

シリル化アクリレート系シーリング材は、高耐候・高耐久を狙った外装用シーリングとして開発されたグレードで、特にカーテンウォールやガラス回り、タイル・コンクリート目地などに用いられます。
アクリレート骨格にシリル基を導入した「シリル化ポリアクリレート」を主成分とする製品群もあり、建築物の長寿命化と高意匠性をテーマにした高性能タイプ(SA-2 など)が各社から展開されています。
一般的な分類では、シリル化アクリレート系は以下のような用途ゾーンで位置づけられます。ina-gr+4
なかには、極力目地幅を抑えながらも長期の動きに追従させるために、応力緩和性や低モジュラスを強調したタイプもあり、タイルのひび割れ防止と仕上げの割れ抑制を両立させる設計が行われています。kindaikenchiku+1
また、近年は環境配慮型として、溶剤量や可塑剤量を抑えながら高耐久を実現した低汚染仕様も増えており、改修工事での臭気配慮や周辺仕上げ材への影響低減が意識されています。marta+2
シリル化アクリレート系シーリング材の代表的な特長は「高耐候・高耐久」と「目地周辺の撥水汚染が少ないこと」で、長期にわたり外装の美観を維持しやすい点が評価されています。
撥水汚染とは、シリコーン系シーリング材から滲み出たシリコーンオイルに大気中の塵や煤が付着し、目地廻りに黒い汚れが帯状に残る現象であり、シリル化アクリレート系ではこのリスクを大幅に抑えられることが外装分野での大きなメリットです。
メリットとしてしばしば挙げられるポイントは次の通りです。sho-han+6
一方で、デメリット・注意点も明確です。sho-han+3
意外なポイントとして、シリル化ポリアクリレート系の一部製品では、紫外線による架橋制御や可塑剤の揮発抑制技術により、長年使用しても「肉やせ」が小さい配合設計がなされており、後年の再シール時に撤去量が少なくて済むケースが報告されています。kindaikenchiku+1
また、撥水汚染を抑える設計は雨筋汚れの減少にもつながるため、外装清掃の頻度低減や高所作業のコスト削減という観点から、ビルオーナーに説明すると納得が得られやすいメリットとなります。ina-gr+2
シリル化アクリレート系シーリング材の高耐候・高耐久性や撥水汚染抑制の仕組み、適用部位の推奨範囲を整理する際に参考になる技術解説です。
実務では、シリル化アクリレート系シーリング材はシリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系などと比較しながら選定されます。
シリコーン系は耐水性・耐熱性に優れる一方で目地周辺の撥水汚染や「塗装がのらない」という欠点があり、外壁や塗装仕上げ面の目地には適さないとされることが多く、その補完的ポジションとしてシリル化アクリレート系が位置づけられています。
変成シリコーン系シーリング材は「上から塗装できる」「汚染が少ない」という特長を持ち、カーテンウォール目地などで広く用いられていますが、一部グレードでは薄層未硬化現象(MS-2)に注意が必要とされています。sho-han+2
これに対してシリル化アクリレート系は、ガラス回りやタイル外壁など高意匠部での長期美観維持を前面に出した設計が多く、特にガラスや金属とタイル・コンクリートが複合するディテールで選択されることが増えています。esakihome+4
実務での選定軸を整理すると、次のような考え方が有効です。marta+6
実は、カタログ上は「ガラス周り」とされているだけでも、耐候性ランクや期待耐用年数に差があるため、仕様書の期待耐用年数や保証条件を確認してから採用することが、クレーム低減の観点で重要です。ina-gr+6
また、既存のシリコーン系シールを撤去してシリル化アクリレート系に更新する場合、下地に残存したシリコーンオイルが新規材の接着性に影響する可能性があり、研磨や溶剤拭き、専用プライマーなどの処理仕様をメーカーに確認する必要があります。sho-han+4
シーリング材の種別や用途、特徴を広く把握するうえで参考になる基礎解説です。
シリル化アクリレート系シーリング材の施工手順自体は、一般的な外壁シーリングと大きく変わりませんが、高耐候グレードの性能を発揮させるには、目地設計とプライマー処理が特に重要になります。
施工フローとしては、既存シール撤去→目地清掃→マスキング→プライマー塗布→シーリング材充填→ヘラ仕上げ→マスキング撤去→養生・硬化確認という基本工程を確実に守ることが前提です。
とくに注意したいポイントは次の通りです。mr-produce+6
意外なトラブルとして、シリル化アクリレート系でも施工時の環境条件や下地処理が不十分な場合、初期の界面剥離や、目地周辺のわずかな色ムラが発生することがあります。sho-han+6
このため、特に高層部や雨掛かりの厳しい部位では、事前に試験施工を行い、1シーズン程度の経過観察を踏まえて仕様確定するケースもあり、長期保証物件ではメーカー立会いを求めることがリスク低減につながります。kindaikenchiku+1
シーリング施工の基本工程や注意点を映像で確認したい場合に役立つコンテンツです。
シリル化アクリレート系シーリング材は「高耐候・高耐久」というカタログ表現だけ見ると、単にグレードの高い外装用シーリングと捉えられがちですが、実務では建物のライフサイクルコストを下げるためのキー部材として位置づける考え方が広がっています。
外装仕上げの改修周期を決める際に、仕上げ塗膜だけでなくシーリング材の劣化がボトルネックになることが多く、シリル化アクリレート系を採用することで塗装周期とシーリング補修周期を近づけ、足場仮設の回数自体を減らす設計も行われています。
長寿命化の観点から見ると、次の点が実務的なメリットとして効いてきます。esakihome+4
さらに、環境配慮やサステナビリティの観点からは、長寿命シーリング材の採用が「材料の使用量削減」「足場・仮設資材の削減」「廃棄物の発生回数削減」といった間接的な環境負荷低減にもつながるため、近年のZEB・ZEB ReadyやESG投資に配慮した建築計画においても提案材料になり得ます。kindaikenchiku+1
設計や積算の段階で、シリル化アクリレート系シーリング材の単価差だけでなく、ライフサイクル全体の補修コストと環境負荷を織り込んだ比較を行うことで、従来以上に根拠ある材料選定ができるようになります。ina-gr+3
シリル化アクリレート系シーリング材の高性能化や建物長寿命化との関係を技術的に解説した資料です。
高耐久・高意匠性のシリル化アクリレート系シーリング材(MARTA)

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