配管貫通部用シーリング材 防火 気密 耐火選定と施工

配管貫通部用シーリング材 防火 気密 耐火選定と施工

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配管貫通部用シーリング材 防火気密施工

配管貫通部用シーリング材の要点
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防火区画と耐火性能の確認

配管貫通部は火災時の延焼経路になりやすく、防火区画では大臣認定仕様や告示仕様に沿ったシーリング材と納まり選定が必須になります。

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気密・水密と日常性能

通常時は雨水・風・音・虫の侵入を防ぐ気密・水密シールとして働き、火災時には熱膨張などで開口部を塞ぐ複合性能が求められます。

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材料選定と現場の工夫

配管材質・径・更新頻度を踏まえ、シーリング材単独ではなく、スリーブ・被覆材・膨張材を組み合わせたシステムとして配管貫通部を設計する視点が重要です。

配管貫通部用シーリング材 基本性能と役割

配管貫通部用シーリング材は、単なる「穴埋め材」ではなく、火災時の延焼防止と日常の気密・水密確保を同時に担う建築防火設備の一部として位置付けられます。特に防火区画を貫通する部分では、耐火性能時間(例:30分・60分・120分など)や、水密・気密性能を第三者認証で確認した製品・工法を選ぶことが求められます。
一般的な現場では、石膏ボードやコンクリートの開口に配管が通り、その周囲をシーリング材で充填する納まりが多く見られますが、防火区画か否か、配管材質が鋼管か樹脂管か、ケーブルを伴うか、といった条件によって要求性能や認定仕様が大きく変わります。また、通常時は雨水浸入や結露水の漏水、気流による熱損失、騒音の伝播を抑える役割もあり、「火災時の耐火性能だけよければ良い」という発想ではトラブルに直結しやすい点も押さえておく必要があります。jfe-rockfiber+3​

配管貫通部用シーリング材 防火区画と大臣認定・告示仕様

防火区画を貫通する配管部分については、「防火区画を貫通する管の構造に関する告示」や、国土交通大臣認定を受けた耐火措置仕様に従うことが求められます。告示や認定仕様では、配管の材質・口径・貫通位置(壁・床)・防火時間といった条件ごとに、充填材(モルタル・耐火パテ・膨張材など)や被覆材の組み合わせが細かく規定されています。そのため、「なんとなく耐火っぽいシーリング材」を選んで現場判断で充填してしまうと、性能証明のない自己流仕様となり、検査や保険、事故時の責任問題で大きなリスクになります。
近年の検討資料では、配管貫通部の防火措置として、加熱膨張材を用いる方法、管自体に耐火性を持たせる方法、耐火仕切板と耐熱シールを用いる方法、被覆材とシールを組み合わせる方法などが分類され、各工法の適用範囲と課題が整理されています。現場でありがちな「モルタル充填だけ」「耐火パテだけ」といった簡易処理は、条件によっては告示の想定外となるケースもあり、事前に設計側がメーカーの認定図や告示仕様を参照し、具体的な納まりを図面や標準詳細に落とし込んでおくことが重要です。fiblock+1​

配管貫通部用シーリング材 材料の種類と選び方

配管貫通部用シーリング材には、シリコーン系・ポリウレタン系といった一般的な高耐候シーリング材に加えて、火災時に膨張して開口を塞ぐ耐火シーリング材、膨張性パテやロックウール系耐火材と組み合わせて使う専用シール材など、用途別に多様な製品が存在します。例えば、積水フーラーの「セキスイ耐火シーラント」は、通常時は高耐候シーリング材として止水・気密性能を発揮し、火災時には熱膨張してセラミック層を形成することで炎の燃え抜けを防ぐ設計になっており、防火区画の配管貫通部やケーブル貫通部での使用が想定されています。
材料選定の際には、以下のポイントを押さえると現場トラブルを減らしやすくなります。silicone+2​
・配管材質(鋼管・銅管・ステンレス塩ビ・ポリエチレンなど)とシーリング材の付着性の相性を確認すること。軟質塩ビやポリオレフィン系には接着しないシーリング材もあり、メーカーが「接着不可」と明記しているケースがあります。


