nokオイルシール寸法表一覧と型式選定ガイド

nokオイルシール寸法表一覧と型式選定ガイド

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nokオイルシール寸法表一覧と型式選定

NOKオイルシール完全ガイド
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型式別寸法表

TC型、SB型、SC型など主要型式の詳細寸法データ

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メーカー対照表

NOK、武蔵、KOYO等の型式対応関係

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建築現場での選定法

現場条件に応じた最適な型式選択

nokオイルシールTC型の寸法表と特徴

TC型は、NOKオイルシールの中でも最も汎用性が高い型式として建築現場で広く使用されています。この型式は、油用でダストがある場合のシールに適しており、圧力上限は0.03MPa(0.3kgf/cm²)となっています。

 

TC型の主な特徴。

  • ダブルリップ構造による高いシール性能
  • 軽微なダスト環境での使用に最適
  • 回転軸用として設計
  • 温度範囲:-40℃~+120℃(標準仕様)

建築機械では、油圧ショベルの旋回モーター部分やクレーンの駆動部など、粉塵が多い環境で威力を発揮します。TC型の寸法表では、内径は6mmから500mmまでの幅広いサイズがラインナップされており、外径と厚さも用途に応じて最適化されています。

 

特に注目すべきは、TC型がJIS規格のD型(4種)、ISO規格、JASO規格のD型に対応している点です。これにより、海外製の建設機械部品との互換性も確保されており、緊急時の部品調達において大きなメリットとなります。

 

nokオイルシールSB型とSC型の使い分け

SB型とSC型は、どちらもS型(シングルリップ)カテゴリーに属しますが、構造と用途に明確な違いがあります。建築現場での適切な選択には、この違いを理解することが重要です。

 

SB型の特徴。

  • 金属環の外周が露出した構造
  • ダストが軽微な環境での使用
  • JIS規格SM型(2種)に対応
  • 比較的低コストでの導入が可能

SC型の特徴。

  • 金属環が完全に被覆された構造
  • ダストのない清浄な環境での使用
  • JIS規格S型(1種)に対応
  • より高精度なシール性能

建築現場では、コンクリートミキサー車の油圧システムなど、比較的清浄な環境ではSC型を、建設機械の足回り部分など粉塵環境ではSB型を選択するのが一般的です。

 

メーカー対照表によると、SB型はNOK以外では武蔵オイルシール工業のHMS、CRS、YSN型、KOYOのMS、AK型などが相当品となります。緊急時の代替品調達時に、この情報は非常に有用です。

 

nokオイルシール型式対照表の活用法

NOKオイルシールの型式対照表は、建築現場でのメンテナンス作業において欠かせないツールです。特に、複数メーカーの機械が混在する現場では、各社の型式対応関係を把握することで効率的な部品管理が可能になります。

 

主要メーカーとの対照関係。

  • NOK TC型 ⇔ 武蔵オイルシール MHSA型 ⇔ KOYO SD型
  • NOK SB型 ⇔ 武蔵オイルシール HMS型 ⇔ KOYO MS型
  • NOK VC型 ⇔ 武蔵オイルシール MH型 ⇔ KOYO SO型

国際規格との対応も重要なポイントです。TC型はISO TYPE4、JIS D型、JASO D型に対応しており、国際的な建設プロジェクトでも統一された規格で部品調達が可能です。

 

また、旧JIS規格との対応関係も記載されているため、古い建設機械のメンテナンスにも対応できます。例えば、TC型は旧JIS規格のPJ型に相当し、30年以上前の機械でも適切な代替品を見つけることができます。

 

型式対照表を活用する際のポイント。

  • 詳細仕様は各メーカーで異なる場合があるため注意
  • 材質やゴム硬度の確認も必要
  • 緊急時以外は純正品の使用を推奨

nokオイルシールZF型の特殊用途と寸法データ

ZF型は、プランマブロックの台形溝用グリースシールとして特化した型式で、建築現場ではあまり知られていない特殊なオイルシールです。しかし、特定の機械では重要な役割を果たしています。

 

ZF型の詳細寸法データ(一部抜粋)。

  • 内径10mm、外径21mm、厚さ4.2mm(AZ0264-E0)
  • 内径25mm、外径38mm、厚さ5.5mm(AZ1304-H0)
  • 内径50mm、外径67mm、厚さ7mm(AZ2845-F0)
  • 内径100mm、外径125mm、厚さ11mm(AZ4061-F0)

ZF型の特徴。

  • プランマブロック専用設計
  • グリース潤滑に最適化
  • 台形溝への確実な装着
  • ニトリルゴム材質による耐油性

建築現場では、タワークレーンのマスト部分やエレベーター昇降機構など、プランマブロックが使用される箇所でZF型が活用されています。軽微なダスト条件下では、ZT型の使用が推奨されており、現場環境に応じた選択が重要です。

 

寸法範囲は内径10mmから380mmまでと幅広く、大型建設機械にも対応可能です。厚さは4.2mmから19.1mmまでの設定があり、取り付けスペースの制約にも柔軟に対応できます。

 

nokオイルシール選定時の建築現場での実践的注意点

建築現場でのNOKオイルシール選定には、カタログスペックだけでは分からない実践的な注意点があります。現場経験を基にした選定ポイントを解説します。

 

環境条件による選定基準。

  • 粉塵レベル:軽微→SC型、中程度→SB型、重度→TC型
  • 温度条件:-20℃以下の寒冷地ではフッ素ゴム材推奨
  • 圧力条件:0.03MPa超過時は特殊仕様の検討必要
  • 化学物質:コンクリート添加剤との適合性確認

建築現場特有の問題として、セメントダストによるシール面の摩耗があります。一般的なカタログ寿命の60-70%程度を目安とした交換計画が現実的です。

 

取り付け時の実践的な注意点。

  • 軸の表面粗さ確認(Ra 0.2-0.8μm推奨)
  • 取り付け工具の材質(樹脂製推奨、金属製は傷つけるリスク)
  • シール剤の併用(高粉塵環境では液状ガスケット併用)
  • 回転方向の確認(逆回転は早期劣化の原因)

在庫管理のコツ。

  • 主要型式の1サイズ上下も準備
  • 緊急用として他社相当品の型番メモ
  • 高温・低温用材質の使い分け準備
  • 定期交換部品としてのロット購入検討

建築現場では、機械の稼働率が収益に直結するため、適切なオイルシール選定と計画的な交換が重要です。NOKの寸法表と型式対照表を活用し、現場条件に最適な製品選択を行うことで、機械の信頼性向上とメンテナンスコスト削減を両立できます。

 

参考:NOKオイルシール技術資料の詳細情報
https://www.sakura-seal.co.jp/category/2024994.html
参考:オイルシールメーカー型式対照表の完全版
https://www.packing.co.jp/OILSEAL/oilsealmakerkata1.htm