

鉄部用上塗り塗料は、主に「ウレタン樹脂系」「シリコン樹脂系」「フッ素樹脂系」の3系統が実務上の標準になっており、それぞれで耐久性・コスト・施工性のバランスが異なります。
マンションや集合住宅の鉄部では、一般部にウレタン、長期耐候が求められる外部階段や手すりなどにはシリコンやフッ素を採用するといった使い分けが典型です。
ウレタン樹脂系は柔軟性と密着性に優れ、仕上がりのツヤ感も得やすい一方で、耐候性はシリコンやフッ素より一段劣るため、更新周期を短めに設定する前提の仕様に向きます。anabuki-m+1
シリコン樹脂系は、外壁塗装でも標準グレードとして位置付けられることが多く、鉄部においても価格と耐久性のバランスに優れているため、現在の主流上塗り材といえます。repco+2
フッ素樹脂系は、3系統の中で最も高耐候・高価格の位置付けとなり、塩害・重工な外部鉄骨・橋梁に近い条件の鉄部など、長期的に足場コストが高くつく箇所で採用されるケースが増えています。dnt+2
価格順・劣化しにくさの順は、一般に「フッ素 > シリコン > ウレタン」とされており、建物全体の修繕計画やオーナーの投資方針で選定するのが合理的です。ryushin+2
また、変性エポキシ樹脂を上塗りとして活用するケースもあり、1液で扱いやすく硬質な塗膜を形成できることから、工期短縮や作業性を優先する現場で選択されることがあります。tosouyasan12+1
ただし、エポキシは屋外暴露でチョーキングしやすい傾向があるため、鉄骨内部や機械室内など紫外線の当たりにくい箇所での使用に向けた仕様検討が重要です。dnt+1
鉄部用上塗り塗料の性能を活かすには、下塗りとしてのエポキシ系さび止め塗料の選定と、ケレン・洗浄といった下地処理のレベルを仕様に明記することが前提条件になります。
鉄部塗装では、酸素と水分との接触を遮断することがさびの進行抑制に直結するため、さび止め塗装で鉄素地を確実に包み込むことが耐久性向上と安全性確保に欠かせません。
実務では、既存さびの程度に応じて、電動工具ケレン・手ケレン・ブラスト相当などのグレードを決め、さびを固める浸透性エポキシ「錆固め塗料」を併用する仕様も採用されています。narita-bitte+2
浸透性エポキシは酸化鉄層に浸透し、水分を乾燥させる働きによってさびの進行を抑えるため、「すべてを撤去しきれない既存さび」を抱えた改修現場で有効な選択肢となります。tosouya-obata+1
この上にエポキシ系さび止めを被せ、最終的に鉄部用上塗り塗料で仕上げる3層構成とすることで、下地の防錆性能と上塗りの意匠性・耐候性を両立させた仕様を組み立てられます。tosouyasan12+4
特に海岸部・工業地帯の鉄部では、さび止め層の厚みと上塗り塗料のグレードがライフサイクルコストに直結するため、単価だけでなく「塗り替え周期」を数値で比較することが重要です。anabuki-m+3
見落とされがちなポイントとして、非鉄金属や異種金属との取り合い部では、アルミなどへの専用下塗り材(エッチングプライマー等)の使用が推奨されており、鉄部用上塗り塗料との相性も確認しておく必要があります。
参考)鉄部塗装の流れ|塗装の流れ|大阪府寝屋川市の外壁塗装・屋根塗…
異種金属間の電食が懸念される部分では、塗膜で確実に絶縁しつつ、さび止め・上塗りの仕様を「金属種別」で整理した内訳書を作成することで、トラブルリスクを低減できます。tosouya-obata+2
鉄部用上塗り塗料の耐久性は、樹脂種類だけでなく、周辺環境(海岸部・工業地帯・内陸)、日射条件、雨掛かりの有無などによって大きく変動し、同じ塗料でも3〜5年程度で更新が必要になるケースが存在します。
建物の外観として目立たない小さな鉄部のさびでも、見つけた時点で早期に対処しないと、局部的な腐食進行から補修範囲が急速に拡大し、交換工事が必要になるリスクがあります。
メンテナンス戦略として有効なのは、「さびが出る前の予防的塗り替え」を前提に、設計段階で塗り替え周期を計画書に落とし込んでおく方法であり、結果的に修繕コストの平準化と削減につながります。tosouyasan12+3
ウレタン系を採用する場合は周期を短くして計画的に再塗装する、シリコン・フッ素系では周期を延ばす代わりに足場費用を含めた長期コストを抑えるといった「グレード別のメンテ方針」が実務的です。tosouyasan13+3