参考)1成分形シーリング材『セキスイ耐火シーラント』 積水フーラー…

防火戸や防火区画など、建築基準法上の防火設備に関わる部分では「指定シーリング材」や「Fマーク付き」など、特定製品の使用が義務付けられている場合があるため、一般シーリング材への置き換えは避けること。


参考)https://www.silicone.jp/catalog/pdf/sealant40N_74_j.pdf

・屋外露出部では紫外線・雨水・温度変化による劣化を考慮し、高耐候グレードのシーリング材や、シーリング材を外装カバーや金物で保護する納まりを選ぶこと。jfe-rockfiber+1​

配管貫通部用シーリング材 気密・断熱と見落としやすい納まり

配管貫通部用シーリング材は、防火性能だけでなく、気密・断熱の観点からも重要なディテールです。充填断熱工法のマニュアルでは、断熱材を貫通する配管周りに防湿気密シートを巻き込み、さらに気密テープやシーリング材で隙間を塞ぐ施工が推奨されており、ここが疎かになると室内側からの水蒸気が貫通部で結露し、カビや腐朽の原因になります。特に天井裏やユニットバス周りなど、目視しにくい箇所では「とりあえずウレタンを吹いておく」「見えるところだけシール」といった処理になりがちで、結果的に気密性能が設計値を大きく下回るケースも少なくありません。
意外なポイントとして、配管貫通部の気密処理では「シーリング材そのもの」よりも「下地となる防湿気密シートやスリーブの連続性」がボトルネックになりやすい点が挙げられます。例えば、間柱間を跨いで貫通する配管の位置に合わせて断熱材を切り欠き、そこに配管を通したあと、防湿シートをパッチ状に貼ってシーリング材で周囲を押さえる方法が紹介されていますが、この「パッチ」自体を十分な重ねしろと気密テープで確実に押さえないと、シーリング材だけでは長期的に気密を維持できません。建築従事者としては、「シーリング材で穴を埋めればOK」という感覚から一歩進めて、「気密層を途切れさせないための部材の一つ」として配管貫通部用シーリング材を位置付けると、断熱欠損や結露クレームの予防につながります。


参考)https://www.jfe-rockfiber.co.jp/img/catalog/2018_general_catalog_fix_chap9.pdf

配管貫通部用シーリング材 独自視点:更新・改修を前提にした設計と記録

検索上位ではあまり触れられていませんが、配管貫通部用シーリング材を選ぶうえで重要なのが「将来の更新・改修をどこまで見込んでおくか」という視点です。設備更新時には、既存配管の撤去や径の変更、新規配管の追設が発生し、防火区画のシールを一度解体して再施工する場面が少なくありません。このとき、硬化しすぎたモルタルや耐火パテがスリーブ内にびっしり詰まっていると、コア抜きや斫り作業が大掛かりになり、火災時性能が確認できない「見た目だけの塞ぎ」に陥るリスクも増します。
そこで、配管貫通部用シーリング材を「設計寿命」「再施工性」の観点から選ぶ工夫が有効です。例えば、耐火性を膨張性ブロックやロックウール系ユニットで確保し、その周囲を着脱しやすい耐火シーリング材で押さえるシステムを採用すれば、更新時にはユニットを取り外して再利用または交換しやすくなります。さらに、竣工図面や設備台帳に「使用した配管貫通部用シーリング材の製品名・認定番号・施工要領書番号」を記録しておくと、10年後・20年後の改修時に、その現場だけの独自仕様に悩まされるリスクを減らせます。roxtec+2​
もう一歩踏み込んだ現場運用として、配管貫通部ごとに「防火区画の有無」「認定仕様のタイプ(膨張材方式・被覆方式など)」「更新時の注意点」を簡単にメモしたチェックシートを作成し、定期点検時にシーリング材のひび割れ・剥離・貫通追加の有無を確認するルールを設ける方法があります。これにより、「何となく増設された配管が既存の防火シールを壊している」といった隠れ不具合を早期に発見でき、結果的に配管貫通部用シーリング材の性能を建物寿命いっぱいまで活かすことができます。fiblock+1​

