石材寸法一覧完全ガイド建設現場で使える規格表

石材寸法一覧完全ガイド建設現場で使える規格表

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石材寸法一覧

石材寸法選びのポイント
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規格寸法の確認

JIS規格と慣用規格の違いを理解して適切な石材を選択

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尺貫法の理解

石材業界で使用される寸・尺の単位換算をマスター

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用途別の選択

施工箇所に応じた最適な石材寸法の決定方法

石材の規格寸法種類と基本分類

石材の寸法規格は大きく分けてJIS規格と慣用規格の2つに分類されます。不動産・建設業界では用途に応じて適切な石材寸法を選択することが重要です18。

 

JIS規格による石材分類

  • 角石:建物の角部や基礎に使用
  • 板石:床材や壁材として利用
  • 間知石:土留めや法面保護
  • 割石:造園や外構工事

角石の標準寸法は厚さと幅で分類され、「12の15」「15の18」「15の21」「15の24」「15の30」「18の30」の規格があります。これらの数値は厚さ×幅をcm単位で表しており、長さは91cm、100cm、150cmが標準です。

 

板石については、幅30cm、40cm、45cm、50cm、55cm、60cm、65cmの規格があり、厚さは8〜15cmの範囲で設定されています。特に300×300×20mmサイズは住宅外構で頻繁に使用される規格です。

 

間知石は控長によって「35間知」「45間知」「50間知」「60間知」に分類され、それぞれ表面積の要件も定められています。控長35cm以上で表面積620c㎡以上が35間知の基準となります。

 

石材の尺貫法単位換算表

石材業界では現在でも尺貫法が広く使用されており、正確な換算知識が必要です。メートル法が一般的な現代でも、石材の発注や見積もりでは尺寸表記が標準となっています。

 

基本換算表

  • 1尺 = 約30.3cm
  • 1寸 = 約3.03cm
  • 1分 = 約3.03mm

具体的な換算例として、8寸角の竿石は約24.2cm角、9寸は約27.3cm角、10寸(1尺)は約30.3cm角となります。この知識は墓石だけでなく、建築用石材の発注でも必須です。

 

大谷石の規格では、独特の名称が使用されています。

  • 五六石(ごろく):150×180×900mm - 笠木や根石用
  • 五七石(ごしち):150×210×900mm - 笠木や根石用
  • 四十石(よんとお):120×300×900mm - 石塀や敷石
  • 五十石(ごとお):150×300×900mm - 車道対応敷石

これらの名称は寸法の一部を表しており、例えば「五六石」は5寸×6寸を意味しています。現場での発注ミスを防ぐため、必ずmm単位での確認も行うことが重要です。

 

石材の体積については「才」という単位が使用され、1才は1尺立方(約28リットル)です。10才で1石(コク)となり、これは墓石や大型石材の見積もりで使用されます。

 

石材のJIS規格寸法基準

日本産業規格(JIS A 5003:1995)では、石材の物理的性質と寸法が厳格に定められています。この規格は建設現場での品質保証と安全確保のために制定されました。

 

圧縮強度による分類

  • 硬石:4,903N/c㎡以上(見掛比重2.5〜2.7g/c㎡)
  • 準硬石:981〜4,903N/c㎡未満(見掛比重2.0〜2.5g/c㎡)
  • 軟石:981N/c㎡未満(見掛比重2.0g/c㎡未満)

板石の標準寸法では、厚さ8〜15cmの範囲で複数の幅が規定されています。30cm幅では厚さ8〜12cm、40cm幅では厚さ10〜15cmが標準です。これらの規格は建物の荷重計算や構造設計で重要な参考値となります。

 

間知石の寸法測定では、欠点部分を除いた最小部分を測ることが規定されています。また表面より最小限控長の距離における断面積は、表面積の1/6以上でなければならないという構造要件があります。

 

割石については「30割石」「35割石」「40割石」の3種類が規格化されており、控長と表面積の両方に基準が設けられています。これらは土木工事や造園工事で頻繁に使用される規格です。

 

近年では環境負荷を考慮した石材選択も重要となっており、運搬コストや加工エネルギーを削減できる地場石材の活用が推奨されています。

 

石材の用途別寸法選択指針

建設プロジェクトでは用途に応じた適切な石材寸法の選択が、コスト管理と品質確保の両面で重要です19。特に不動産開発では、美観と機能性を両立させる寸法選択が求められます。

 

外構・造園用石材
ピンコロ石は90×90×90mmが基本サイズで、半丁掛(90×90×45mm)や二丁掛(90×190×90mm)のバリエーションがあります。歩道や駐車場の境界石として使用される場合、車両荷重を考慮した厚さ選択が必要です。

 

縁石については歩車道境界タイプと地先境界タイプで寸法が異なります。歩車道境界では150×200×600mmから180×300×600mmまでの規格があり、交通量に応じた選択が重要です。

 

内装・床材用石材
板石の内装使用では、300×300×20mmが最も汎用的なサイズです。ただし、大型商業施設では600×600mmや300×600mmの大判サイズが空間の高級感を演出するために選ばれています。

 

御影石については、白御影、グレー御影、サビ御影など色調による分類もあり、それぞれ価格帯が異なります。設計段階での色調と寸法の同時検討が重要です。

 

特殊用途石材
墓石では8寸角(約242mm角)が一般的ですが、近年は9寸角(約273mm角)以上の大型化傾向があります。これは家族構成の変化と墓域の区画拡大に対応したものです。

 

土木工事用の間知石では、法面の勾配と土圧を考慮した控長選択が必要です。35間知(控長35cm以上)は小規模な土留め、60間知(控長60cm以上)は大型構造物に適用されます。

 

石材寸法の見積もり計算と実務ポイント

石材工事の見積もりでは、寸法から重量計算を行い、運搬・施工コストを算出することが重要です。この計算プロセスは見積もり精度と利益確保に直結します。

 

重量計算の基本公式
石材重量(kg)= 縦(m)× 横(m)× 厚さ(m)× 見掛比重(kg/㎥)
例えば、300×600×60mmの板石(見掛比重2,650kg/㎥)の場合。
0.3 × 0.6 × 0.06 × 2,650 = 28.6kg となります。

 

施工面積の効率計算
300×300mm板石では1㎡あたり11枚、300×600mm板石では1㎡あたり5.5枚必要です。これらの数値は材料発注量計算で基準となります。

 

実際の施工では、切断ロスや破損を見込んで5〜10%の余裕を持った発注が一般的です。特に天然石材では品質のばらつきがあるため、現場での選別作業も考慮する必要があります。

 

コスト最適化のポイント

  • 規格サイズの活用によるコスト削減
  • 運搬効率を考慮した発注ロット調整
  • 現場での加工最小化による工期短縮
  • 地場石材活用による運搬費削減

近年では石材のトレーサビリティも重要視されており、採石場から施工まで一貫した品質管理が求められています。これは特に公共工事や大型開発プロジェクトで必須要件となっています。

 

見積もり作成時には、石材の物理的性質だけでなく、採掘地の気候条件や経年変化も考慮することが、長期的な建物価値維持につながります。また、メンテナンス性を考慮した寸法選択により、ライフサイクルコストの最適化も可能となります。