しつつ、表層をウレタンやアクリルゴム系の塗膜でカバーすることで、微小な再ひび割れが生じても水の浸入経路を複線化し、鉄筋腐食や仕上材剥離のリスクを低減できると報告されています。inoueshoji+1
また、可とう性中粘度エポキシ樹脂注入材は、完全な構造補強ではなく「耐久性向上と漏水防止」を主目的とした補修に適しているため、長期供用が想定されるインフラ構造物や、高価な仕上材が施工された外装部でのライフサイクルコスト低減策としても検討する価値があります。data.jci-net+1
ただし、硬質エポキシに比べて弾性が高い分、構造部材としての剛性寄与は限定的であるため、荷重伝達や耐震性能の観点から補強効果を期待する場合には、別途炭素繊維シートや鋼板接着などの補強工法と組み合わせて設計する必要があります。kikakurui+1
可とう性中粘度エポキシ樹脂の用途や物性、適用シーンをまとめた技術資料。
可とう性・揺変性エポキシ樹脂注入材 技術データシート
参考)https://www.inoueshoji.jp/inoueshoji-pics/10004500.pdf

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