エコキュート台寸法一覧と設置スペース基準詳細解説

エコキュート台寸法一覧と設置スペース基準詳細解説

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エコキュート台寸法設置基準

エコキュート台設置の基本要素
📏
本体寸法

貯湯ユニットとヒートポンプユニットの正確な外形寸法

🔧
設置スペース

メンテナンスと運転に必要な周囲スペース確保

🏗️
基礎工事

安定した設置のための基礎仕様と架台寸法

エコキュート台基本寸法と種類別特徴

エコキュート台の設置計画において、最も重要な要素が本体寸法の正確な把握です11。主要な3つのタイプごとに詳細な寸法データを整理します。

 

角型タイプの標準寸法
最も一般的な角型エコキュートの基本寸法は以下の通りです。

  • 幅:650mm
  • 奥行き:750mm
  • 高さ:1860mm(タンク容量により変動)

日立製エコキュートの具体例では、BHP-F46WDK(460L)の貯湯ユニットが幅635mm×奥行き730mm×高さ1825mm、BHP-F37WDK(370L)では同じく幅635mm×奥行き730mm×高さ1773mmとなっています。

 

薄型タイプの特殊寸法
狭い通路や限られたスペースに対応する薄型タイプの寸法特徴。

  • 幅:約1090mm(角型の約1.7倍)
  • 奥行き:約450mm(角型の約60%)
  • 高さ:標準的な1800mm台

パナソニックHシリーズ薄型フルオート(HE-H37KQ)では、貯湯ユニットが1843×1078×440mmの寸法を採用しており、奥行きの薄さが際立っています。

 

コンパクトタイプの集合住宅対応寸法
マンションなどの集合住宅向けコンパクトタイプ。

  • 幅:430~440mm
  • 奥行き:560~630mm
  • 高さ:1830~1890mm

このタイプは全体的にサイズが縮小されているため、タンク容量も制限される点に注意が必要です。

 

エコキュート台設置スペース要件と基準

エコキュート台の適切な設置には、本体寸法に加えて周囲のメンテナンススペース確保が法的要件となっています。

 

貯湯ユニット周囲のスペース要件
三菱エコキュートの据付基準によると。

  • 前方:600mm以上のメンテナンススペース
  • 上方:200mm以上の開放空間

この基準は、定期点検時の作業性確保と緊急時のアクセス性を考慮したものです。

 

ヒートポンプユニットの通気スペース
ヒートポンプユニットの効率的な運転には以下のスペースが必須です。

  • 配管取出側:300mm以上
  • 前方(吹出側)障害物なしの場合:300mm以上
  • 後方(吸込側)障害物なしの場合:100mm以上
  • 上方向:1m以上の開放(推奨)

障害物がある場合の特殊要件
周囲に障害物がある設置環境では、より厳格な寸法基準が適用されます。
障害物の高さが1200mm超の場合。

  • 前方:350mm以上
  • 側方:30mm以上

障害物の高さが1200mm以下の場合。

  • 前方:185mm以上
  • 側方:30mm以上

重要な注意点として、3方向に障害物がある場合は設置不可となります。

 

エコキュート台メンテナンススペース確保方法

建築基準法に基づくメンテナンススペースの確保は、エコキュート台設置における法的義務です11。適切な計画により、将来的な維持管理コストを大幅に削減できます。

 

法定メンテナンススペースの詳細基準
日本工業規格(JIS)に準拠したメンテナンススペースの確保方法。

  • 操作パネルアクセス用:前面300mm以上
  • 配管接続部点検用:側面200mm以上
  • 上部点検口用:天井高200mm以上
  • 緊急時作業用:前面600mm以上

点検頻度に応じたスペース配分
メンテナンス頻度の高い部位ほど、より広いアクセススペースが必要です。
月次点検項目(操作パネル周辺)。

  • 前面400mm以上の作業スペース
  • 照明確保のための上部開放

年次点検項目(内部機器)。

  • 前面800mm以上の機材搬入スペース
  • 側面600mm以上の工具使用スペース

将来的な機器更新への配慮
エコキュートの法定耐用年数15年を考慮した長期的な設置計画。

  • 機器搬出入経路の確保(幅900mm以上)
  • クレーン作業可能な上部空間(高さ3m以上)
  • 重機アクセス可能な搬入路設計

この配慮により、将来的な機器更新時の工事費用を30-40%削減できる実績があります。

 

エコキュート台基礎工事と架台寸法

エコキュート台の安定した設置には、適切な基礎工事と架台設計が不可欠です。特に重量のある貯湯ユニット(満水時600-800kg)を支える構造計算が重要となります。

 

基礎工事の標準仕様
三菱エコキュートの据付基準に基づく基礎仕様。

  • 基礎寸法:架台外形寸法(1025×455mm)以上
  • コンクリート厚:150mm以上
  • 鉄筋配筋:D10@200mm以上
  • アンカーボルト:M12以上、埋込み深さ100mm以上

アンカーボルト配置の精密寸法
正確なアンカーボルト配置が設置精度を左右します。
前脚用アンカーボルト。

  • ピッチ寸法:482mm
  • 基礎辺部からの距離:80mm以上

後脚用アンカーボルト。

  • ピッチ寸法:505mm
  • 中心間距離:140mm

地盤条件に応じた基礎設計
軟弱地盤や傾斜地での特殊基礎設計。
軟弱地盤(N値5以下)の場合。

傾斜地(勾配1/10以上)の場合。

  • 擁壁併用基礎の採用
  • 水抜き穴設置(φ50mm、@1000mm)
  • 背面排水層設置(厚さ300mm以上)

これらの対策により、不同沈下や基礎の不安定化を防止し、機器の正常な運転を長期間維持できます。

 

エコキュート台配管接続と排水設計

エコキュート台設置における配管設計は、機器性能と維持管理性を左右する重要な要素です。特に給水・給湯配管と排水系統の適切な設計が求められます。

 

給水・給湯配管の接続仕様
デンソーエコキュートの配管接続詳細。
給水接続口:R3/4(外径26.7mm)

  • 設置高さ:床面から469mm
  • 接続方向:背面または側面
  • 配管材質:架橋ポリエチレン管推奨

給湯接続口:R3/4(外径26.7mm)

  • 設置高さ:床面から977mm
  • 保温施工:厚さ20mm以上
  • 逆流防止弁設置必須

ヒートポンプ配管の特殊要件
ヒートポンプユニットとの接続配管。
低温側配管(A接続口):R1/2

  • 配管長:3m以内(推奨2m以内)
  • 勾配:1/100以上で貯湯ユニット側下がり
  • 保温厚:25mm以上

高温側配管(B接続口):R1/2

排水設計の詳細基準
エコキュート運転時の排水処理。
通常排水(デフロスト水等)。

  • 排水口径:R3/4(一般的)またはR1-1/2(大容量機種)
  • 水勾配:1/50以上
  • 排水桝:内径300mm以上、深さ600mm以上

緊急排水(逃がし弁作動時)。

  • 排水量:最大200L/時
  • 排水温度:最高95℃
  • 排水桝材質:耐熱性PP製または鋳鉄製

配管材料の選定基準
長期間の安定運用を考慮した材料選定。
給水・給湯配管。

保温材料。

  • ロックウール系(高温対応)
  • ポリエチレンフォーム(標準仕様)
  • アルミガラスクロス(外装材)

適切な配管設計により、エコキュートの運転効率が15-20%向上し、メンテナンス頻度も大幅に削減できます。また、将来的な配管更新時の工事期間短縮にもつながる重要な設計要素です。