

リファーナの穴あき25年保証は、申請しないと受けられません。
リファーナ(REFARNA)は、千葉県市川市に本社を置く株式会社メタル建材が製造・販売する金属横葺き屋根材です。製品の最大の特徴は、原板に超高耐久性ガルバリウム鋼板「エスジーエル(SGL)」を採用している点にあります。SGLとは、日鉄鋼板株式会社の登録商標で、ガルバリウム鋼板のめっきにマグネシウムを約2%添加することで、緻密な保護皮膜を形成し、通常のガルバリウム鋼板と比べて3倍超の耐食性を実現した素材です。
つまりSGL鋼板が基本です。
市場に流通するガルバリウム系金属屋根材の中でも、耐久性の面で一歩上を行く素材を採用しているのがリファーナです。外観は水平ラインを活かしたシンプルな横葺きデザインで、本体表面にV型ウェーブの凹凸が設けられており、格調のある意匠に仕上がっています。本体の総厚は最大約20mmで、一般的なガルバリウム系屋根材よりも重厚感のある葺き上がりが得られます。
本体と断熱材(耐熱発泡ポリスチレン・自己消火性)が一体構造になっているため、施工時の潰れ強度も向上しています。本体同士の横ジョイントはオス・メスのハゼ嵌合方式(特許工法)を採用しており、雨水の侵入を防ぐ優れた雨仕舞性能が確保されています。継ぎ目が目立ちにくい外観も、現場で評価される点のひとつです。
塗装仕様は2種類あります。「SGLフッソ」(板厚0.4mm・遮熱フッ素樹脂塗装)と「SGLカラー(タフ)」(板厚0.35mm・遮熱ポリエステル樹脂塗装)で、カラーはブラック・ブラウン・グリーンの3色から選択できます。屋根材の単位面積あたりの質量はSGLカラーが約4.96kg/㎡、SGLフッソが約5.58kg/㎡で、陶器瓦(約50kg/㎡)の10分の1以下という超軽量設計です。
以下に製品仕様を表でまとめます。
| 項目 | SGLカラー(タフ) | SGLフッソ |
|---|---|---|
| 原板 | エスジーエル(2%マグネシウム添加ガルバリウム鋼板) | |
| 板厚 | 0.35mm | 0.4mm |
| 塗装 | 遮熱ポリエステル樹脂塗装 | 遮熱フッ素樹脂塗装 |
| ㎡あたりの質量 | 4.96kg/㎡ | 5.58kg/㎡ |
| 穴あき保証 | 25年(海岸500m以遠) | |
| 塗膜保証 | 変退色15年 | 変退色20年 |
| 適用勾配 | 2.5/10以上 | |
参考:メタル建材公式によるリファーナの製品詳細・仕様はこちらで確認できます。
金属屋根材の弱点として、「夏は暑い」「雨音がうるさい」という点を挙げる施工業者は多いです。リファーナはこの課題に正面から向き合った設計になっています。最大厚み20mmの耐熱発泡ポリスチレン断熱材を本体と一体化させることで、断熱性と遮音性の両方を大幅に向上させているのです。
これは使えそうです。
メーカーのデータによると、外気温35℃の条件下でスレート葺き屋根の屋根裏温度が48℃になるところ、リファーナ施工後の屋根裏温度は33℃(実測値で15℃低下)という結果が得られています。東京の夏を例に取れば、屋根裏が48℃から33℃になるということは、2階の居室の温度環境が大きく改善される可能性があります。
遮音性についても同様の効果が確認されています。屋外の雨音騒音レベル70dB(デシベル)に対して、リファーナ施工後の室内騒音レベルは40dB以下に抑えられるというデータがあります。70dBは一般的な騒がしい街頭の騒音レベルに相当し、40dBは図書館内のような静けさです。断熱材一体型構造がいかに遮音に有効かがわかります。
また、表面には遮熱塗装が施されており、太陽光の熱エネルギーを反射する設計になっています。SGLフッソタイプの場合、フッ素樹脂塗装の遮熱機能と断熱材の組み合わせにより、長期にわたって断熱・遮熱効果が維持されます。
断熱材には「耐熱発泡ポリスチレン(自己消火性)」が採用されており、熱による経時劣化にも強い素材です。一般的な発泡ポリスチレンは熱に弱い印象がありますが、リファーナに使われているのは耐熱・自己消火性を持つグレードです。火が接触しても自然に消えるという特性があります。
断熱材との接着方法も工夫されています。溶剤を使わない特殊接着方法を採用しているため、廃棄・解体時に鋼板と断熱材を容易に分離することができます。分別廃棄が可能になるため、環境負荷の観点でも優れた設計です。