配管貫通部用シーリング材 海外事例と樹脂管対応ソリューションから学べること

配管貫通部の処理については、海洋プラットフォームや船舶・プラントなど、厳しい環境条件の現場向けに発達したシーリングシステムも参考になります。Roxtecの解説では、耐火デッキや隔壁における配管貫通部のよくある問題として、「耐火要求を満たさないシール」「水密・気密性能不足」「溶接を要するスリーブ工事の手間」などが挙げられ、それに対する溶接不要のモジュラー型シーリングソリューションが紹介されています。こうしたシステムは、火災時に膨張して開口を塞ぐ耐火材を内蔵しながら、日常は水密・気密性能を確保し、しかも配管・ケーブルの本数や径の変更にも柔軟に対応できる点が特徴です。
特に興味深いのが、プラスチック配管向けのソリューションで、火災時には軟化・溶融する配管を意図的に押しつぶし、その膨張と専用材料の働きで貫通穴を完全に塞ぐ仕組みが解説されています。日本国内でも、加熱膨張材を用いた配管貫通部の防火措置が広く採用されていますが、「樹脂管そのものが燃えながら穴を塞ぐ」という発想は、従来の「不燃の管とモルタル充填」という感覚とは少し異なる考え方と言えます。建築従事者としては、こうした海外発のシステムをそのまま採用するかどうかに関わらず、「配管とシーリング材をセットで設計し、火災時にどう変形・膨張して開口を塞ぐか」というダイナミックな視点を持つことで、従来の固定観念にとらわれない配管貫通部ディテールを検討しやすくなります。mlit+1​
配管貫通部の防火措置に関する制度・技術的な整理と、配管・ケーブル貫通部材の具体例を確認したい場合は、以下の資料が参考になります(防火区画貫通部における配管貫通部用シーリング材の考え方と代表的な部材の参考リンク)。


防火区画を貫通する管の構造に関する告示化の検討(国土交通省)


酢酸ビニルエマルジョン接着剤 建築現場での使い方と注意点

酢酸ビニルエマルジョン接着剤の概要
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基本特性とメリット

水性で扱いやすく、木工や内装仕上げで広く使われる理由と、他系統接着剤との違いを整理します。

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施工品質を左右するポイント

含水率・温度・圧締時間など、現場で軽視されがちな条件が強度にどう影響するかを具体的に解説します。

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意外な活用例とトラブル回避

共重合樹脂による高機能品や、冬季施工・リフォーム現場でのトラブル事例と対策を紹介します。

酢酸ビニルエマルジョン接着剤の基本構成と性能

酢酸ビニルエマルジョン接着剤は、酢酸ビニル系樹脂を水中に微粒子として分散させた水性接着剤で、乳白色の液体が硬化すると透明〜半透明の接着層になるのが特徴です。
このエマルジョンに可塑剤充填剤、各種添加剤を加えることで、初期タック・開放時間・硬化後の弾性や耐久性を調整し、木工用から紙管用、合紙用、フィルム/紙ラミネート用まで幅広いグレードが設計されています。
建築現場では「木工用ボンド」として認識されることが多いものの、酢酸ビニル単独系だけでなくエチレン酢酸ビニル共重合やアクリル共重合など、目的に応じた高機能タイプが主流になりつつあります。

酢酸ビニルエマルジョン接着剤と他系統接着剤の使い分け

水性の酢酸ビニルエマルジョン接着剤は、においが少なく、作業者にも居住者にも負荷が小さいため、内装の造作・巾木・建具まわりなど、居住空間に近い部分の施工に特に向いています。
一方で、耐水性や耐熱性が強く求められる直貼りフローリングや外装部材には、ウレタン系やエポキシ系などの反応硬化型接着剤が選択されることが多く、酢酸ビニルエマルジョン系は「木工・紙・内装軽負荷」という守備範囲を意識した使い分けが重要です。
最近では、エチレン酢酸ビニル共重合型やアクリル共重合型の水分散接着剤が登場し、従来の酢酸ビニル系より耐水性や柔軟性を高めたグレードも増えており、「水性=弱い」と決めつけず、仕様書で樹脂系統と性能を確認することが求められます。

