ねじ寸法一覧|メートルねじ規格表と六角ボルト基準

ねじ寸法一覧|メートルねじ規格表と六角ボルト基準

記事内に広告を含む場合があります。

ねじ寸法一覧

ねじ寸法の基本構成
📏
呼び径とピッチ

ねじの外径とねじ山間隔の基準寸法

🔩
六角ボルト規格

JIS規格に基づく標準的なボルト寸法

⚙️
実務での選定基準

不動産工事における適切なねじ寸法の選び方

メートルねじ寸法規格表の基礎知識

メートルねじの寸法規格は、JIS B 0205に基づいて標準化されており、不動産業界の各種工事において最も重要な基準となります。メートルねじの呼び径は「M」で表記され、後に続く数字がねじの外径(mm)を示します。例えば、M3ねじの場合は外径が約3mmとなります。

 

基本的なメートルねじ寸法一覧

  • M1:外径1mm、ピッチ0.25mm
  • M1.2:外径1.2mm、ピッチ0.25mm
  • M1.6:外径1.6mm、ピッチ0.35mm
  • M2:外径2mm、ピッチ0.4mm
  • M2.5:外径2.5mm、ピッチ0.45mm
  • M3:外径3mm、ピッチ0.5mm
  • M4:外径4mm、ピッチ0.7mm
  • M5:外径5mm、ピッチ0.8mm
  • M6:外径6mm、ピッチ1.0mm
  • M8:外径8mm、ピッチ1.25mm
  • M10:外径10mm、ピッチ1.5mm
  • M12:外径12mm、ピッチ1.75mm

ねじピッチとは、隣り合うねじ山とねじ山の間隔のことで、この寸法が合わなければねじ同士が結合できません。メートルねじでは、呼び径が大きくなるほどピッチも大きくなる傾向があり、この関係性を理解することで適切なねじ選定が可能になります。

 

不動産工事では特にM6からM12のサイズが頻繁に使用され、これらの寸法を正確に把握することで作業効率の向上と品質確保につながります。ねじ山の角度は一般的に60度に統一されており、この角度により確実な締結力を実現しています。

 

六角ボルト寸法とJIS規格基準

六角ボルトの寸法は、JIS B 1180およびJIS B 1176で詳細に規定されており、不動産工事における構造部材の接合に欠かせない要素です。六角ボルトの主要寸法には、ねじの呼び径、ピッチ、頭部径、頭部高さ、六角穴径などがあります。

 

六角穴付ボルトの標準寸法表

ねじの呼び ピッチ 頭部径(dk) 頭部高さ(k) 六角穴径(s)
M3 0.5 5.5 3.0 2.5
M4 0.7 7.0 4.0 3.0
M5 0.8 8.5 5.0 4.0
M6 1.0 10.0 6.0 5.0
M8 1.25 13.0 8.0 6.0
M10 1.5 16.0 10.0 8.0
M12 1.75 18.0 12.0 10.0

六角ボルトの長さは基本的に首下の長さを指し、全ねじと半ねじで測定方法が異なります。半ねじの場合、首下全てにねじが切られていないため、どの部分がねじ長さなのかを正確に把握することが重要です。

 

半ねじボルトのねじ長さ計算式

  • 首下長さ129mm以下:d×2+6
  • 首下長さ130~219mm:d×2+12
  • 首下長さ220mm以上:d×2+25

六角穴付ボルトを使用する際の加工穴寸法も規格化されており、適切なざぐり穴径と深さを確保することで、ボルト頭部の収まりと美観を両立できます。不動産工事では特に内装仕上げにおいて、この寸法精度が最終的な品質を左右します。

 

ねじピッチ一覧と呼び径対応表

ねじピッチは、ねじの機械的強度と作業性を決定する重要な要素であり、JIS規格では並目ねじと細目ねじの2種類が規定されています4。並目ねじは一般的な用途に使用され、細目ねじは薄肉部材や精密な調整が必要な箇所で使用されます。

 

メートル並目ねじのピッチ一覧

  • M1~M1.4:0.25mm
  • M1.6~M1.8:0.35mm
  • M2~M2.3:0.4mm
  • M2.5~M2.6:0.45mm
  • M3:0.5mm
  • M3.5:0.6mm
  • M4:0.7mm
  • M4.5:0.75mm
  • M5:0.8mm
  • M6~M7:1.0mm
  • M8~M10:1.25mm
  • M11~M12:1.5mm~1.75mm
  • M14~M16:2.0mm
  • M18~M24:2.5mm~3.0mm