参考:リファーナの断熱性能・遮音性能の測定データについてはメーカーPDF資料に詳細が掲載されています。
リファーナは新築だけでなく、既存の化粧スレート板(コロニアル)屋根へのカバー工法(重ね葺き)にも対応しています。カバー工法は既存屋根材を撤去せずに新しい屋根材を重ねる工法で、廃材の発生が少なく工期も短縮できるため、リフォーム現場で広く採用されています。
ただし、カバー工法には適用できないケースがあります。注意が必要です。
施工マニュアルによると、リファーナのカバー工法が適用できる既設屋根は「化粧スレート板・シングル葺等」に限定されています。瓦屋根や既にカバー工法が施工済みの屋根には適用できません。また、施工前には以下の点を必ず現地確認する必要があります。
特に勾配条件は厳守事項です。リファーナの最低適用勾配は「2.5/10(2寸5分)以上」です。一般住宅でよく見られる3寸勾配なら問題ありませんが、フラット気味の屋根や緩勾配屋根では施工できない場合があります。勾配条件を満たさない屋根に無理に施工すると、雨仕舞不良による雨漏りリスクが生じます。
費用面では、カバー工法は既存屋根の解体処理費用を省けるため、同条件の葺き替えと比べて費用を抑えられます。実際の施工事例では、屋根面積71.8㎡のカバー工法で足場代・雪止め込みの総工事金額が約117万円という事例も報告されています(施工条件・地域により異なります)。一般的な材工費の目安は1㎡あたり約5,600〜8,000円程度と考えるとよいでしょう。
| 工法 | 概要 | 適用条件の目安 | 費用の目安(材工) |
|---|---|---|---|
| カバー工法(重ね葺き) | 既存スレートの上に施工 | 下地健全・勾配2.5/10以上 | 約5,600〜8,000円/㎡ |
| 葺き替え | 既存屋根を撤去して施工 | 下地劣化・アスベスト対応含む | 約8,000〜15,000円/㎡ |
参考:カバー工法と葺き替えの使い分けについては以下のページが参考になります。
スレート屋根にSGL鋼板リファーナでカバー工法(屋根無料見積.com)
建築業者が特に注意しなければならないのが、既存スレート屋根へのカバー工法・葺き替えを行う際のアスベスト(石綿)対応です。2006年以前に製造されたスレートやセメント瓦にはアスベストが含まれている可能性が高いため、既存屋根に触れる工事を行う場合は法令対応が必須になります。
アスベスト事前調査が基本です。
大気汚染防止法の改正により、2023年10月1日以降は「建築物石綿含有建材調査者(一般・特定・一戸建て等の3区分)」の資格を持つ者による事前調査が義務化されました。この資格は厚生労働省が管轄する講習を受け、修了考査に合格することで取得できます。
重要なのは、調査・報告義務が発生する工事の範囲が広い点です。特に以下の条件に該当する場合は、都道府県等への事前報告が義務となります。
ただし、「100万円以下だから報告不要、調査不要」と判断するのは誤りです。調査自体はすべての解体・改修工事に必須とされています。この原則を見落として無資格者が調査・施工を行った場合、大気汚染防止法第35条第4号により30万円以下の罰金が科されます。
リファーナの施工マニュアル(重ね葺きマニュアル2025年3月版)にも、アスベスト対応について明確に記載されており、「2023年10月1日から有資格者による事前調査の義務化」「違法なアスベスト除去作業をした場合は3ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(直接罰)、元請・下請け双方に及ぶ」と明記されています。
法令対応の漏れは、金銭的ダメージだけでなく信頼損失にもつながります。既存屋根のリフォーム案件では、有資格者の確認と事前報告の手続き確認を必ず徹底してください。
参考:アスベスト事前調査の資格義務化について詳しく解説されています。
2023年10月1日より資格が必須となるアスベスト事前調査・報告義務(街の屋根やさん)
リファーナの大きな訴求ポイントのひとつが「穴あき25年保証(海岸500m以遠)」です。しかし、この保証は施工しただけで自動的に有効になるわけではありません。メーカーが定める保証規定に基づいた申請手続きが別途必要です。これを知らずに施工した場合、保証が受けられないトラブルに発展する可能性があります。