酢酸ビニルエマルジョン接着剤 現場での施工条件と失敗しないコツ

酢酸ビニルエマルジョン接着剤は、水分が蒸発して樹脂粒子が再配列・融合することで強度を発現するため、基材の含水率・現場温度・換気状態が悪いと硬化が極端に遅れ、朝塗って夕方まで半生状態というトラブルが起きやすくなります。
特に冬季の低温環境では、乳化重合で得られたエマルジョンが「凍結」や「ソリッド化」を起こし、一見元に戻ったようでも接着性能が大きく低下しているケースがあり、メーカーが指定する保管温度と施工下限温度(多くは5〜10℃以上)を守ることが重要です。
また、塗布量を増やせば強く付くわけではなく、厚塗りは内部の水分抜けを妨げて接着層中央部がいつまでも柔らかいまま残る原因になるため、標準塗布量と圧締時間を守り、余剰分は硬化前に拭き取るのが施工品質の基本となります。

酢酸ビニルエマルジョン接着剤の意外な用途と共重合技術

酢酸ビニルエマルジョン接着剤は木工用のイメージが強いものの、紙管・ダンボールや印刷物のラミネート、金属箔やプラスチックフィルムと紙の貼り合わせなど、建材以外の生産ラインでも大量に使用されており、建築現場で使う接着剤と工場の箱やポスターが同じ系統の樹脂で作られていることはあまり知られていません。
近年は酢酸ビニルにアクリル樹脂やエチレンを共重合させたエマルジョンが主流となり、粘着性や可使時間、耐水性、低温特性が改善されており、同じ「酢酸ビニルエマルジョン接着剤」でも、配合次第で床用・ラミネート用・耐水木工用など全く異なる性格を持つグレードが設計されています。
さらに医療・食品分野で求められる低VOC・低臭タイプの技術が建築分野にも逆輸入され、病院・学校・高齢者施設などでの使用を前提にした低臭・F☆☆☆☆相当品が増加しており、用途と環境に応じたグレード選定が、これまで以上に重要になっています。

酢酸ビニルエマルジョン接着剤 現場トラブル事例と長期耐久性の考え方

内装木工でよくあるトラブルの一つに、酢酸ビニルエマルジョン接着剤を多湿環境の下地に使用した結果、数年後に開きやきしみ、さらにはカビの発生や接着層の粉状劣化が見られるケースがあり、これは接着剤自体よりも「基材含水率」と「換気計画」の問題であることが多いです。
また、タイルカーペットや長尺シートの仮固定用途では、他系統のピールアップ型接着剤が推奨されるにもかかわらず、余っていた酢酸ビニルエマルジョン接着剤を流用してしまい、「将来の撤去が極端に困難になる」「下地がめくれる」といった長期維持管理上の問題が発生することがあります。
長期耐久性を確保するためには、部材構成と荷重、想定寿命に対して接着剤の「硬化後の剛性・耐水性・温度依存性」を確認し、機械固定との併用や、あえて再剥離性の高い別系統接着剤を選ぶ判断も含め、「万能ボンド」としてではなく一つの材料として位置づける視点が欠かせません。
酢酸ビニルエマルジョン接着剤の定義・基本構成・用途について、建築技術者向けに整理された解説です。


参考)酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤とは?用語の意味を分かりやす…

酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤とは?|ツクノビ
水性接着剤や酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体など、系統別の特徴と代表的用途がまとまっています。resonac+1​
接着剤の種類とは?それぞれの特徴を徹底解説!|ノードソン
内装仕上げで用いるボンドの種類と、建築現場での具体的な使い分けや施工の勘所が解説されています。mirix+1​
ボンドの種類と使い方を徹底解説|建設現場で失敗しない
冬季の接着剤施工における温度管理や硬化不良のリスクなど、現場で見落としがちなポイントが紹介されています。


参考)冬季の低温対策 « 工房通信 悠悠

現代建築に欠かせない接着剤の種類と性能、歴史を解説