

マルチツールの替刃は、大きく「切断」「剥離」「研磨(研削)」の三つのジャンルに分けられ、その中で木材用・金属用・木材金属両用・モルタルFRP用・タイル用・カーペット断熱材用などの種類が展開されています。
建築従事者にとって実用頻度が高いのは木材用・金属用・木材金属両用のブレードで、石膏ボード開口や間仕切り解体、造作のきわ切りに加え、下地に残った釘やビスの切断、銅管の面一カットなど、細かい「部分解体」で真価を発揮します。
木材専用替刃は切断スピードが速く、合板や造作材のきわ切り、床材の一部撤去などに向きますが、釘やビスに当てると一気に刃先がダメになります。diy-couture+1
一方、木材金属両用の替刃は釘ごと切断できるように設計されており、躯体を傷めずに仕上げ材だけを外したいリフォーム現場や、既存サッシ周りの解体などで「板金+木」の組み合わせを一気に処理できるのが強みです。act-kougu+1
金属専用替刃は厚みのある金物や金属製配管のカット、金属下地の部分切断などに適しており、歯ピッチが細かく刃先材質も耐熱・耐摩耗性を重視したものが多いため、火花を嫌う室内作業でサンダー代わりに使われるケースも増えています。askul+1
モルタル・セメント・FRP用やタイル・モルタル用のブレードは、浴室・水回りの改修でのタイル目地切断やモルタル目地の撤去に用いられ、超硬やダイヤモンドチップ付きの刃を選ぶことで、従来はハンマーとタガネに頼っていた作業を、粉塵を抑えつつ局所的に攻めることができます。re-tool+1
カーペット・断熱材用の替刃は、柔らかい素材を引き裂かずに切るために刃先形状が工夫されており、リノベーションで既存カーペットや断熱材の一部を剥がす際に、下地合板を傷めずスムーズに切り進められるのが利点です。handscraft+1
研磨用パッドは、木部のケレン、塗膜剥がし、パテならしなどの細かい仕上げに使われ、狭い箇所の下地調整を一台で完結させたい内装職人に重宝されています。askul+1
現在主流の替刃規格は、ボッシュが中心となって広めたスターロック(Starlock)系と、従来からあるOIS(Oscillating Interface System)の二本立てで、多くのメーカーがこのいずれか、あるいは両方に対応したマルチツールを展開しています。
スターロックにはスターロック・スターロックプラス・スターロックマックスという三段階があり、プラスやマックスの替刃は高負荷作業を前提としている一方で、本体側も対応グレードでないと装着できないため、現場での互換性確認が欠かせません。
マキタやハイコーキも、純正替刃としてスターロック規格に対応したブレードを多数用意しており、マキタのTMA053BIMやTMA075HM、ハイコーキのMSD100SBなど、木材・金属両用やFRP・モルタル用の代表的な品番は、ボッシュの本体にもそのまま使えるケースが多いです。re-tool+1
一方で、一部メーカーの古いモデルやDIYグレード機では独自のクランプ形状を採用していることがあり、その場合は変換アダプタが必要だったり、そもそもスターロック系のワンタッチ刃が使えないこともあるため、買い増しの際は「本体の規格」から逆算して替刃を選ぶのが安全です。diy-couture+1
スターロックのスナップイン機構は、六角レンチやネジを使わずにワンタッチでブレードを脱着できるのが特徴で、狭い足場や高所で「落としたくない」場面では安全性の面でもメリットがあります。actool+1
さらに、スターロックマックス対応のダイヤモンドブレードなどは、鉄筋入りのモルタルや厚いタイルのカットもこなせるため、「サンダーとマルチツールを両方立ち上げるほどではないが硬い部材を切りたい」場合に重宝し、道具の構成をシンプルにできます。act-kougu+1
ボッシュが開発したマルチツールは発売当初こそ評価が伸びなかったものの、その後マキタが国内販売を本格化させてから一気に普及したという経緯があり、替刃規格はボッシュ主導で整理されてきた歴史があります。
このため、ハイコーキやマキタでも、刃の規格そのものはボッシュ側の流れを踏襲していることが多く、異なるメーカーを混在させる現場でも「スターロックで揃える」と決めておくと替刃の共有がしやすく、ストック管理も楽になります。re-tool+1
替刃の種類選定で外せない視点は、「対象材」「作業内容」「作業時間」の三つで、たとえば木材だけを相手にする造作工事なら木材用ブレードを中心にしつつ、釘やビスに触れる可能性がある場所には木材金属両用を割り当てると、刃持ちとスピードのバランスが取りやすくなります。
金属が混在する解体やリフォームでは、木材・金属両用の替刃を標準としつつ、厚物の金属や頻繁な金属カットが予想される場合だけ、専用の金属用替刃を用意すると、消耗の激しい場面でもトータルコストを抑えやすくなります。
モルタル・FRP用やタイル・モルタル用の替刃は、単価こそ高めですが、従来は大掛かりな工具や手作業が必要だった作業をピンポイントでこなせるため、「一現場でどれだけ時間を短縮できるか」という観点で見ると、職人単価を考慮した場合に十分元が取れるケースが多いです。askul+1
特に水回りリフォームでのタイル目地撤去やFRP浴槽の開口作業では、超硬やダイヤモンド刃を選ぶことで刃の寿命が飛躍的に延び、粉塵の飛散も抑えられるため、近隣養生や清掃のコストも含めて考えると、安価な汎用刃を使い捨てるよりも結果的に安く済む場合があります。re-tool+1