申請手続きが条件です。
保証仕様の全体像を整理すると、SGLフッソタイプ(板厚0.4mm)の場合は「穴あき25年・赤錆20年・塗膜20年・変退色20年保証」、SGLカラー(タフ)タイプ(板厚0.35mm)の場合は「穴あき25年・赤錆20年・塗膜15年・変退色15年保証」となっています。塗膜保証はフッ素タイプのほうが5年長い点も、施主への製品提案時に押さえておきたい違いです。
保証適用の前提条件として最低限押さえておくべき点は以下のとおりです。
「海岸から500m以内」の物件には穴あき保証が適用されない点は特に重要です。沿岸エリアの施工案件では施主に事前に説明する必要があります。海辺から500mというと、たとえば千葉の海沿いの住宅地や、神奈川・湘南エリアの一戸建て密集地が対象になるケースも少なくありません。
なお、リファーナにはメンテナンス項目として屋根補修塗料(マニキュアタイプ)が設定されており、表面の微細な傷や欠けに対して現場で補修できる仕組みが整えられています。施工後のアフターフォローとして、定期点検と補修塗料の活用を施主に伝えることで、長期的な満足度向上につながります。
参考:リファーナの保証規定についてはメーカー公式の施工マニュアルに記載されています。
エテルナ・リファーナ重ね葺き施工マニュアル2025年3月版(メタル建材)
リファーナと同じくメタル建材が製造する上位モデル「エテルナ」との違いを理解しておくことは、顧客への提案精度を高めるうえで重要です。両製品はSGL鋼板を採用した横葺き屋根材という基本構造は同じですが、エテルナはリファーナに対して表面に「Wアヤメ折り」という二重のアヤメ折り加工を施したより意匠性の高い上位モデルに位置づけられています。
意匠性で選ぶならエテルナです。
施工面での扱いはほぼ同じで、施工マニュアルも「エテルナ・リファーナ重ね葺き施工マニュアル」として共通化されています。つまり、片方の施工経験があればもう一方もほぼ同一手順で対応できるため、現場での技術習得コストが低い点はメリットです。
競合他社製品との比較では、アイジー工業の「スーパーガルテクト」、ニチハの「横暖ルーフS」などが同カテゴリの主要競合製品として挙げられます。いずれもSGL鋼板採用・断熱材一体型という共通点があり、機能面での差別化ポイントとしてはデザイン・施工性・保証内容・価格帯で選び分けることになります。
リファーナが現場で特に評価される点のひとつに「施工スピード」があります。横ジョイントのワンタッチ嵌合方式により、継ぎ目を合わせるだけで施工できるため、熟練工でなくても一定の品質が確保しやすい設計になっています。また、メーカー側が「積算システム」として屋根割付図の作成サービスを提供しており、材料拾い出しの省力化と材料ロス軽減を支援しています。工期短縮・コスト最適化の両面でメリットがある点は、業者にとって見積もり競争力の向上にもつながります。
現場の建築業者目線で見たとき、リファーナは「SGL採用で耐久性が高い・施工が速い・断熱材一体で工程が少ない」という三拍子が揃ったバランス型の製品といえます。ただし、一部の役物形状については、屋根形状によっては対応に工夫が必要なケースもあるという現場の声もあります。複雑な屋根形状の物件では、施工前にメーカーや特約店に相談する対応が安心です。
以下に競合製品との概略比較を示します。
| 製品名(メーカー) | 原板 | 断熱材 | 穴あき保証 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| リファーナ(メタル建材) | SGL鋼板 | 耐熱発泡ポリスチレン(最大20mm) | 25年 | V型ウェーブ意匠・ハゼ嵌合 |
| スーパーガルテクト(アイジー工業) | SGL鋼板 | イソシアヌレートフォーム | 25年 | 断熱性能が高い・シェア大 |
| 横暖ルーフS(ニチハ) | ガルバリウム鋼板 | グラスウール+アルミ蒸着シート | 15年 | 低価格帯・普及モデル |
参考:リファーナのカタログ・施工実績・製品ラインアップはメタル建材公式サイトで確認できます。