細目ねじは並目ねじよりも細かいピッチを持ち、より精密な締結が可能です。例えば、M8の場合、並目は1.25mmピッチですが、細目は1.0mmピッチとなります4

 

ピッチの選定は使用環境と要求性能により決定され、振動の多い環境では細目ねじが、一般的な構造用途では並目ねじが適しています。不動産工事における設備配管や電気工事では、メンテナンス性を考慮したピッチ選定が特に重要となります。

 

下穴径の計算方法
ドリル径 = ねじ呼び径(d) - ねじピッチ
例:M3×0.5の場合 → 3 - 0.5 = 下穴2.5mm
この計算式により、タップ加工前の適切な下穴径を求めることができ、作業効率と仕上がり品質の向上につながります。

 

不動産工事におけるねじ寸法選定のポイント

不動産工事では、用途別にねじ寸法の選定基準が大きく異なり、適切な選定により工事品質と作業効率が大幅に向上します。構造部材、内装材、設備機器それぞれに最適化されたねじ寸法の選定が必要です。

 

構造部材での選定基準
鉄骨構造や木造軸組では、接合部の荷重伝達性能が最優先となります。一般的にM12以上の太径ボルトを使用し、母材厚さの1.5倍以上の有効長さを確保します。特に耐震性能が要求される接合部では、高力ボルトとして規格化されたF8T、F10Tグレードのボルトを選定します。

 

内装工事での選定ポイント

  • 石膏ボード取付:M3.5×25mm程度の小ねじ
  • 木下地への取付:M4×30~40mmのコーススレッド
  • 金属下地への取付:M4×15mmのタッピングねじ
  • 重量物取付:M6×50mm以上のアンカーボルト

内装工事では美観と施工性のバランスが重要で、頭部形状の選定も慎重に行います。皿頭ねじは仕上げ面をフラットにでき、なべ頭ねじは確実な締結力を提供します。

 

設備工事における特殊要件
給排水設備や電気設備では、メンテナンス性と防食性能が重要な選定要素となります。ステンレス製ねじやめっき処理済みねじの使用により、長期間の性能維持が可能になります。

 

  • 配管支持材:M8×40mm以上のステンレスボルト
  • 電気盤取付:M6×25mmの六角穴付ボルト
  • 軽量配管:M4×20mmのタッピングねじ

不動産工事では、将来のメンテナンス性を考慮したねじ選定が特に重要であり、標準的な工具で対応できるサイズの選択が推奨されます。また、異種金属接触による電食防止のため、母材とねじ材質の組み合わせにも注意が必要です。

 

インチねじとメートルねじ換算一覧

国際的な建設プロジェクトや輸入設備の設置では、インチねじとメートルねじの混在が避けられません。両規格の正確な換算と識別により、適切な締結部品の選定と施工精度の確保が可能になります。

 

インチねじからメートルねじへの換算表

インチ呼び ねじ径(mm) 山数(/inch) ピッチ(mm) 対応メートルねじ
No.0 1.5 80 0.317 M1.6相当
No.2 2.1 56 0.453 M2相当
No.4 2.8 40 0.635 M3相当
No.6 3.5 32 0.793 M3.5相当
No.8 4.1 32 0.793 M4相当
No.10 4.8 24 1.058 M5相当
1/4" 6.4 20 1.27 M6相当
5/16" 7.9 18 1.411 M8相当
3/8" 9.5 16 1.587 M10相当
1/2" 12.7 13 1.953 M12相当

インチねじの特徴として、ピッチではなく1インチあたりの山数(TPI:Threads Per Inch)で表記される点があります。この山数が多いほど細かいピッチとなり、精密な調整が可能になります。

 

実務での注意点
インチねじとメートルねじは外見が似ているため、誤用による締結不良や部材損傷のリスクがあります。特に以下の点に注意が必要です。

  • ねじゲージによる事前確認の実施
  • 締結トルクの換算(インチポンド→N・m)
  • 工具サイズの違い(インチ工具の準備)
  • 補修部品の調達性確認

不動産工事では、エレベーターや空調設備など輸入機器にインチねじが使用されることが多く、メンテナンス計画立案時には両規格に対応した工具と部品の準備が不可欠です。

 

また、インチねじは主にアメリカ規格(UNC/UNF)とイギリス規格(BSW/BSF)に分かれており、同じインチサイズでもピッチが異なる場合があるため、機器の製造国や規格表示の確認が重要となります。