意外なポイントとして、鉄部の細かな部材(手すり子、階段裏、庇の裏側など)は、視認性の低さから塗り残しや膜厚不足が生じやすく、そこが局部腐食の起点になりやすいと報告されています。narita-bitte+2
塗り替え時には、目視だけでなく触診・打診も併用し、既存塗膜の浮き・はがれ・膨れを拾い上げることで、鉄部用上塗り塗料の耐久性を「カタログ値に近づける」ことが可能になります。tosouya-obata+2
鉄部用上塗り塗料選定で見落とされやすいのは、「建物利用者の動線」と「接触頻度」による塗膜への負荷であり、手すりや共用廊下の笠木など、頻繁に触れられる部位では、皮脂や清掃用薬剤による塗膜軟化・劣化が起こる可能性があります。
このような部位では、一般的な1液型上塗りではなく、2液型塗料や耐溶剤性に優れたグレードを選ぶことで、テカリ・はがれ・変色といった不具合を抑えることができます。
また、鉄部用上塗り塗料の色選定も耐久性に影響し、濃色・高彩度の色は日射による温度上昇が大きいため、熱伸縮を繰り返すことでクラックやチョーキングが早く進行することがあります。dnt+1
共用部の鉄部では、熱負荷を抑えるためにやや明度を上げた色を選ぶ、もしくは意匠優先で濃色を選ぶ場合は、あらかじめ周期を短めに見込んだ計画とするなど、色とメンテナンスをセットで考える視点が有効です。anabuki-m+2
さらに、鉄部の部材形状も塗膜寿命に関わり、エッジが立っている角部や溶接ビード周りは塗膜が薄くなりやすく、そこから局所的なさびが出るケースが少なくありません。tosouyasan12+2
このため、角部だけ意図的に一回多くハケ塗りをする、ビード周りにさび止め塗料と鉄部用上塗り塗料を「先行塗り」してから全体をローラーで仕上げるといった、ディテール単位の塗り分けが、実務者の腕の見せ所となります。narita-bitte+2
鉄部用上塗り塗料の仕様は、建築設計段階の「ディテール検討」と連動させることで、施工後のメンテナンス性を大きく改善でき、結果として塗膜耐久性を引き上げることができます。
例えば、雨水が溜まりやすい水平フラットバーや、裏側に水が回り込む納まりは、塗膜があっても腐食リスクが高く、可能であれば水勾配をつける・水抜き穴を設けるなどの設計変更を検討すべきです。
建築鉄骨の摩擦接合面や鋼管内面など、通常の外装鉄部とは異なる条件を持つ部位では、高摩擦有機ジンクリッチペイントや鋼管内面専用の防食塗装など、特殊な塗装仕様が用いられています。
参考)https://www.dnt.co.jp/technology/technique/pdf/giho18-all.pdf
これらの仕様情報を建築側にも共有し、一般鉄部用上塗り塗料との役割分担を明確にしておくことで、後年の改修計画立案時に誤った塗り替えを防ぐことができます。anabuki-m+2
設計・施工・メンテナンスの各段階で、鉄部用上塗り塗料の選定理由や期待耐用年数、環境条件を記録しておくと、次回改修時に仕様の妥当性を検証しやすくなり、長期的な建物価値の維持に寄与します。tosouya-obata+3
特に大規模修繕工事では、仕様書に「ケレン種別」「さび止め塗料の種類」「上塗りグレード」「想定塗り替え周期」を明記し、オーナー・管理組合と共有することで、合意形成と品質確保の両立がしやすくなります。tosouyasan13+3
外壁塗装時に重要な鉄部の塗装メンテナンスと錆を防ぐためのポイントが整理されています(鉄部用上塗り塗料とメンテナンス戦略の参考)。
外壁塗装時に重要な鉄部の塗装メンテナンス
参考)外壁塗装時に重要な鉄部の塗装メンテナンス!錆を防ぐための重要…
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鉄部塗装は錆止めが命!長持ちさせるプロのノウハウ
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マンションの鉄部塗装仕様と、エポキシ系さび止め塗料とウレタン・シリコン・フッ素上塗りの標準的な組み合わせがまとまっています(仕様設計の参考)。
鉄部塗装 - マンションリフォーム推進協議会
参考)鉄部塗装
建築鉄骨の防食塗装や高耐候フッ素塗膜の構造など、より専門的な防食技術情報が掲載されています(長期防食設計・特殊部位の参考)。

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