コスト面で意外と効いてくるのが、セット売りの替刃をどう使い切るかという点で、メーカー純正のスターターセットには「ほとんど使わない種類の刃」が紛れ込んでいることも少なくありません。diy-couture+1
定番作業がはっきりしている現場では、セットではなく木材用・木材金属両用・モルタルFRP用・研磨パッドなど、よく使う種類だけを単品で揃えて補充していく方が、余り刃を抱え込まず、収納スペースも圧迫されにくくなります。handscraft+1
また、替刃の刃先材質としてはHCS(炭素鋼)、HSS(高速鋼)、バイメタル、超硬、ダイヤモンドなどがあり、硬い材に対してHCSを使うと極端に寿命が短くなる一方で、バイメタルや超硬は初期費用こそ高いものの、トータルの切断メートル数で見ると有利になることが多いです。diy-couture+1
現場の予算次第ではありますが、「刃にお金をかけた方が仕上がりが安定し、手戻りも減る」場面も多いため、各工種で一番酷使する作業にはワンランク上の替刃を割り当てるのも現実的な選択肢です。act-kougu+1
替刃の種類に関わらず共通するのは、「適切な材に使う」「無理な押し付けをしない」「刃が熱くなりすぎる前に休ませる」という三点で、特に木材用のHCSブレードを金属に当ててしまうと、数秒で刃先が丸くなり、発熱と焼けで本体側にも負担がかかります。
金属用やモルタル用の替刃は火花の発生が少ないとはいえ、切削粉は高温になりがちで、可燃物の近くで連続作業を行うと、粉塵に引火するリスクがゼロではないため、養生と消火器の位置確認をセットでルーティン化しておくと安心です。
失敗パターンとして多いのは、「とりあえず付いていた替刃で何でもこなそうとする」ケースで、木材用1枚で金属やモルタルまで相手にすると、作業スピードが落ちるだけでなく、刃が暴れてケガにつながる危険性が増します。askul+1
逆に、金属用・モルタル用など頑丈な替刃を軟らかい材ばかりに使っていると、切断面に不要なバリや欠けが生じやすく、後工程の手間が増えるため、工種ごとに「これはこの刃」と決めておき、道具箱の中でも種類ごとに分けて収納しておくのが有効です。handscraft+1
また、スターロック系ブレードのスナップイン機構は便利な一方、取り付け部に粉塵や切りくずが詰まると確実なロックができず、作業中に刃がズレてしまうことがあります。actool+1
定期的に本体側のチャック部と替刃のスリット部をエアブローやブラシで清掃し、ガタつきや異音がないかを確認してから作業を始めることが、安全性と精度の両面で重要です。askul+1
さらに、替刃の摩耗具合を「目で見て判断する」だけでなく、「切断音」「進み方」「発熱」を総合的に見て交換タイミングを決める習慣を付けると、無理な負荷を避けられます。hikaku.kurashiru+1
切れない刃のまま作業を続けると、つい強く押しつけてしまい、振動が手首や肘にダイレクトに伝わるため、腱鞘炎や疲労のリスクも高まり、結果的に作業効率を落とすことになります。diy-couture+1
建築現場でマルチツールが特に威力を発揮するのが、「全部は壊さず、必要なところだけ切り離したい」という部分解体で、たとえば既存フローリングの一部差し替えや、建具枠を残したまま周囲の下地だけを落としたい場合などに、替刃の種類を使い分けることで仕上がりが大きく変わります。
木材金属両用のブレードを使えば、下地材に残った釘だけを狙って切断したり、胴縁の一部を切り欠いて配管スペースを確保したりと、「バールで壊すと広範囲が傷む」場面で、必要最小限の切り込みだけを入れることが可能です。
既存窓のカバー工法リフォームでは、窓まわりのモルタル目地やシールをモルタル・FRP用ブレードで切り込み、木造の枠材だけを木材用ブレードで分割していくことで、外壁を極力触らずに解体を進めることができ、補修範囲を大幅に縮小できます。muratakazu+1
また、配管更新の際に床下や壁内に新しい開口を設ける場合も、石膏ボードには木材用、金属スタッドには金属用、周辺モルタルにはモルタル用と替刃を使い分けることで、開口のラインがきれいに揃い、復旧時のパッチ当てが楽になります。hikaku.kurashiru+1
意外と知られていないテクニックとして、FRP用やモルタル用の替刃を「接着剤剥がし」に流用する方法があり、超硬チップ付きのブレードを浅い角度で当てることで、既存床材下の接着剤やボンドを下地を傷つけずにそぎ落とせることがあります。act-kougu+1
この方法は騒音を比較的抑えつつ、手作業のスクレーパーよりもスピードを上げられるため、マンションリフォームなど騒音規制の厳しい現場で、作業時間帯を有効活用するのに役立ちます。askul+1
さらに、研磨パッドを使えば、溶接跡のバリ取りや、金物周りの塗膜ならしなど、通常は別の電動工具を用意する作業もマルチツール一台で対応できるため、「軽作業用のサブ機」として常に腰袋に近い位置に置いておく職人も増えています。diy-couture+1
こうした部分解体や細部仕上げのノウハウを各工種で共有し、「この場面ではこの種類の替刃」と標準化しておくと、応援に入る職人でも迷わず作業に入れるようになり、安全と品質のばらつきも抑えられます。muratakazu+1
建築現場でのマルチツールと替刃選び全般の基礎解説として参考になるページです。
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