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ノックピンとは、二つ以上の部品やプレートの相対位置を正確に決めるために穴に圧入して用いる円筒形の位置決めピンで、ダウエルピンやだぼピンとも呼ばれる機械要素である。
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建築分野では主に金物・治具・製作金属部材の接合で使われ、ボルトやビスがせん断力を受ける前にノックピンが位置ずれやせん断力の一部を負担することで、締結部のガタと長期的な変形を抑える役割を果たす。
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ノックピンは通常、部材側の穴よりわずかに大きい径精度で製作され、圧入したときの弾性変形による面圧と摩擦力によって抜け止めと位置決め精度を確保するため、穴径とピン径の公差の設計が性能を大きく左右する。
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ノックピンの代表的な種類は、径が一定のストレートタイプと、軸方向に向かってわずかに太くなるテーパータイプで、どちらも位置決め用途だが締結力と抜きやすさのバランスが異なる。
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ストレートタイプのノックピンはJIS B1354の平行ピンに近い精度を持ち、繰り返しの着脱で同じ位置に戻したい場面に適しており、金型や治具のプレート間だけでなく建築金物の基準位置出しにも転用しやすい。
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テーパータイプのノックピンやテーパーピンは、圧入方向に楔のように締まり込むため高い締結力を得られる一方、振動や衝撃で緩むリスクがあるとされ、建築では恒久固定よりも一時的な治具や解体を前提とした位置決めに向いている。
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建築現場では、鉄骨柱脚ベースプレートとアンカーボルト位置決め用の鋼板治具、手すりやカーテンウォールのブラケット、各種金物の取付ベースの製作時にノックピンを仕込んでおくことで、現場での芯ズレや角度ズレを抑えることができる。
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ノックピンによる位置決めでは、二本のピンをできるだけ離して配置すると加工誤差の影響を小さくでき、さらに二本のピン位置をあえて非対称にしておくことで部材の反転誤組立を防ぐフールプルーフとしても機能させられる点が、金型設計でのセオリーとして知られている。
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厚いプレートにノックピンの穴を加工する際は、ピン径の三倍を超える深さにしても精度的・経済的なメリットはほとんどなく、保持部長さは径の二倍程度を目安に設計するのが良いとされ、これは建築用ベースプレートやブラケットでも同様の考え方として応用できる。
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ノックピンと似た用途のピンとして、板バネを丸めたスプリングピンや段付きピンがあり、位置決めと固定の両方に強いノックピンに対して、スプリングピンは固定力重視、段付きピンは位置決め専用に近い性格を持つと整理されている。
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スプリングピンは呼び径より約一割太く加工され、挿入時に縮むことで強い摩擦力を発生させるため、建築金物のように振動を受ける締結やストッパー用途にも向くが、位置決め精度ではノックピンに劣るとされるため、仕上げ精度を要求される冶具の基準出しにはノックピンが選ばれる。
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ノックピン・段付きピン・スプリングピン・テーパピンを比較すると、位置決め性能と固定性能の両立が必要なときはノックピンかテーパピン、位置決めだけなら段付きピン、固定だけならスプリングピンが推奨されるため、建築設計では要求機能と施工性を整理してから選定することが重要になる。
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ノックピンを建築ディテールに応用する際の意外なポイントとして、金型・機械用JIS平行ピンよりも金型用ダウエルピンの方が高精度に管理されていることから、内装什器や精密設備架台などで建築側図面にJIS番号まで指定しておくと、施工段階の取付バラつきを大きく減らせる可能性がある。
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一方で、プレートを三枚以上ノックピンで貫通させると、中間プレートの穴をバカ穴にしても位置決め精度が低下し、四枚以上では精度面から避けるべきとされているため、多層の鋼板やブラケットを重ねる建築ディテールでは、むやみに一本のピンで貫通させず基準面を分けた方が安全になる。
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また、ノックピンで側面からの横荷重を直接受け止める設計は本来の使い方ではなく、想定外の荷重でピンや穴が変形して位置決め精度が崩れるリスクがあるため、風荷重や地震力を負担する部位ではあくまでボルト・溶接主体とし、ノックピンは基準出しの補助として位置決め中心に使うのが望ましい。
ノックピンとJIS平行ピンの規格・公差のより詳しい数値を確認したい場合は、JIS B1354の解説ページが参考になる部分です。
JISB1354:2012 平行ピン - 日本産業規格の簡易閲覧

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